新しい働き方を支えるオフィス空間とは

現代は、リモートワークやフレックス制など、時間や場所に縛られない新しい働き方を選ぶ人が増えており、積極的に推進しようとする企業も増えました。しかし、従来の全員が同じ時間・同じ場所に集まって行う働き方に適したオフィス空間では、新しい働き方に対応しきれない部分も出てきており、それに応じた体制づくりも会社に求められてきています。

例えば、出社率の低下による社内コミュニケーションの希薄化や、Web会議ブースの不足といった新たな問題に直面し、困っている会社も少なくありません。これからは、オフィス空間が新しい働き方を邪魔するのではなく、むしろそれを支え、推進するための役割を果たすことが重要になってきます。本記事では、新しい働き方の定義とオフィス空間のあり方についてご紹介します。

新しい働き方とは

新しい働き方とは、働く時間や場所により柔軟で多様な選択肢をもち、社員が自分で選ぶことができるスタイルを指します。

例えば、オフィスに出社せず自宅で業務を行うリモートワークや、個人のライフスタイルに合わせて始業・終業時間を決める働き方などが代表的です。これらは、新型感染症の流行を機に全国的に定着しましたが、現代はより多様な選択肢が生まれ推進され続けています。

なぜ新しい働き方が求められるのか

新しい働き方が推進される背景には、少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少が大きく影響しています。限られた人数でそれぞれの会社が労働力を確保するためには、家庭の事情などで働きたくても働けない人の労働力をできる限り活用できる環境づくりが必要です。

また、働く人々の考え方も変化し、仕事だけでなくプライベートの時間を重視したいと考える人が増えています。従来の画一的な労働条件しか提示できない会社は、こうした考え方にはマッチせず、優秀な人材が集まりにくくなっています。

したがって、会社も生き残るためには新しい働き方へ対応し、採用競争力を高めることが不可欠となっているのです。

新しい働き方の例 

新しい働き方といわれるスタイルには、いくつかの種類があります。それぞれ詳しく見ていきましょう。                                                                   

リモートワーク

ICT(情報通信技術)を活用し、場所の制約を受けずに働くスタイルです 。通勤時間の削減による心身の負担軽減や、居住地に縛られない人材採用が可能になるなど、多くのメリットがあります。                                                    

フレックスタイム制

一定の期間内で総労働時間を定め、日々の始業・終業時刻を労働者が自由に決定できる制度です。業務の繁閑に合わせた調整や、個人の生活リズムに合わせた柔軟な働き方ができます。

 フレックスタイム制については、以下で詳しく解説しています

短時間正社員        

フルタイムよりも短い労働時間でありながら、正規雇用として待遇やキャリアの道が確保される働き方です。育児や介護と仕事を両立しなければいけなくなっても、キャリアを諦めたり不安を感じたりすることなく、継続的な就業が確保されます。                                                             

副業・兼業          

本業以外の仕事を持つことを指します。収入源を増やすという側面が注目されがちですが、スキルの向上や社外でのネットワーク形成といったメリットもあります。企業にとっても、社員が外部で得た知見を自社に還元してもらえる可能性があります。                                                      

フリーアドレス

オフィス内で社員が特定の席を持たず、その日の業務内容や気分に合わせて自由に座席を選択するスタイルです。部署を越えたコミュニケーションの活性化や、スペースの有効活用につながります。

フリーアドレスについての詳細は、以下もご覧ください。

ABW  

時間と場所を自由に選ぶ働き方をさらに進化させ、仕事の内容に合わせて自律的に最適な環境を選択する働き方です。集中したい時、チームで議論したい時など、目的に応じて働く場所を使い分けることで生産性を高められるというメリットがあります。

ABWについては、以下でも詳しく解説しています。

ハイブリッドワーク   

出社とリモートワークを組み合わせて働くスタイルです。オフィスワークと個人作業の効率化の「いいとこ取り」を目指す手法として、多くの企業で導入が進んでいます。

新しい働き方で見えてきた課題

新型感染症の流行以降から、新しい働き方が浸透し数年が経過した現在、メリットとともに様々な課題も明らかになってきました。具体的にご紹介します。                                                       

出社率が低下し社員間のコミュニケーションが減る    

リモートワークの定着により出社率が低下したことで、社員同士が対面で顔を合わせる機会は減りました。これにより、会社への帰属意識が希薄化し、チームとしての一体感が失われやすくなるという問題が出てきました。

会社の一員であるという意識や支え合い、繋がりなど、仕事をする上で心の拠り所となる関係性が築きにくい場合、自社への愛着不足によって離職率が高まるというリスクも生まれます。

また、社員同士の何気ない会話から生まれる偶発的なアイデアは、出社率の低下とともに減少する傾向にあります。かつては、オフィスでの立ち話から新しいプロジェクトのヒントが得られることもありましたが、オンライン中心のやり取りでは業務連絡に終始しがちで、こうした機会は生まれにくいのが現状です。

上司が部下の仕事を評価しにくい

出社率が低下し上司と部下とが物理的に離れて働く時間が増えると、上司は部下の仕事ぶりや目に見えない努力を把握しにくくなります。すると、結果だけで判断せざるを得ない場面も増え、適切な評価やフィードバックができないケースも出てきます。                                                

オフィス環境が変わらないことによる弊害   

新しい働き方が推進される一方で、オフィス環境そのものが従来のままであることも大きな問題を生んでいます。

例えば、Web会議が急増しているにもかかわらず、周囲を気にせず話せる専用スペースや個室ブースが不足しているといった問題です。また、形だけでフリーアドレス制を導入しても、座席の選択肢が少なかったり、単にデスクが並んでいるだけだったりと、新しい働き方のニーズに対応しきれていない会社も多いです。

