デザイン性の高いオフィスは採用や生産性の向上に効く

オフィスデザインは、企業の価値を伝える空間として見直されてきています。テレワークや働き方改革が推進され一般化した現代では、よりその必要性を感じる企業も増えているでしょう。本記事では、デザイン性の高いオフィスがもたらすメリットやポイント、変更のタイミング、最近のトレンドまで詳しく解説します。

デザイン性の高いオフィスがもたらす効果

デザイン性の高いオフィスにすることは、単純に見た目が良くなること以外にも様々な効果が見込めます。環境が変わるだけだと思われるかもしれませんが、長い目で見ればコストをかけてでも実施する意味は十分にあると考えられます。

採用の強化につながる

オフィスの見た目は採用競争力の強化に直結します。面接や説明会に訪れた人がデザイン性の高いオフィスを見れば、魅力的な職場であると感じやすく、そこで働きたいという意欲も増すでしょう。

また、求人媒体やコーポレートサイトにオフィスの写真を掲載することで、応募者数の増加にも繋がりやすくなります。

生産性の向上が見込める

デザイン性の高いオフィスは、社員の精神面にも良い影響を与え、生産性の向上も期待できます。

例えば、オフィスにグリーンを取り入れると、87%の人が何らかのプラスの効果を実感したという報告があります。グリーンがあることで、ストレスが和らぐと実感したり、居心地の良さを感じる人も多いことが分かりました。また、モチベーションの向上や集中・生産性の向上を実感している人の割合も高いです。

参照:環境省 自然環境局自然環境計画課 生物多様性戦略推進室 「オフィス緑化に関する優良事例調査報告書」

また、オフィスにグリーンを取り入れるコツについては、以下でご紹介しています。

グリーンを導入すること以外にも、業種によっては集中ブースを導入したり、リフレッシュスペースを設置したりすることで、メリハリのある働き方が実現しやすくなるなど、生産性の向上をもたらす可能性があります。

リフレッシュスペースについては、こちらの記事でもご紹介しています。ぜひ、参考にしてください。

従業員のエンゲージメント向上につながる

会社の価値観やイメージが反映されたデザイン性の高いおしゃれなオフィスは、社員の帰属意識を高め、エンゲージメント向上にもつながります。空間を通じて、会社の理念などを楽しく認識させる効果も期待できるでしょう。

社内の雰囲気が良くなり、働きつづけたいと思ってもらうことができれば、離職率の低下にもつながります。

オフィスデザインを考えるポイント

では具体的に今のオフィスのデザイン性を高める方法として、考えていくべきポイントについてご紹介します。

デザイン性と機能性の両立を図る

オフィスデザインは、「おしゃれ」と「機能的」の両立が不可欠です。ただデザイン性を追求するだけでは、働きやすさを叶えることはできません。

どのようなオフィス環境が好ましいのかは、会社によって様々です。業務の遂行にあたり、社員がどのように動くのか、何が求められるのかを反映させることが重要です。

例えば、個別に集中して作業をする人が多い職場と、頻繁にコミュニケーションを図る必要がある職場とでは、理想となるオフィス空間は変わってきます。

まずは会社が目指すオフィスの形をイメージして、それに沿うようにデザインを検討していきましょう。

集中して作業を行えるオフィスのデザイン例

それでは、集中して作業しやすいオフィスのデザイン例をご紹介します。

こちらは、ゴウリカマーケティング株式会社様の執務室です。以前は、ガラス張りの執務室でプライバシーが確保しにくく、周囲の雑音で集中できないという点が大きな課題でした。

読書家という代表の希望も取り入れ、図書館のような雰囲気の執務室には、フォンブースと会話できるスペースの両方を設置しています。全体的に落ち着きのある静かな空間が確保でき、以前のオフィスよりも集中しやすい環境となりました。

より詳しい内容については、以下のページでご紹介しています。

コミュニケーションを活性化させるオフィスのデザイン例

コミュニケーションが図りやすいオフィスのデザイン例についても見ていきましょう。

こちらは、フォースタートアップス株式会社様のオープンスペースです。事業や組織の拡大に伴い、空間のキャパシティ不足が課題でした。5年先、10年先を見据えて計画に基づく増員に対応しうる座席数やミーティングスペースの確保などを行い、その中の1つがこのオープンスペースです。

ステージを含む開放的な空間では、社内行事や起業家・投資家との勉強会、様々なイベントなども開催されており、人々が縁を絆へと深める特別な場所となっています。

より詳しい内容については、こちらでご紹介しています。

オフィスのデザインを変更するには

オフィスのデザインを変更するタイミングは、会社によって様々です。デザイン変更を行いたい場合は、以下のタイミングで行うと取り組みやすいでしょう。事例とともにご紹介します。

