事務所レイアウトの基本となる適切な通路幅・レイアウトパターンを紹介!

事務所のレイアウトを考えるときは、基準となる寸法やレイアウトの種類を知っておくことが大切です。

本記事では、事務所レイアウトの基本となる通路幅やデスク周りの寸法、1人あたりのワークスペースについて解説します。レイアウトの代表的なパターンと、それぞれのメリット・デメリットもまとめているので、ぜひ参考にしてください。

事務所レイアウトの基本①基準寸法

基準寸法とは、建物の設計時に基準となる数値のことです。基準寸法をもとに事務所を設計することで、安全性を確保し、効率よく働けるようになります。

まずは、事務所レイアウトの基本として、「通路幅」「デスク周り」「収納・複合機周り」の基準寸法を解説します。基準寸法は、建築基準法・消防法・労働安全衛生法などに基づいて決められていますが、事務所の規模や用途によって数値が変わるケースがあります。

最適な寸法を導き出すには専門的な知識も必要なので、信頼できる業者に相談しながら具体的なレイアウトを考えていきましょう。

1. 通路幅の寸法

建築基準法施行令第119条では、片側居室の通路幅は1200mm以上、両側居室の通路幅は1600mm以上を確保することが定められています。

執務スペースにおいては、最低限600mmの通路幅が必要です。人ひとりがストレスなく通れる幅としては、700〜900mmが目安。人通りの多いメイン通路は、1200mmの幅を確保できると通常歩行でのすれ違いも可能です。小規模な事務所で十分なスペースがない場合は、通路幅450mmで横向き歩行するケースもあります。

2. デスク周りの寸法

デスク背面と壁の間は、最低限1200mmの通路幅が必要です。デスク着席時の標準的な寸法は400mmとなので、「デスクの後ろを人が通れないようにしたい」といった場合は、あえて狭めの700〜900mmにする方法もあります。

デスクとデスクの間は、600〜1800mmが目安です。デスク同士が側面で並んでいる場合は600mm以上、デスク同士が背中合わせになっている場合は1200mm以上など、デスクレイアウトによって最適な寸法は異なります。デスク周りの寸法を決めるときは、着席・離席の動作も考慮しなければなりません。会議椅子は600〜700mm、デスクチェアは700〜900mmのスペースが確保できると、スムーズに離席・着席ができます。

3. 収納・複合機周りの寸法

収納・複合機周りは、利用者が作業している間もストレスなく通行や着席ができるスペースを確保しなければなりません。たとえば、収納・複合機周りが通路となっている場合は「扉を開いたスペース + 横向き作業スペース450mm + 横向き通行人スぺース450mm」、個人デスクがある場合は「扉を開いたスペース + 横向き作業スペース450mm + 着席スぺース500mm」が目安となります。

デスクサイドと複合機の間は1050〜1200mm、デスク背後と複合機の間は1400mmのスペースが最低限必要です。

4. 1人あたりのワークスペース

1人あたりの最適なワークスペースは、職種によって異なります。たとえば、外勤の多い営業職では幅1000mm、奥行600〜700mmのコンパクトなデスクが選ばれることが多くあります。デスクワーク中心の内勤・事務職は、幅1200〜1400mm、奥行600〜700mmの標準的なサイズのデスクが好まれます。

ディスプレイを複数台並べたり、特殊な機材での作業を必要としたりする技術職・専門職は幅1600mm〜、奥行700〜800mmのワークスペースが確保できると業務が円滑に行うことができるでしょう。

事務所レイアウトの基本②レイアウトパターン

事務所レイアウトの代表的なパターンとして、以下の7つを紹介します。

  1. 対向式レイアウト(島型レイアウト)
  2. 同向式レイアウト(並列式レイアウト)
  3. 背面式レイアウト
  4. ブース型レイアウト
  5. クラスター型レイアウト
  6. クロス型レイアウト(卍型/十字型レイアウト)
  7. フリーアドレス式レイアウト

それぞれの特徴とメリット・デメリットを詳しく見ていきましょう。

1. 対向式レイアウト(島型レイアウト)