新しい働き方に対応するオフィス構築のポイント 

先程の問題に対処するためには、オフィスの役割を見直し現状に合わせて最適化する必要があります。きちんと課題に対処できれば、社員は働きやすくなり、生産性もあがります。また、「わざわざ出社する必要がない」という考える社員がいたとしても、オフィスが出社したくなる場所へと変わり、コミュニケーション不足という問題も解決しやすくなります。                                 

オフィスは「社員が集まる拠点」と考える 

これからのオフィスは、社員が集まる拠点としての役割を前提としたコーディネートが必要です。デザイン性の高いオフィスは、社員のモチベーション向上につながり、仕事に誇りをもてる1つのきっかけにもなるでしょう。また、他社へのブランディングや採用力の強化にもつながります。   

デザイン性の高いオフィスのメリットについては以下で解説しています。

適切なゾーニング

ゾーニングとは、業務内容や目的に合わせて空間を機能ごとに区画分けすることを指します。例えば、集中して作業するエリア、活発に意見を交わすエリア、リフレッシュのためのリラックスエリアなどがあるでしょう。

ゾーニングを適切に行うことで、社員は状況に応じた最適な場所を選択できるようになります。

なお、具体的なオフィス家具の配置や動線確保については、「寸法計画」を考慮することが不可欠です。詳しくは、以下の記事で解説しています。

3月末公開予定の「寸法計画」記事までリンクを設置する。                                    

快適性を高める工夫   

社員がストレスなく業務に打ち込むには、オフィス環境の快適性を高めることも重要です。具体的には、適切な照明の確保、Web会議や集中作業を妨げない遮音対策、スムーズな移動を可能にする動線設計、そしてこれらを支えるITシステムの整備が挙げられます。

快適性を高めるポイントは、以下の記事で詳しく解説しています。  

                           

可変性のあるレイアウト

新しい働き方では、出社率が変動しやすいため、固定席を設ける従来のオフィスはふさわしくありません。なぜなら、出社しない社員のデスクは誰も使わず空間を圧迫するだけのスペースになってしまうからです。

キャスター付きのデスクや移動可能なパーテーションを活用した可変性のあるレイアウトを採用すれば、プロジェクトの規模や出社人数の増減に合わせて柔軟に空間を作り変えることができます。                                           

コミュニケーションエリアの拡充

コミュニケーションが不足しがちなオフィスでは、社員が自然と会話を交わせるような仕掛けが必要です。カフェカウンターやソファ席など、リラックスした状態で会話が弾むスペースがあると、偶発的なアイデアが生まれるきっかけも増えます。

オープンスペースのメリットについては、以下の記事もご覧ください。

新しい働き方を叶えるオフィスづくりに失敗しないために

新しい働き方に対応するオフィスづくりを成功させるには、よくある失敗例から学ぶことも大切です。

オフィス構築の進め方についてはこちらでも詳しく解説しています。

失敗例①フリーアドレスにしたが結局席が固定化している   

固定席をなくしてフリーアドレス化にしたものの、特定の社員が毎日同じ席に座り続けてしまうといった失敗は少なくありません。お気に入りの席があることは良いことですが、実質的に固定席化してしまうと十分な効果を得にくくなるでしょう。

こうした失敗を防ぐためには、運用ルールを設ける必要があります。例えば、離席時はすべての荷物を片付けること、私物をおきっぱなしにしないことなどを周知させると良いでしょう。

常に自由に誰でも座って良いという雰囲気を保つことが大切です。                                

失敗例②出社率の変動に対応しきれない    

リモートワークと出社を併用する場合、日によってオフィスの混雑状況が大きく変動します。座席数が足りずに座れない社員が出たり、逆に広すぎるスペースがデッドスペース化したりといった問題も発生するでしょう。

これに対応するには、状況に応じて柔軟に組み替えができる可変性のあるレイアウトでの対処がおすすめです。また、普段は打ち合わせや休憩に使うオープンスペースを、全社員が出社する際にはワークスペースとして活用できるように設計しておくなど、多目的に使える空間を設けることも、出社率の変動に対処しやすくなるポイントです。              

失敗例③社員の居場所の把握がしにくく探すのに苦労する       

フリーアドレスやABWを導入すると、誰が今どこで働いているのかが分かりにくくなる点にも対処しなければなりません。急な相談や対面での確認が必要な際、社員を探し回る時間は業務効率を低下させる要因となります 。

この課題を解決するためには、デジタルツールの活用がおすすめです。座席予約システムや位置情報把握システムを導入することで、リアルタイムで誰がどのエリアにいるのかを可視化できます。

新しい働き方に対応するオフィス構築はソーシャルインテリアにお任せ

従来のオフィス環境から新しい働き方に対応する環境へと変化させる際は、専門家への相談がおすすめです。これからの時代に合う魅力的なオフィス構築のために、まずは現状の課題を見つけてみませんか。

ソーシャルインテリアでは、経営課題のヒアリングを行い、貴社の働き方を一緒に考えるところから伴走支援いたします。まだ具体的にオフィスのイメージが固まっていなくても、まずはご相談ください。

実際にこれまで携わった内容について、オフィスの課題別にまとめた事例集もぜひご覧ください。

また、オフィスのフレキシブル性を高めるアイデアについては、以下でまとめています。