働きやすいオフィス環境を整えることで、生産性や従業員満足度の向上といった効果が期待できます。とはいえ、「オフィス環境を改善するために何から始めたらいいかわからない」「オフィス環境が社員の生産性にどう影響するのかピンと来ない」という人もいるでしょう。
本記事では、オフィス環境の改善による具体的な効果や、環境整備が必要なオフィスの要件ごとの改善ポイントについて解説します。快適なオフィス環境を構築したいと考えている人事・総務担当者の方はぜひご覧ください。
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目次
オフィス環境の改善が必要な理由
オフィス環境は、働く社員の生産性や健康維持、エンゲージメントなどの要素と深く関係しています。なぜオフィス環境の改善が重要なのか、理由について詳しく解説します。
生産性向上
オフィス環境の整備は生産性に直結します。室温や明るさが適切に保たれており、整理整頓が行き届いたオフィス環境では、集中力を妨げる要素がないため、作業が円滑に進みます。
その結果、社員1人ひとりのパフォーマンスが最大化され、結果的に生産性の向上や業務効率化といった効果が期待できます。
健康経営
健康経営とは、「社員の健康を維持することが、将来的な企業の収益性を高める」という考え方に基づき、経営視点で社員の健康を管理する取り組みのことです。経済産業省が平成26年度から「健康経営銘柄」の選定を行うなど、国主体で取り組みが重要視されています。
厚生労働省の調査では、労働者の約58%が「仕事や職場にストレスを感じている」という結果が出ています。ストレスにより、健康状態の悪化から休職や退職につながるリスクもあるため、オフィス環境の改善を通してストレス軽減に努めることも大切です。
参考:経済産業省「健康経営」
エンゲージメントや帰属意識の向上
働きやすいオフィス環境は、社員のエンゲージメントや帰属意識にも直結しています。自分たちが働くオフィスがきれいに整えられていれば、企業から大切にされていると感じて、愛社精神を持つ社員が増える可能性も。
また、おしゃれなオフィス空間により、やる気のある社員が増えて、ポジティブな雰囲気づくりや人間関係の構築にもつながるでしょう。「ここで働きたい」という社員が増えれば、離職防止の効果も期待できます。
環境整備が必要なオフィスの特徴
オフィス環境の改善は、社員や企業にとって多くのメリットが見込めます。環境整備が必要なオフィスの特徴と改善ポイントについて解説していきます。
雑音・騒音がある
騒音や雑音が多いオフィスや、社内の音が漏れやすい環境では、集中して作業することができません。座席同士の間隔が狭く、隣の人のキーボード音や話し声が気になり、ストレスが増える場合もあります。
最近はオンライン上で会議や商談を行う機会が増え、ビデオ通話の音も課題に挙がっています。防音シートや吸音パーテーション、遮音効果のある個室ブースなどを活用することで、防音対策が可能です。
静かすぎる
雑音がうるさいオフィスは集中できませんが、反対に静かすぎて仕事に支障を来たすケースもあります。静まりかえった空間では、通話中の声や資料をめくる音などを出さないよう気をつけなければならず、かえってストレスになる可能性があります。
対策としては、静かな波の音や川の音などをBGMとして流す方法や、社員同士の会話を促すレイアウトなどが有効でしょう。
照明が暗い
照明の数や照度が足りず、オフィス全体が暗いと作業効率が下がるだけでなく、視力低下などの不調にもつながります。
また、薄暗いオフィスは雰囲気も暗くなり、士気を下げてしまいます。オフィスの広さに合った数の照明を設置するとともに、古い照明を交換し、適切な明るさに設定することが大切です。
オフィスの照明の種類や選び方のポイントはこちらの記事で紹介しています。
『オフィスの照明はどう選ぶ?照明を変えるメリットや種類を紹介』
空調・換気
オフィスは日中の大半を過ごす場所であり、暑すぎる、または寒すぎる場合は快適に働くことができません。また、換気が不十分だと、室内の空気が淀んでしまい、社員の健康に影響が出る可能性もあります。
オフィスの換気設備は建築基準法で定められていますが、来客時に応接室や会議室の人数が増えた場合はドアを開けるなどの対応が必要です。サーキュレーターなどを用いて、季節や天候ごとに適切な室温をキープする必要があるでしょう。
動線が悪い
