
働き方の多様化が進む中、オフィスを「働きたくなる場所」にするための取り組みに注目が集まっています。洗練されたおしゃれなオフィス空間は、社員のモチベーションや生産性の向上にも直結します。
本記事では、おしゃれなオフィスレイアウトの作り方のポイントをパターン別にご紹介します。スタイリッシュさを備えた企業オフィスの事例も紹介するので、自社オフィスのリニューアルや移転に伴うデザイン変更にぜひお役立てください。
目次
おしゃれなオフィスがもたらすメリットとは
おしゃれなデザインやレイアウトのオフィスは、見た目の良さだけでなく、業務効率やモチベーションの向上など、さまざまなメリットをもたらします。しかし、見た目の良さだけを重視してしまうと、実際の業務に支障をきたす恐れも。オフィスづくりでは、デザイン性と機能性の両立を意識し、快適かつ効率的なレイアウト設計を心がけることが重要です。
また、オフィスレイアウトを考える際には、社員の動線を意識することが大切です。例えば、社員全員が使用する複合機は、各部署からアクセスしやすい場所に設置することで、移動の無駄を減らし、業務効率を高めることができます。また、応接室は来客が迷わずたどり着けるよう、エントランス近くに配置することがおすすめです。
オフィス家具の配置においては、通路幅を確保することが重要です。家具の間隔が狭すぎると、人が通るときにぶつかるリスクや、作業スペースの圧迫などによって、業務効率が低下する原因となります。フィジカルディスタンスの観点からも、通路幅は900mm以上を目安に確保するのが望ましいでしょう。
社員のモチベーションと生産性の向上
おしゃれで快適なオフィス空間は、従業員のモチベーションや集中力を高め、生産性の向上に直結します。
オフィスレイアウトは単なる空間設計ではなく、企業文化を反映する重要な要素です。洗練されたデザインや、癒やし効果のあるオフィスグリーンを取り入れることで、社員の帰属意識や仕事へのモチベーションを高めることができます。
また、フリーアドレス制や、コミュニケーションスペースの設置は、部署を越えた交流が生まれやすくなり、新しいアイデアやイノベーションの創出にもつながります。オフィスレイアウトの見直しは、企業の成長を支える土台として有効です。
企業イメージをオフィスで表現
デザインにこだわったオフィスは、来訪者に好印象を与えるだけでなく、企業ブランディングを強化します。オフィスは会社の顔ともいえる存在で、企業イメージを視覚的に表現することができます。
コーポレートカラーを取り入れ、自社のイメージをオフィス空間に反映すれば、企業の魅力を外部に伝えることができます。特にエントランスや応接室といった外部との接点は、会社の第一印象を左右する重要な空間です。自社の製品や受賞歴を展示するなど、会社の強みを伝える工夫も有効です。自社の社員の帰属意識も高めることができるでしょう。
おしゃれなオフィスは、単なる働く場所ではなく、企業の顔として来訪者や求職者に良い印象を与えます。オフィスデザインを見直すことで、企業のブランディング強化につながり、販路拡大や優秀な人材の確保に貢献することが期待できるでしょう。
求職者や社員のエンゲージメントを高める
快適で整った職場環境は、社員満足度の向上や採用力強化につながり、エンゲージメントの向上にも寄与します。また、開放感のあるおしゃれなオフィスは求職者にも好印象です。採用サイトで写真やイメージを積極的に掲載すれば訴求力が高まり、優秀な人材の獲得を後押しできます。このように、おしゃれなオフィス空間は、採用力向上にもつながるでしょう。
おしゃれなオフィスレイアウトを設計するコツとポイント
オフィスをおしゃれな空間に仕上げるためには、壁面カラーや家具選定といったデザイン要素はもちろん、ゾーニングや動線を意識したレイアウトを設計することが重要です。ここからは、おしゃれなオフィスを実現するための具体的な施策をご紹介します。
色使いと素材の統一感
色使いと素材に統一感を持たせることで、視覚的に美しく整った印象を与えるとともに、洗練されたオフィス空間を演出できます。オフィス全体のデザインにコーポレートカラーや企業イメージに沿った素材・インテリアを取り入れ、企業のブランド価値を視覚的に表現しましょう。来訪者に良い印象を与えるだけでなく、企業ブランディングの強化にもつながります。
デザイン性の高いオフィス用品を取り入れてみる
