管理職の席配置はどうすべき?上司も部下も働きやすいオフィスレイアウトとは

オフィスレイアウトを見直す際、注意したいのが管理職の席配置です。管理職の席をどこに配置するかによって一般従業員の働きやすさや生産性に差が出るため、上司と部下の双方が働きやすい席配置になるよう工夫する必要があります。

本記事では、管理職の席配置を決めるときに押さえておきたいポイントを解説します。管理職の席配置の重要性やおすすめの席配置もお伝えするので、ぜひご一読ください。

スムーズなオフィス運用・業務遂行に管理職の席配置が重要な理由

オフィス運用や業務遂行をスムーズに進めるには、管理職の席配置が影響します。管理職と一般従業員との席は遠すぎず近すぎず、適切な距離を保つことが重要です。その理由として、以下が挙げられます。

  • 上司の目が部下へのプレッシャー・ストレスになる
  • コミュニケーションの取りやすさは進捗管理や業務効率に影響する
  • 「偶然見えた」が情報漏洩につながる危険がある

上記3つの理由について、以下で詳しくみていきましょう。

1.上司の目が部下へのプレッシャー・ストレスになる

上司と部下の席が近すぎると、部下がプレッシャーやストレスを感じる原因となります。常に監視されているという感覚に陥りやすく、例え上司にそのようなつもりはなくても、部下の負担になる可能性があるため注意しましょう。

プレッシャーやストレスを感じる環境では、本来の能力が発揮できません。「部下をすぐサポートできるように席を近くしている」というケースもあるかもしれませんが、近すぎると逆効果になってしまいます。

上司と部下の席は、上司の目が気にならない程度の距離を保ちましょう。

2.コミュニケーションが取りやすさは進捗管理や業務効率に影響する

席が近すぎると部下へのプレッシャーになってしまいますが、遠すぎてもコミュニケーションが取りづらくなるため注意が必要です。上司と部下の席が離れすぎていると、上司は部下の状況を把握しづらく、部下は上司に声をかけにくくなってしまいます。部下が上司に相談しづらい環境では、コミュニケーション不足による進捗の遅れやトラブルにつながるリスクもあります。

このような事態を防ぐために、上司の目が届きやすい範囲に部下の席を設け、部下から上司に話しかけやすい席配置になるよう工夫しましょう。

3.「偶然見えた」が情報漏洩につながる危険がある

管理職は、一般職員には閲覧権限のない機密情報や人事情報などを扱うことがあります。その際、上司のパソコンや資料が部下の目に入りやすい席配置では、本来は見えてはいけない情報が偶然見えてしまうかもしれません。「偶然見えた」が情報漏洩につながる危険があるため、上司の取り扱う情報が部下から見えにくい席配置にすることも大切です。

上司と部下の席を近くせざるを得ない場合は、パソコンの覗き見防止シートやパーティションなど、パソコンの画面や資料が周囲の人の目に入りにくくなるよう対策するのがおすすめです。

管理職も部下も働きやすいおすすめのオフィスレイアウト3選

オフィスレイアウトにはさまざまな種類がありますが、管理職も部下も働きやすいおすすめのレイアウトは以下の3つです。

  • 対向型
  • 背面型
  • グループアドレス型

それぞれのレイアウトの特徴を以下で解説するので、自社に合ったレイアウトを探してみてください。

1.対向型

対向型はデスクを向かい合わせに配置するレイアウトで、多くのオフィスで採用されている一般的な形です。デスクのまとまりを「島」といい、部署やチームごとに島を作ります。隣や向かい合う人と会話がしやすく、コミュニケーションを取りやすいのがメリットです。

すべてのデスクを向かい合わせに配置するケースと、管理職の席を島が見渡せるように端に配置するケースがあります。管理職が島を見渡せるようにしておくと、部下の様子を把握しやすくなるだけでなく、管理職のパソコンや資料が部員の視界に入りにくく情報漏洩を防げるのもメリットです。

2.背面型

背面型は、互いに背中合わせになるようにデスクを配置するレイアウトです。他人の視線が気になりにくいため、「上司に監視されている」という感覚を持ちにくいことや、仕事に集中しやすいことがメリットとして挙げられます。通常は背中合わせですが、互いに振り向けばすぐに会話ができるのでコミュニケーションをとりたいときも問題ありません。

スペースを有効活用するために、対向型レイアウトで正面にパーティションを設置し、同じ部署やチームのメンバーを背中合わせになるように配置すると背面型として運用できます。

3.グループアドレス型

グループアドレスとは、チーム内で行うフリーアドレスのことです。部署やチームごとに場所が割り当てられ、そのなかで自由に席を選んで仕事をします。チームごとにまとまって仕事が進められ、コミュニケーションや情報共有がしやすいのがメリットです。席は固定しないため日によってチーム内の席配置が変わり、コミュニケーションの活性化も期待できます。

グループアドレスは、フリーアドレスよりも導入ハードルが低いというメリットもあります。フリーアドレスは部署やチームに関係なく好きな席を選んで仕事をするため、管理職が部下の様子を把握しづらくなり、情報共有や相談が難しくなる点に注意しなければなりません。

