【写真事例5選】フリーアドレスオフィスの成功パターンと業界別の向き・不向きを解説

フリーアドレス制は、柔軟な働き方を推進し生産性や働きやすさの向上につながる取り組みの1つです。しかし、すべての業種・職種がフリーアドレスに向いているわけではありません。導入する際には、フリーアドレスが向いているかどうかを考慮して、計画的に進めていくことが重要です。

この記事では、フリーアドレス制の成功例・失敗例や、導入の流れを解説します。これからフリーアドレスオフィスへの転換を図りたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

フリーアドレス制の種類

フリーアドレス制には、次の2種類があります。

  • 完全フリーアドレス
  • グループアドレス

完全フリーアドレス制では、所属部門に関わらず自由に席が選べるため、幅広い交流が生まれます。リモートワークが多い組織では、完全フリーアドレスにすることで、オフィスの省スペース化も実現できます。

グループアドレスは、所属部門に割り当てられた範囲内で自由に移動できるスタイルです。フロアで働く従業員が100人以上の大規模オフィスでは、移動範囲の限定的なグループアドレスが便利です。

フリーアドレスの基本については、以下の記事で詳しく解説しています。

フリーアドレスのオフィスデザイン・レイアウト事例5選

実際にフリーアドレス導入のためにオフィスデザインやレイアウトを変更し、成功している事例をご紹介します。

垣根を取り払う柔軟性の高いオフィス|株式会社イー・ロジット様

拠点の集約とコミュニケーションの円滑化のために移転を行い、フリーアドレスを導入しました。部署間の連携に課題がありましたが、役員も含め自席を持たず好きな席を選んで仕事ができ、密な連携が必要になる仕事も円滑に進むようになりました。

カジュアルに会話ができるオープンスペースは、誰もが立ち寄りやすい位置に配置しています。部署間の垣根はもちろん、若手社員とベテラン社員や経営層など、社内全体で自由なコミュニケーションが生まれるオフィスへと変化しました。

できるだけ可変性が高く、大規模ミーティングにも対応できるようなレイアウトにした点もポイントです。家具はキャスター付きで持ち運びしやすく、できるだけ使いやすいもの・良いものを選んだことで、社員の方々の満足度向上にもつながっています。

社員が「来たくなる」仕切りのないオフィス|株式会社セキュア様

館内増床プロジェクトにて、部署間のコミュニケーション不足や社員の帰属意識の低下防止に対処し成功した事例です。増床したことで、これまで分散していた部署がひとつの場所に集まり、部署や役職など関係なくカジュアルにコミュニケーションがとれる環境となりました。

全社会議では総勢120名が集まりますが、可変性の高いレイアウトによってオフィス中央のスペースで無理なく行えるようになっています。歓送迎会やパーティーなどにも活用できるよう、レイアウトには特に時間をかけ、こだわっています。

極力パーテーションをたてず、見渡せるオフィスにした点も特徴です。重要な決定事項のある話し合いは会議室で、ちょっとした相談はオープンスペースで、用途に合わせて柔軟に場所を選ぶことができます。立ち話や些細な会話が増え、活気のうまれるオフィス環境となりました。

部署の垣根を超えたコミュニケーションがうまれるオフィス|株式会社ジャンプコーポレーション様

リモートワークも可能ななかで、あえて社員が自ら「来たくなるオフィス」を目指し移転とともにフリーアドレスにも対応可能な環境を構築した事例です。レイアウトや家具は、コミュニケーションが活性化するかどうかを意識して選定されています。

長時間座って作業をする社員が多いため、椅子はあえて違うタイプのものを複数用意しています。座り心地の異なる椅子を置くことで、社員はそれぞれの体格や好みに合った椅子を選べます。

執務スペースはカジュアルな会話もしやすい三角のワークテーブルと、集中した作業に適したソロブースなどがあり、席が固定化することはありません。社員同士のコミュニケーションが増え、全体的な雰囲気も明るくなりました。

