近年、働き方改革やテレワークの普及など、労働環境を取り巻く状況は大きく変化しています。その中で注目されているのが、オフィス環境と生産性の関係性。
しかし、単にオフィスのレイアウトを変えることが、生産性向上に繋がるわけではありません。
生産性向上のために、オフィス環境にはどのような工夫が必要なのでしょうか。この記事では、生産性に効くオフィスデザインや働き方について、事例やアンケート結果を交えて紹介します。
目次
オフィス環境と生産性の関係性とは?
2017年3月に一般社団法人日本オフィス家具協会が調査した結果によると、オフィス環境の良し悪しは、仕事の成果をあげることに影響するかとの問いに対し、64.8%が影響すると回答しています。
他にもこの調査内で同様の調査報告が上がっていることから、多くの会社員がオフィス環境が仕事の生産性に影響すると考えています。
参考:一般社団法人 日本オフィス家具協会「オフィスワーカーから見た、オフィス環境ニーズのトレンド」
https://www.joifa.or.jp/pdf/common_summarydata.pdf
生産性向上が重要な理由とは?
国際的な観点で、日本の労働生産性が低いことが問題となっています。労働人口が減っている日本国内の国内総生産(GDP)は2019年の結果では世界第3位ですが、国民一人当たりのGDPで見た際、日本は18位と主要先進国の中で遅れを取っていることがわかります。
参考:公益財団法人「労働生産性の国際比較 2019」
https://www.jpc-net.jp/research/assets/pdf/R2attached2.pdf
2020年のコロナウィルスをきっかけに働き方に変化が起きた
コロナウィルス感染防止を目的とした、緊急事態宣言の発令以降、多くの企業が働き方の見直しを余儀なくされました。これをきっかけにオフィスのあり方にも変化が起きました。
リモートワークの普及
多くの企業がリモートワークを新しい働き方として採用しました。その結果、オフィス規模の縮小やコロナ禍での働き方に合わせたワークスタイルを取り入れるようになり、働き方だけでなくオフィスのあり方も見直すきっかけとなりました。
リモートワークと生産性の関係についてはコクヨ株式会社が2021年に自社の社員を対象にアンケートを行っています。その結果の中で、リモートワークで生産性が上がった人の特徴は、自発的な業務姿勢を取り、積極的にオフィスコミュニケーションを行っていたことがわかりました。
参考:OFFICECOM「生産性が向上するオフィスレイアウト3選!事例やポイントを解説」
https://www.kokuyo-furniture.co.jp/solution/mana-biz/2021/10/post-612.php
リモートワークについてはこちらの記事で紹介しています。
オフィスレイアウト、働き方の変化
一方、コロナ禍で全ての企業がリモートワークを採用したわけではありません。コロナ禍でも社員一人ひとりの生産性を損なわずに働ける環境を提供しようと工夫する企業も出てきました。その結果、オフィスレイアウトの方式に変化が起きます。
オフィスレイアウトのトレンドでは、フリーアドレスやグループアドレスといった形で、社員がオフィス内で働く場所を選べるレイアウトを採用する会社が増加。また、働き方の面では、ABWという新しい働き方が注目されました。
ABWについてはこちらの記事で紹介しています。
2024年現在はオフィス回帰がブームに
2023年以降、新型コロナウイルスの感染状況が落ち着いてきたことを受け、オフィス出社への回帰が多くの企業で進んでいます。これは、先のコクヨ株式会社によるアンケート結果で示された課題、つまり会社としての生産性やコミュニケーションの円滑化に向けた取り組みが普及してきたことを反映していると考えられます。
オフライン出社の方が、オフィスコミュニケーションは取りやすい
オンラインとオフラインどちらの方がオフィスコミュニケーションが取りやすいと感じるかソーシャルインテリアの社員18人に聞いたところ、17人がオフラインの方がコミュニケーションが取りやすいと回答しています。※Q1の回答
Q1:”オフライン出社とリモートワークではどちらの方がオフィス内コミュニケーションが取りやすいと感じますか?”