グループアドレスなら部署やチームでまとまって働けるので、フリーアドレスのデメリットを解消しながら固定席よりも自由度の高い運用が可能になります。

管理職におすすめの席配置

グループアドレスは席を固定しませんが、対向型や背面型を採用する場合は管理職の席をどこに配置するか決めなければなりません。

管理職の席は、オフィスの入り口もしくは中心がおすすめです。ここでは、管理職におすすめの席配置について解説するので、固定席を検討している場合は参考にしてください。

1.オフィスの入り口

管理職の席をオフィスの奥に配置しているオフィスも多いでしょう。しかし、上司と部下のコミュニケーションを推進するには、オフィスの入り口付近に管理職の席を設けるのがおすすめです。

オフィスに出入りする際に必ず上司の席の近くを通ることになるので、自然な会話が生まれやすくなります。部下から話しかけにいくハードルが下がり、上司も近くを通る部下に話しかけやすくなるでしょう。

2.オフィスの中心

管理職の席をオフィスの中心に配置すると、部下の様子が自然と目に入るようになります。島の端に管理職の席を配置すると、席が遠い部下の様子が把握しづらくなりますが、席が中心にあれば部署内の部下を平等に見渡せるので安心です。

チームの中心に管理職がいると部下からも話しかけやすく、上司は部下同士の会話が耳に入りやすくなってコミュニケーションや情報共有の活性化も期待できます。

オフィスレイアウトで管理職の席配置を決めるときのコツ

オフィスレイアウトで管理職の席配置を決めるときは、以下のポイントを押さえておいてください。

  • 上座・下座にこだわらない
  • 部下の顔が見えるデスク配置・環境を整える
  • 会議や意見交換ができるコミュニケーションエリアを整備する

上記3つのポイントについて、以下で詳しくみていきましょう。

1.上座・下座にこだわらない

従来のオフィスは上座・下座を意識して管理職の席をオフィスの入り口から遠い場所に配置するケースが一般的でした。オフィスの奥に管理職の席を並べ、部下のいる島が正面になるように上司が座るレイアウトがよく見られます。しかし、このような配置は部下が監視されているように感じやすく、上司に話しかけに行くハードルも上がってしまいます。

先ほどおすすめしたオフィスの入り口付近や中央に管理職の席を配置するレイアウトは、上座や下座を意識していません。コミュニケーションのしやすさを重視するなら、上座や下座といった考えは一度捨ててみてください。

2.部下の顔が見えるデスク配置・環境を整える

上司と部下の距離が近すぎると部下へのプレッシャーになってしまいますが、お互いの顔が全く見えないデスク配置では上司が部下の様子を把握しづらくなるため注意しましょう。部下の態度や表情から悩みを抱えているかどうかなどを察知するのも、管理職の大切な役割です。しかし、部下が視界に入らないデスク配置では、上司が部下の異変に気づけません。

先ほど紹介したオフィスの入り口付近や中央に管理職の席を設けると、上司の視界に部下が入りやすくなります。また、モニターやパーティションも視界の妨げになるため、デスク環境も工夫してみてください。

ただし、あまり距離が近すぎると監視されていると感じ、部下のプレッシャーとなってしまいます。視線が気になりすぎない距離やレイアウトに配慮しましょう。

3.会議や意見交換ができるコミュニケーションエリアを設置する

コミュニケーションの活性化を目指すなら、ミーティングスペースやフリースペースなどちょっとした打ち合わせや休憩に利用できるエリアを設置するのがおすすめです。気軽にコミュニケーションがとれるエリアを設けておくと、席が離れている上司と部下が雑談するきっかけになったり、業務では関わりのない社員同士の交流が生まれたり、さまざまなメリットがあります。

コミュニケーションエリアはオフィスの空きスペースにテーブルや椅子を設置するだけで完成するので、手軽に導入が可能です。人が自然と集まる場所になるよう、ラウンドテーブルなど柔らかい雰囲気の家具を選びましょう。簡単なミーティングスペースには、立って会話ができるスタンディングデスクもおすすめです。

管理職の席配置の定番「窓際」は非推奨!おすすめの活用法は?

管理職の席は、従来は窓際が定番でした。日本では「入り口側が下座、奥が上座」という考えが浸透していて、それがオフィスレイアウトにも反映されているケースが多いためです。しかし、管理職の席配置として窓際はあまりおすすめできません。夏は熱く冬は寒い窓際はオフィスの中で快適な場所とはいいづらく、日光が強いとモニターが見えにくいため仕事に集中しづらい環境です。

上司と部下のコミュニケーションのことを考えても、管理職の席配置として窓際は適さないため、近年は窓付近にはデスクを配置しないレイアウトを採用するオフィスも増えています。たとえば、窓際は仕事に集中しづらい条件が揃っていますが、開放感があるので休憩スペースには最適です。このように、上座・下座ではなく環境の特性に合わせてレイアウトを考えてみてください。

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本記事で紹介したとおり、オフィスのレイアウトを検討する際には管理職の席配置を考慮することが大切です。従来の「窓際に管理職」という定番レイアウトではなく、上司も部下も働きやすいレイアウトを考えてみましょう。

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