家具のサブスクリプションサービスで進化し続けられるオフィス|株式会社Bloom&Co.様

オフィスワークで社員の相互理解や共通理解が高まるような、コミュニケーションが促進される環境づくりに取り組まれた事例です。リモートワークも取り入れつつ、出社時には社員同士の関係が強化できるよう、自然と人が集まるスペースを設けました。

集中して作業をしたい人の妨げにならないように、防音やプライバシーに配慮したレイアウトを採用しています。大きな仕切りは使わず、植栽や家具の配置を工夫して、おしゃれな雰囲気を保ちつつ効率的で安心感のもてる空間となっています。

家具はソーシャルインテリアのサブスクリプションサービスも活用しています。将来変化する可能性のある、組織やニーズにも柔軟に対応しやすい、進化し続けられるオフィスとなりました。

新しい拠点で新しいアイデア・価値の創出を|株式会社明電舎様

新しい働き方を実践する拠点を整備するために、家具の導入に携わった事例です。チームで結果を出す「アジャイル型アプローチ」の成果を高めるために、デザイン思考エリア・スクラム開発エリア・コミュニケーションエリアといった目的の異なるスペースを意図的に配置しました。

デザイン思考エリアには必要な設備を標準で揃え、コミュニケーションエリアにはソファやバーカウンターを設けるなど、誰もが目的をもって使い分けられるような空間となっています。

ソーシャルインテリアの家具のサブスクリプションサービスを活用した点も特徴です。世の中の変化に柔軟に対応することができることや、SDGs の観点にマッチすることなどに魅力を感じておられます。

事例から考えるフリーアドレスオフィスの傾向と向いている業種・職種

フリーアドレスには、向いている職種と向いていない職種があります。また、組織の風土や働き方によっても向き不向きは変わります。企業として一律で導入するのではなく、職種や組織に合わせて臨機応変な対応をすることが、フリーアドレス制の成功には欠かせません。

先ほどご紹介した5つの事例を踏まえて、フリーアドレス制で成功している企業に共通する傾向や、成果が出やすい業種・職種の特徴を見ていきましょう。

フリーアドレス導入企業の共通傾向

フリーアドレスを成功させている企業には、いくつかの共通点があります。単に席を自由にするだけでなく、オフィスの運用方法や働き方の前提を見直している点が特徴です。具体的に解説します。

出社率に応じた席数の設計ができている

固定席を廃止する際は、全社員分の席を用意するのではなく、「出社率」を算出して適正な席数を設計するのが主流です。

例えば、テレワークや外出が多い企業では、全社員の7割程度の座席数に設定し、余ったスペースをミーティングエリアやリフレッシュスペースに転換するなどが挙げられます。これにより、オフィスの賃料コストを最適化しつつ、限られた床面積を有効活用できます。

集中エリアと交流エリアの使い分けができている

フリーアドレスの導入によって、固定席はなくなります。固定席がなくなると、以前よりも社員同士のコミュニケーションが減る可能性もありますが、空間を上手に使うことで従来よりも活発な会話を促すこともできます。

「集中して業務に取り組むゾーン」と「活発にコミュニケーションを取るゾーン」を明確にゾーニングする企業は、フリーアドレス制を成功させるケースが多いです。静かに作業したい人は集中ブース、意見交換をしたい人はオープンなファミレス席やカフェ風カウンターなど、業務内容に合わせた場所を自ら選べる環境づくりが徹底されています。

ペーパーレスの推進が行われている

フリーアドレスの前提条件として欠かせないのが、書類や資料のデジタル化です。自分の机を持たない環境では、物理的な書類を大量に保管しておくことができません。

そのため、クラウドストレージの活用や電子契約、デジタルツールの導入を進め、情報をいつでもどこでも引き出せる状態を作っている企業がほとんどです。

フリーアドレスが向いている業種・職種

フリーアドレスはすべての企業や職種に一律で向いているわけではありません。業務の性質上、移動やチーム間の連携が多い職場では、そのメリットを実感しやすいとされています。

外回り中心の営業職・外勤スタッフ

日中はクライアントへの訪問や外出が多く、自席にいる時間が短い職種です。固定席を設ける必要性が低いため、フリーアドレスとの相性が良いといえるでしょう。オフィスに戻った際も空いている席をすぐに活用できます。