機能性に加え、デザイン性にも優れた家具や備品を取り入れることで、オフィス全体の印象は大きく変わります。
近年では、木目調やファブリック素材など、温かみのあるデザインの家具に注目が集まっています。たとえば「カフェのような空間」や「リビングのようにくつろげる場所」など、あらかじめコンセプトを明確にしたうえで家具を選定すると、統一感が生まれ、社員が出社したくなるオフィスを実現しやすくなります。こうした取り組みは、社員のモチベーションを高め、生産性向上にもつながります。
オフィスグリーンや照明の活用
観葉植物や間接照明を取り入れることで、リラックスできる空間を演出できます。オフィスグリーンには視覚的な癒しだけでなく、ストレスの軽減やコミュニケーションの活性化など、さまざまな効果が期待できます。導入が比較的手軽でありながら、空間に自然なアクセントを加えることができるため、積極的に取り入れることをおすすめします。
また、オフィス照明の明るさや配置も、働きやすさに直結する重要な要素です。オフィスが明るすぎたり暗すぎたりすると、目の疲労や集中力の低下につながる可能性があります。照明器具を選ぶ際は、おしゃれさだけでなく、作業効率が向上できるよう適切な照度の製品を選びましょう。
動線とゾーニングを検討し、実用性も考慮
オフィスのレイアウトを考えるうえで、業務効率を高める動線設計とゾーニングは欠かせません。執務、休憩、会議、来客対応といったさまざまなシーンを想定し、適切なエリアに配置することで、働きやすいオフィス空間が実現できます。
たとえば、テレワークを推進している企業であれば在宅ベースで勤務している社員が出社した際に働きやすいようオフィスを全席フリースペースにすることや、カフェスペースをオフィス中央に配置するなど、実用性を考慮したゾーニング設計は生産性を高めるために不可欠です。
さらに、集中して作業に取り組める個人ブースや、気軽にコミュニケーションが取れるオープンスペースを設けることで、用途に応じた多様な働き方に対応できるオフィス空間を実現できます。
整理整頓が行き届いたオフィス空間にする
整理整頓されたオフィスは、社員が快適に業務に集中できるだけでなく、来訪者に対しても好印象を与え、企業イメージの向上にもつながります。
そのためには、日々の清掃に加え、備品や書類の管理方法が重要です。たとえば、書類は原則として電子化し、1年以上使用していない備品は処分するなど、明確なルールを設けましょう。また、収納棚を用途別に分類する、書類にラベルを貼るといった誰でもすぐに探し出せるような仕組み作りも効果的です。
こうした取り組みによって、オフィスは常に整った状態を維持でき、社員の作業効率も向上します。
ワークスペースについて
ワークスペースの設計は、社員の業務内容や働き方に合わせて適切に設計しましょう。ここでいう「ワークスペース」とは、デスク周辺の一人あたりに割り当てられる作業エリアを指します。
一般的なオフィスデスクのサイズは、幅120cm × 奥行70cmがひとつの目安とされています。スペースが狭すぎると窮屈に感じ、広すぎると無駄が生じやすいため、業務効率と空間の有効活用のバランスが重要です。フリーアドレス制やロングデスクを導入する場合も、この基準を参考にしながら、一人ひとりが快適に作業できるスペースを確保しましょう。
他にも、集中スペースや共有スペースなど、社員の業務内容や働き方に応じた柔軟なワークスペースを設計することが重要です。
オフィスレイアウトの主な種類を紹介
オフィス空間のデザインは、執務室や会議室の雰囲気を左右するだけでなく、社員同士のコミュニケーションや業務効率にも大きな影響を与えます。特に、空間全体をどう配置するかは、自社の働き方に直結するポイントです。
次からは、働きやすい空間づくりを実現するための、オフィスレイアウトの主な種類をご紹介します。自社のスタイルに合ったレイアウトをぜひ検討してみてください。
対向型レイアウト│社内コミュニケーション重視
対向型レイアウトは、デスクを向かい合わせに配置して島のように作る一般的なオフィスレイアウトです。部署ごとに島を構成し、マネージャーはやや広めのデスクを配置するケースが多くあります。スペースを有効活用することができ、部署内での会話や情報共有をスムーズに行える点がメリットです。
背面型レイアウト│コミュニケーションと集中できる環境の両立