オフィス移転のタイミング

オフィス移転時は、大きなデザインの変更を行いやすい最も適したタイミングと言えます。広さ、レイアウト、設備などオフィス環境全体を見直す絶好の機会となり、デザインの変更の自由度もとても高いです。

実際の事例をご紹介します。ニッセイ・ウェルス生命保険株式会社様は、オフィス移転に伴ってオフィスデザインを改修されました。

空間を引き立てる家具やアートを導入し、落ち着きのある洗練された環境となりました。

より詳しい内容については、以下の記事もご覧ください。

既存オフィスリニューアルのタイミング

オフィス移転をしなくても、リニューアルを行うケースはあります。

大手外資系自動車メーカー様は、国内オフィスリニューアルプロジェクトにて、デザインエリアのレイアウト変更や家具の変更などを行われました。

エントランスは月と太陽をモチーフにした和紙装飾を設置し、来訪者はベンチに腰を掛けて一息つくことができます。

リフレッシュエリアやミーティングエリアなど、自席以外にも安心できる場所が生まれ、気分に応じて使い分けることができます。全席からデザインレビュー画面が視認できるスタジアムも、コミュニケーションの効率化に役立っています。

より詳しいリニューアル内容については、以下の記事で確認できます。

既存オフィスのレイアウト変更のタイミング

既存オフィスのまま、リニューアルよりも規模が小さい範囲でデザイン変更を行いたい場合は、家具の入れ替えという方法もあります。

株式会社明電舎様は、サブスク家具の導入によって、コンセプトに沿ったデザインや配色のオフィス空間を実現しました。

サブスク家具のメリットは、自由度の高さだけではありません。SDGsの考え方にもマッチし、予算と経費のバランスがとりやすい形でもあります。

より詳しい内容については、以下の記事もご覧ください。

また、タイミング別のデザイン変更については、こちらの記事でも詳しくまとめています。

オフィスデザインの最新トレンド

オフィスデザインの最新トレンドを把握しておくことは、これからデザインの方向性やレイアウトを考えていく際のヒントとなります。ここからは、最新トレンドを柔軟に取り入れた事例をご紹介します。

ABW(Activity Based Working)|働く環境を自律的に選ぶ

ABW(Activity Based Working)とは、社員が目的に応じて場所や時間、ツール等を自律的に選べる状態にすることを目指す、ワークスタイル戦略を指します。

例えば、集中ブースを設置することで、周囲の音や視界に入ってくる情報をシャットアウトし、個人作業に集中しやすい環境で仕事ができるようになります。フォンブースがあれば、個人の通話やオンライン会議でも周囲に気を遣いすぎる必要がなくなります。

その他には、会議室や休憩室などがあり、それぞれの目的に応じて最適な環境を整えることで、効率的に仕事を推進することが可能となります。

以下は、オフィスデザインの変更によってABWの推進にもつながった事例です。

フリーアドレス

社員が固定の自席を持たず、自由に座席を選べるオフィスのことを、フリーアドレスオフィスと呼びます。

フリーアドレスの大きなメリットは、スペースが最大限有効に使いやすくなるという点にあります。休暇やリモートワークなどで空く固定デスクのスペースを、その他の用途に活用することができます。

経理や事務、総務など、固定のデスクがあった方が良い部署もあるため、仕事内容によって適宜調整するのが好ましいでしょう。

フリーアドレスオフィスにより、「社員が来たくなるオフィス」というコンセプトを実現した事例をご紹介します。

フレックスタイム

フレックスタイムとは、出社と退社の時間を一律に会社が決めるのではなく、一定の範囲内で社員が自由に選べる働き方を指します。

フレックスタイム制を導入している会社の場合、時間によって在席数は変化するため、最も込み合う時間帯を基準とした席数の確保が必要です。また、会議スペースが必要となる時間帯は集中しやすいため、臨機応変に対応できるよう可動パーテーションで区切れる場所を用意しておくのもおすすめです。

まとめ

デザイン性の高いオフィスは、生産性や会社の魅力度を高めるといったメリットがあります。単におしゃれな空間にするのではなく、仕事内容を踏まえて機能性を持たせることで、より働きやすい環境につながります。

オフィスのデザイン変更のタイミングは、移転時のみに限りません。既存のオフィスをリニューアルしたり、レイアウトや家具を変更したりするだけでも、成果をあげることが可能です。

最近は、ABWやフリーアドレス、フレックスタイム制といった、時間や場所を固定しすぎない働き方がトレンドです。どのようにオフィスデザインを変更していくのかについては、目的やタイミング、規模によって様々です。

ソーシャルインテリアでは、デザイン変更のご相談から受け付けておりますので、ぜひお気軽にご連絡ください。これまでに行った様々な事例を掲載した課題別事例集をご覧いただくと、よりイメージがしやすくなります。

また、今回ご紹介した事例も含めて、様々な事例を取り上げています。ぜひ、あわせてご覧ください。

関連事例