企画・マーケティング・クリエイティブ職

プロジェクトごとにメンバーが流動的に変わり、他部署とのコラボレーションやブレインストーミングが頻繁に行われる職種にも向いています。

IT・Webエンジニア

ノートPCのみで完結する業務が多く、リモートワークや在宅勤務が日常化している業界です。常時出社するとしても、固定席である必要を感じにくく、フリーアドレスのスタイルが定着しやすい職種ともいえるでしょう。

コンサルティング・プロジェクト型組織など

チームの編成がプロジェクト単位で頻繁に入れ替わる環境では、メンバー同士が近くに集まってスピーディーに動く必要があります。固定化された島型のデスクよりも、その都度集まれるフリーアドレス環境の方が業務の機動性を高められます。

フリーアドレスに向いていない組織・職種とは

一方、フリーアドレスに向いていない組織や職種もあります。例えば、紙の書類や専用機器を多く扱う組織や機密情報を厳重に管理する必要がある職種です。

膨大な紙の書類や図面、専用の大型端末を使う職場では、移動のたびに荷物の持ち運びが発生し非効率になります。

また、総務や経理、人事など、扱うデータに高い機密性が求められる部署や、顧客情報の厳格な管理が必要な場合、セキュリティ上のリスクが生じます。

さらに、窓口業務やコールセンターのように、業務を行う場所を固定せざるを得ない職種や、特定の備品・固定の電話回線が必要な職種では、フリーアドレスの導入が困難といえるでしょう。

フリーアドレス導入の決め手は「目的」が重要!向き・不向きを見極めるには

フリーアドレス導入を成功させるためには、単なるトレンドやレイアウトの変更として捉えるのではなく、自社の目的や課題にマッチしているのかを考慮して見極めることが重要です。導入の決め手となる、向き・不向きを見極めるためのチェックポイントについて詳しく解説します。

向いているかをチェックするための3つのポイント

フリーアドレスを導入すべきかどうかを判断するために、以下の3つの視点から自社の状況をチェックしてみましょう。

在席率と外出頻度の高さ

1つ目のポイントは、社員がどれくらいの時間自席に座っているかという「在籍率(デスクの稼働率)」です。

日中の外出が多い部署では、固定席を維持するコストが無駄になってしまいます。実際に全社員分の席がどれほど使われているのかを調査し、平均的な出社率や離席率が低い(例えば常時50%〜70%程度である)場合、フリーアドレスによってスペースを効率化できる可能性が高いといえます。

ペーパーレス化やセキュリティ体制が整っているか

2つ目のポイントは、ペーパーレス化とセキュリティの問題です。

フリーアドレスでは固定席がなくなるため、紙の書類やファイルを大量に抱えている状態では運用が立ち行かなくなります。日頃からクラウドストレージや電子契約、デジタルワークフローが浸透しており、どこでも同じように仕事ができる環境があるかどうかがポイントとなるでしょう。

また、顧客情報を扱う部署において、クリーンデスクの徹底やプライバシーフィルターの着用など、セキュリティルールが運用できる体制が整っているかも重要な判断基準になります。

フリーアドレスの目的が自社の課題にマッチしているか

3つ目のポイントは、フリーアドレス導入の目的が自社の課題にマッチしているかどうかです。

「オフィスの賃料コストを削減したい」「部署の壁を越えたコミュニケーションを活発化させたい」「多様な働き方(ABW)に対応したい」など、企業によって抱える課題は異なります。

目的や課題を考慮せずに導入すると、社員から「落ち着いて仕事ができない」「コミュニケーションがかえって取りづらくなった」といった不満が出て、形骸化してしまうリスクがあります。

フリーアドレスが失敗する原因と導入前の確認ポイントについては、以下で詳しく解説しています。

失敗しないフリーアドレスオフィスの導入手順

フリーアドレス制は職種・組織によって向き不向きがあります。導入後に後悔しないためには、正しい手順に沿って進めていくことが大切です。ここからは、フリーアドレス制導入の流れを解説します。