背面型レイアウトは、同じチームや部署のメンバーが背中合わせに座るスタイル。個人の集中力を確保しながらも、必要に応じて振り返ることで、すぐに相談できる柔軟なレイアウトです。また、適度な距離感を保つことができ、静かな作業環境とチーム内の連携を両立させたい場合に適しています。
同向型レイアウト│集中できる環境重視でコミュニケーションを両立する空間設計
同向型レイアウトは、デスクを同じ方向に並べるスタイルで、業務に集中したい職種やコールセンター、窓口対応を行う部署に適しています。全員が同じ方向を向くことで、他の人の目線が気にならず、集中力を維持しやすい環境が整います。
また、背後から作業状況を確認しやすいため、マネジメントや進行管理がしやすいのも特徴です。さらに、視線の先に大型スクリーンやモニターを設置することで、自席にいながら会議を行うことも可能です。
ブース型レイアウト│集中して作業できる空間を重視
ブース型レイアウトは、パーテーションやパネルでデスクを区切り、一人ひとりのワークスペースを確保するスタイルです。周囲の視線や音が気になりにくいため、集中力を必要とするクリエイティブ職やプログラマーなどに適しています。他にも、機密性の高い業務を行う際にも向いています。
クロス型レイアウト│交流を活性化させたい場合に有効
クロス型レイアウトは、デスクを縦横に交差して配置するスタイルです。周囲の人と視線が交わりにくく、業務に集中しやすい環境を実現できることが特徴です。特に、少人数のチームで業務を行う場合に適しています。さらに、動線が固定化されず自然に交差するため、チーム内外の偶発的なコミュニケーションも促進できるでしょう。
ブーメラン型レイアウト│一人ひとりの作業スペースを広く確保
ブーメラン型レイアウトは、120度の専用テーブルを用いて、チームメンバーが背中合わせに座るスタイルです。一人あたりのデスク面積が広く確保できるため、複数モニターを使用する業務や資料を多く広げる作業に最適です。
また、周囲との適度な距離感を保てることから、集中しやすい環境を維持しながらも、必要に応じてチームメンバーと連携できる柔軟性もあります。個人の作業効率とチームワークの両立を図りたい場合に有効なレイアウトといえるでしょう。
デスクの運用や種類についてもご紹介
オフィス環境を整えるうえでは、デスクの配置だけでなく、どのようにデスクを運用するかも重要です。最近では、固定席に加え、フリーアドレスやABW(Activity Based Working)など、柔軟な運用スタイルが広まってきました。これらの運用方法は、働き方に大きな影響を与えています。
ここでは、それぞれのデスク運用方法とそのメリットについてご紹介します。
【デスク運用】固定席
固定席は、社員一人ひとりに決まったデスクを割り当てるスタイルです。毎日同じ場所で業務を行うため、個人の書類やツールをすぐに取り出せるメリットもあります。環境に慣れやすく、落ち着いて仕事に集中しやすいというメリットがあります。
また、デスク上のスペースを自由にカスタマイズできるため、自分にとって快適な作業環境を整えやすいのも特徴です。紙書類や特定の備品を多く扱う部署や、業務フローが固定化されている職種に適しています。
【デスク運用】フリーアドレス
フリーアドレス制は、社員が固定席を持たず、その日ごとに好きな席を選んで業務を行うスタイルです。毎日違う座席になることで、部署や役職を越えたコミュニケーションが自然と生まれやすくなり、チームを横断したアイデア創出や部署間の連携強化にもつながります。
リモートワークと併用することで、オフィススペースを効率的に活用できる点も大きなメリットです。また、固定席と比べてレイアウト変更が容易なため、組織変更や人員の増減にも柔軟に対応できます。
フリーアドレスについてはこちらの記事で紹介しています。
【デスク運用】グループアドレス
グループアドレス制は、部署やプロジェクトごとにエリアを区切り、その中で社員が自由に席を選べる運用方法です。固定席とフリーアドレスの中間にあたる柔軟な形式で、チームの一体感を保ちつつ、自由度も確保できます。
また、プロジェクトや人事異動による組織変更に柔軟に対応できる点もグループアドレスのメリット。日によって座席が変わるので、社内の新たなコミュニケーションが生まれ、チーム間の連携強化にもつながります。
【デスク運用】ABW