デスク同士を向かい合わせて配置する方法で、もっとも一般的なレイアウトパターンです。島型レイアウトやアイランド型レイアウトと呼ばれることもあります。

【メリット】

  • チーム内でのコミュニケーションが取りやすい
  • 限られたスペースを有効通用できるため小規模事務所にも向いている

【デメリット】

  • 目線の先に人がいるため集中しづらい
  • プライバシーが損なわれやすく、機密情報などを取り扱う業務には向いていない

2. 同向式レイアウト(並列式レイアウト)

学校のようにデスクを同じ方向に並べるレイアウトで、銀行や保険など店舗の窓口がある業態でも採用されています。並列式レイアウトやスクール型レイアウトと呼ばれることもあります。

【メリット】

  • 個人の業務に集中しやすい
  • 従業員の視線が同じ方向に集まるため、リーダーからの指示が出しやすい

【デメリット】

  • 従業員同士のコミュニケーションが取りづらい
  • 複数の通路スペースを確保する必要があり、小規模事務所には向いていない

3. 背面式レイアウト

デスク同士が背中合わせになったレイアウトで、視線の先に壁があったり、背の高いパーテーションを設置したりするケースもあります。

【メリット】

  • 個人の業務に集中しやすい
  • 左右や後ろに座っている人ともコミュニケーションが取りやすい

【デメリット】

  • コミュニケーションの相手が限られる
  • 背中側が通路になっていると気が散りやすいため、人通りが多い場所には向いていない

4. ブース型レイアウト

デスク周りにパーテーションやパネルを設置した、プライバシー重視のレイアウトパターンです。コールセンターなど声が気になる職場や、個人業務が多い技術職などで多く採用されています。

【メリット】

  • プライバシーが確保されるため、機密情報なども取り扱いやすい
  • 電話やWeb会議の多い職種に向いている

【デメリット】

  • 従業員同士のコミュニケーションが取りづらい
  • デスクスペースが狭かったり、パーテーションが高かったりすると閉塞感を与えてしまう

5. クラスター型レイアウト

クラスターとは、「果物の房」「集合体」を意味する言葉です。クラスター型レイアウトでは、一列ごとにデスクを逆向きに配置し、列と列の間にはパーテーションや収納棚を設置します。

【メリット】

  • 個人業務とチーム業務の両立がしやすい
  • 広い収納スペースが確保できる

【デメリット】

  • それぞれのデスクが独立しており、配線計画が難しい
  • 1人あたりのワークスペースが広くなるため、小規模事務所には向いていない

6. クロス型レイアウト(卍型/十字型レイアウト)

デスクを90度回転させて、クロス型に配置したレイアウトです。卍型レイアウトや十字型レイアウトと呼ばれることもあります。デスクを1台ずつクロスさせるパターン、島ごとに縦横に配置するパターンなど、いくつかの種類があります。

【メリット】

  • 視線を気にせず働けるため、個人の業務に集中しやすい
  • チーム内外の人とコミュニケーションが取りやすい

【デメリット】

  • レイアウトの自由度が低く、動線計画が難しい
  • スペース効率が悪いため、小規模事務所には向いていない

7. フリーアドレス式レイアウト

座席を固定せず、自由に席が選べるレイアウトです。テレワークが多い職種や、プロジェクトごとに業務が進行していく職場では、フリーアドレス式レイアウトを導入することで生産性の向上などが期待できます。

【メリット】

  • 事務所の省スペース化が実現でき、コスト削減につながる
  • チームや組織を超えた交流が生まれやすい

【デメリット】

  • 誰がどこに座っているのかが把握しづらい
  • デスクに個人の荷物を収納できないため、新たにスペースを確保する必要がある

事務所の構築やレイアウト変更ならソーシャルインテリアにご相談ください!

事務所の構築やレイアウト変更を行うときは、通路幅やデスク周りの基準寸法をもとに考えることが大切です。「限られたスペースを有効活用したい」「業務効率化を実現できるレイアウトパターンが知りたい」といった方は、ソーシャルインテリアにご相談ください。

最適な事務所レイアウトは、業種や企業規模、経営方針などによって異なります。ソーシャルインテリアでは、ブランドイメージ向上につながるような「おしゃれで働きやすい空間」をご提案いたしますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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