Q2:”なぜオフライン出社の方がオフィス内コミュニケーションが取りやすいと感じますか?’
Q2への回答
- 簡単な質問や案件の進捗等、相談ベースでも気軽に話しかけやすいため
- 直接顔を合わせてコミュニケーションを取るほうが、ちょっとしたニュアンスの違いや温度感が誤解なく伝わりやすいように感じるため。(表情や空気感で認識の齟齬に気づきやすく、上手く伝わらなかったときにその場ですぐに訂正しやすい)
- 実際にオフィスに出社した方が、何気ない雑談から少し仕事の話に進んだりなど、キャッチできる情報の量が多くなり円滑です。
この結果から、生産性向上という観点でも、オフライン出社の方が効果的であることが示唆されます。さらに、オフィスコミュニケーションはオフィスデザインと密接な関係にあるため、コミュニケーションが円滑に取れるような環境を整備することが重要です。
オフィスコミュニケーションについてはこちらの記事で紹介しています。
生産性に効くオフィスとは?
実際にどんなオフィス環境だったら生産性が上がるのか、ソーシャルインテリアの創業初期から携わっているコーポレート室の北尾さんに自社目線で意見を伺ってみました。
株式会社ソーシャルインテリア コーポレート室 北尾真陽子
中央大学を卒業後、大手インテリア会社に所属。2017年にソーシャルインテリアへ入社し、お客様への提案業務並びに仕入れ先メーカー各社や設計事務所との協業推進を担当。2024年現在は社内コーポレート室で新設事業を立ち上げ、法務領域をメインに担当している。ライフワークは理論と感覚によるカラーコーディネート。
フリーアドレスはオフィス規模によっては生産性向上が期待できる
ソーシャルインテリアでは、フリーアドレス制(一部グループアドレス)を導入しています。その結果、業務ごとにすぐに話し合いができたり、OJTでそばにいたりすることができ、コミュニケーションの活性化に貢献していたと感じています。
最近ではグループアドレスを導入し、生産性向上に努めている
ソーシャルインテリアは2018年に創業した会社ですが、ありがたいことに毎年新しい仲間がジョインしてくれています。最近では社員数の増加と事業拡大フェーズに対応するため、グループアドレスによる業務体制を構築しています。
弊社では、このグループアドレスを「スクラムオフィス」と呼称し、独自の体制を運用しています。これにより、新入社員が社員の顔と名前を一致させられないといった悩みや、先輩社員にちょっとした相談をしたい時に所在がわからないといった課題を解決することができました。
生産性に効くオフィスデザイン例
オフィス移転を行ってから生産性が高まりました|モべンシス株式会社様
おしゃれなデザイン性で壁のない執務室、社内外の人が自然に集まれるオープンスペース、コミュニケーションが取りやすさとオフィス機能の充実が両立したオフィスです。
事例レポートは以下よりダウンロードできます。
オフィス家具やレイアウトを変えてから生産性が高まりました|株式会社ジャンプコーポレーション様
明るくオフィス全体が見渡せるレイアウトやコミュニケーションの取りやすさを重視したオフィス家具を選定。フリーアドレスを生かして、オフィス内で様々な働き方や快適さを提供することで、社員同士の部署間を超えたコミュニケーションが自然に取れるオフィスです。
事例レポートは以下よりダウンロードできます。
生産性に効くオフィスデザインのご相談は「ソーシャルインテリア」にお任せ!
生産性向上のためには、それぞれの企業に合ったオフィスレイアウトや働き方の見直しが重要です。改めて出社の重要性が高まる現在、オフィスのアップデートを考えてみましょう。
ソーシャルインテリアでは、オフィス家具の選定やレイアウトなど、オフィスの課題解決に向けてトータルでサポートいたします。自社に合ったワークスタイルやオフィス空間をご提案いたしますので、まずはお気軽にお問い合わせください。