ABWとは「Activity Based Working」の略称で、社員が働く場所と時間を自由に選択できるワークスタイルです。社員はオフィス、自宅、コワーキングスペースなど、その日の業務内容とスケジュールに合わせて最適な環境を選べるため、効率の高い働き方が実現できます。
ABWの導入は、社員満足度の向上や優秀な人材の確保に寄与するだけでなく、出社義務を減らすことでオフィス面積とコストの最適化にもつながります。ABWを推し進めるためには、ペーパーレス化や高速ネットワークなどITインフラを整備しましょう。他にも、集中ブース、コラボレーションエリア、リフレッシュスペースの設置など、用途別に最適化された空間設計をし、社員がいつでも「業務に最適な場所」を選択できる環境を整えることが不可欠です。
ABWについてはこちらの記事で紹介しています。
【デスクの種類】単体デスク
単体デスクは、社員一人ひとりに1台ずつ割り当てる標準的なタイプで、それぞれが自分好みのデスク環境を整えやすいのが特徴です。デスクの移動も簡単なため、レイアウト変更や増席時にもスムーズに対応できます。ただし、人数の増減に応じてデスクそのものの調整が必要になる点は考慮しておきましょう。
【デスクの種類】大型ロングデスク
大型ロングデスクは、複数人での使用を前提とした長机スタイルのオフィスデスクで、広々とした作業スペースを確保できるのが特徴です。チェアの数を調整するだけで柔軟に人数増減に対応でき、フリーアドレスやグループアドレス制との相性も良好です。一方で、サイズが大きいため移動が大変で、頻繁なレイアウト変更には不向きな点には注意が必要です。
【デスクの種類】キャスター付きデスク
キャスター付きの可動デスクは、社員が自由に移動できるため、会議や打ち合わせが多い部署や、頻繁にレイアウト変更を行う環境に最適です。また、デスクを簡単に動かせるので、掃除しやすい点もうれしいポイントです。オフィス空間を綺麗に保つことができるでしょう。
【デスクの種類】スタンディングデスク
スタンディングデスクは、立ったまま作業できるデスクで、長時間の座り仕事による体の負担を軽減できます。昇降機能付きのデスクなら、シーンに応じて立ち座りを切り替えることができ、柔軟な働き方が可能です。これにより体の負担を減らしたり、リフレッシュしたりして、業務効率を向上させることができます。
おしゃれなオフィスレイアウトの事例を紹介
次からは、おしゃれなオフィスレイアウトの事例をご紹介します。
ゴウリカマーケティング株式会社様
ゴウリカマーケティング株式会社様では、オフィス移転を機に、仕事に集中できる場を実現しました。
来客対応、執務室、ミーティングスペースの3つ動線を考慮し、適切なオフィスレイアウトを設計。ワンフロアオフィスを採用しつつ、社員同士が気軽に会話できるスペースを設けることで、業務効率化と社内コミュニケーションの活性化を両立しています。
株式会社朝日ネット様
オフィスリニューアルによって、社員が働きやすい環境を整備。休憩室のほか、気軽に打ち合わせができるオープンミーティングスペースを設けることで、社員同士の自然なコミュニケーションを促進しました。社員のエンゲージメントを高めるオフィス空間を実現しています。
株式会社Sun Asterisk様
ブランドの世界観を体現することを目的にオフィスをリニューアルした事例。特にこだわったのは、企業のカラーを感じてもらいやすいオフィス空間に仕上げることでした。コーポレートカラーの赤を基調とした内装や、ブランドの個性を反映した壁面のイラストなどがその象徴です。このようなデザインは、社員の帰属意識を高め、社員同士のコミュニケーション活性化にもつながっています。
おしゃれなレイアウト設計なら「ソーシャルインテリア」にお任せ!
今回は、おしゃれなオフィスレイアウトについてご紹介しました。おしゃれでかっこいいデザインのオフィスは、社員のモチベーションや生産性の向上だけでなく、企業ブランディングや採用広報に役立ちます。コーポレートカラーや空間コンセプトに合った家具を導入し、ブランドや企業の価値観をオフィス空間で表現しましょう。
ソーシャルインテリアでは、オフィス空間における課題解決をトータルでサポートします。オフィスレイアウトでお困りの方には、デザイン性の高いオフィス空間づくりやオフィス家具の選定に関するご提案をいたします。現状のオフィスにおけるお悩みがある場合は、下記よりお気軽にお問い合わせください。