ステップごとに詳しくみていきましょう。

導入目的の明確化と対象範囲の決定

はじめに、在席率の調査を行って導入の可否を判断します。従業員の在席率は、以下の方法で計測できます。

  • 在席・離席・退席の3つの項目を設定
  • 時間ごとに月曜日から金曜日まで調査を実施

「月曜の朝は在席率80%、金曜の夕方は在席率30%」といったようにピークやミニマムが把握できれば、必要な座席数が見えてきます。その結果をもとに、従業員へのヒアリングを実施して、フリーアドレス制を導入するメリットがあるのかを判断しましょう。

フリーアドレス制を導入する目的は企業によって異なります。「どのような働き方を目指すのか」「何のためにフリーアドレス制を導入するのか」を明確にすることで、失敗のリスクを軽減できます。

その目的を踏まえて、フリーアドレス制以外の選択肢も検討したうえで、最適な方法を選びましょう。

運用方法・ルール・マナーを決める

フリーアドレス制を成功させるためには、運用方法・ルール作りが欠かせません。

「ICTツールで座席を管理する」「フリーアドレス管理ツールを利用する」など、オフィスの規模に合った運用方法・ルールを決めていきましょう。また、座る場所が固定されないよう「前日とは必ず違う席に座る」「同じ席に座れるのは週2回まで」といったルール作りも効果的です。

レイアウト設計とインフラの整備(電源・Wi-Fi・座席管理など)

自席で荷物を保管できる固定席とは違い、フリーアドレス制では個人ロッカーなどの新しい設備が必要になります。また、どの席からも簡単にインターネットにアクセスできるようWi-Fiを整備したり、軽さを重視したノートパソコンに入れ替えたりと、快適に働ける環境作りも必須です。

フリーアドレス制では、導入するデスクの種類によっても生産性が変わります。拡張しやすい「ロングデスク」、ミーティング向きの「ラウンドテーブル」、グループアドレスでも使いやすい「ミーティングテーブル」のなかから、利用シーンに合わせて最適なデスクを選びましょう。

フリーアドレスデスクについては、以下でご紹介しています。

フリーアドレス制では、誰がどこにいるのか分かりにくいといった課題も出てきます。メンバーの位置が把握できるシステムを導入することで、急ぎの用がある場合でも対処しやすくなります。特に、スマートフォンに連動したツールの活用が便利です。

入退室まで記録できるシステムを導入すれば、勤怠管理がスムーズになり、管理職の負担も軽くなります。

社内周知とトライアルの実施

フリーアドレス制の導入は、業務への影響が大きいため、早めの周知・合意形成が重要です。社員の意見を軽視して一方的に進めてしまうと、反発が起こりやすくなり、スムーズに導入できません。

社員の不安が大きい場合は、導入しやすい営業部門などからトライアルで始めてみるのも1つの方法です。トライアルを行うことで、社員はフリーアドレス制のメリットが実感しやすくなり、企業も本導入を前に課題の洗い出しができます。

導入後も、社員の意見を聞きながら、スムーズに運用するための改善策を模索していきましょう。

フリーアドレスの導入なら「ソーシャルインテリア」にお任せください

さまざまなメリットのあるフリーアドレス制ですが、すべての職種や組織で高い効果が期待できるわけではありません。機密情報の取り扱いが多い職種、在席率が高い組織は、フリーアドレスに不向きです。

フリーアドレス制を成功させるためには、自社に合った方法を見つけ、正しいアプローチを行うことが重要です。ソーシャルインテリアでは、フリーアドレス向きのオフィス家具を多数取り揃えております。オフィスの規模や目的に合わせて最適な空間デザインをご提案いたしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

ソーシャルインテリアのオフィスツアー「The Museum」では、最新のオフィスづくりを実際に体験することができます。フリーアドレスオフィスの導入に役立つアイデアや目的にあったオフィスづくりのポイントを理解することが可能です。

オフィス構築のポイントやトレンドは、こちらの資料もご覧ください。