動線が悪いオフィスでは、社員の行き来がしにくいため、作業効率や従業員満足度が下がってしまいます。執務スペースの動線が確保されていない、通路が狭く、ものが邪魔になって移動に支障が出るなど不具合が生じていないか見直しが必要です。
また、必要な動線が確保されていないために、部署同士のコミュニケーションが取りにくくなり、業務に支障が出るケースも考えられます。
デスクやチェアが古い
長時間使用するデスクやチェアが古いと、使い心地が悪く、作業効率に影響する可能性があります。また、体に合っていない家具を使っていると、肩こりや腰痛など健康にも影響を及ぼします。
デスクとチェアは、機能性とデザインのバランスを考慮するとともに、スペースや利用者の条件も考慮して選ぶことが大切です。人間工学を取り入れた高機能チェアなど、長時間座っても疲れにくいオフィスチェアがおすすめです。
デスクチェアについては次の記事で紹介しています。
『生産性が変わる!オフィスチェアの選び方とおすすめチェア6選』
休憩スペースがない
休憩スペースは、オフィスで長時間過ごす社員にとっては特に重要な空間です。休憩スペースがない、あるいはあっても使いづらい場合、気が休まらず、集中力も下がりやすいでしょう。
作業効率を維持するためには、適度に休憩を挟みながら働ける環境が必要です。昼休みや小休憩に、デスクから離れて一息付ける休憩スペースを設置することや、リフレッシュの目的でグリーンを活かす方法が有用です。
休憩スペースの必要性や設計時のポイントはこちら
パーソナルスペース・集中スペースがない
パーソナルスペースが適度に確保されていることも、快適なオフィス空間づくりのポイントです。社員同士の距離が近すぎると、話し声や物音が気になり集中しづらいものです。
また、オフィス家具の配置が悪く、個人の空間が十分に得られない場合にも、ストレスに感じやすいでしょう。オープンスペースでのWeb会議の際に集中用個別ブースや、1on1や重要な会議などでも役立つフォンブースなどが有用です。
個別ブースの導入コストや手順はこちら
『個室ブース(個人ブース)の導入メリットは?費用や導入手順』
フォンブースの選び方や設置方法はこちら
『フォンブースはいくらで導入できる?選び方や設置までの流れを解説』
コミュニケーションが促されづらい
コミュニケーションの質は、働きやすさや仕事へのやる気に直結します。社員同士が触れ合えるコミュニケーションスペースがあることで、部署を越えた交流が生まれ、社内全体のコミュニケーションの活性化につながります。
反対に、風通しの悪いオフィス空間では、社員の業務効率やストレスにも影響を与えるでしょう。多目的に使えるフリースペースやイベントスペースを設置する方法はもちろん、カフェスペースやリフレッシュスペースを交流の場として機能させることも可能です。
オフィス環境の改善事例
ここで、オフィス環境の改善事例として、株式会社セキュア様のオフィスを紹介します。株式会社セキュア様のオフィスでは、増床のタイミングで「コミュニケーションが取りにくい」という課題を解消するためにもレイアウト変更を行いました。
「フロア全体を見渡せるようなオフィス」というコンセプトの元、オフィス中央に設置したオープンスペースは、全社会議や部署のミーティングに加えて、社員同士がカジュアルに交流できるフリースペース、歓送迎会などのイベントスペースなど、多目的に機能しています。
また、スタンディングデスクや1on1ブースなど、コミュニケーションがとりやすくなる工夫も取り入れました。その結果、コミュニケーションが活性化されたことを実感していると言います。
株式会社セキュア様の事例について、詳細は以下よりご覧いただけます。
時代にあわせたオフィス環境を作っていこう
オフィス環境を改善することで、社員のモチベーションアップや業務効率化、社内全体における生産性向上など多くの効果が期待できます。快適に働けるオフィス環境を構築するためには、改善が必要な問題点を把握し、対策を取り入れることが重要です。
ただ、オフィス環境にはさまざまな要素が関係しているため、オフィス構築の施工事例が豊富なプロに相談してみましょう。ソーシャルインテリアでは、オフィス移転に伴うレイアウトの変更やオフィス家具の選定など、オフィス構築の幅広いご相談をお受けしています。
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