オフィス移転やリニューアルをきっかけに、自社の働き方や目的に合わせた事務所を実現したいと考える企業担当者は多くいます。事務所の間取りを決める上で、デザインと機能性のバランスや、法律に関するルールなど配慮すべき点は多々ありますが、他社のオフィス事例を参照するとイメージがつきやすくなるでしょう。

本記事では、事務所の間取りやレイアウトを決めるポイントについて解説するとともに、間取りにこだわったオフィス事例を紹介します。自社にとって理想のオフィスを実現するために、ぜひ参考にしてください。

間取りとは

間取りとは、住宅や事務所における部屋や仕切りの配置のことです。間取りを平面に示した間取り図では、物件探しの際に見かける「1R」「3DK」「3LDK」といった数字とアルファベットの組み合わせが使われれます。

Dはダイニング、Lはリビング、Kはキッチンのことで、数字はアルファベット分を除いた部屋数を表します。1Rはキッチンやリビングなどの仕切りがないワンルームタイプのことです。賃貸物件など不動産会社によって詳細の表記方法が異なる場合もありますが、基本的には上記の表記で間取りを示します。

事務所の間取りの決め方

事務所の間取りを決める際には、部屋や通路などスペースごとの寸法や面積、レイアウトタイプなどを押さえる必要があります。ここでは、事務所の間取りを決めるための2つのポイントについて説明します。

必要な寸法や面積を知る

事務所における寸法や面積について、働く人の安全や健康を守るための目安となる「基準寸法が定められています。事務所の間取りを考える際には、基準寸法を元にレイアウトや面積を決めていくとスムーズです。

JOIFA(日本オフィス家具協会)の推奨値を考慮した各エリアの目安寸法は、以下の通りです。

【通路】

  • 最低幅:600mm(60cm)
  • 人のすれ違いがある通路:1,200〜1,600mm(120〜160cm)
  • 避難経路の最低幅:1,200mm(120cm)

【デスク周り】

  • 隣り合わせのデスク間:900〜1,200mm(90〜120cm)
  • 背中合わせのデスク間:1,800mm(180cm)
  • デスクと後ろの壁の間:1,400mm(140cm)

【設備周り】

  • コピー機とデスク間:1,050〜1,400mm(105~140cm)
  • 書庫の扉開閉分:450〜500mm(45〜50cm)
  • 書庫(収納)とデスクの間:1,350〜1,400mm(135~140cm)

一般的なオフィスデスクのサイズは1,200mm×700mm(120cm×70cm)で、椅子の前後の可動域を加えると、1人あたりのワークスペースは約2m²と算出できます。

ただし、厚生省の省令により「社員1人あたりの気積(室内の空気の総量)は10㎥以上」と定められています。一般的なオフィスの天井高(2.5m)を想定すると、1人あたり4㎡以上のワークスペースが必要です。

オフィスレイアウトの種類を確認する

寸法や面積の次に、オフィスレイアウトの種類を確認しましょう。代表的なレイアウトには以下があります。

  • 対向型:他の社員と向かい合うような座席の配置、日本のスタンダードなタイプ
  • 同向型:学校の教室のようなデスクの配置
  • 背向型:背中合わせのデスク配置
  • 卍型:卍型に4台のデスクを配置
  • クラスター型:2列のデスクを交互に配置
  • フリーアドレス:自由にワークスペースを選べるタイプ

社員の働き方や業務内容によって、適したパターンは異なります。オフィスの目的や広さを踏まえて、オフィスレイアウトを考えてみましょう。

各タイプのメリット・デメリットや上記以外のレイアウトについては、下記記事をご参照ください。

【事例5選】効果的なオフィスレイアウト8種!設計時に配慮すべきポイントも解説

事務所の間取りにこだわった事例

オフィスレイアウトの決め方のコツを押さえたところで、ここからはこだわりの事務所の間取りを取り入れた事例を見ていきましょう。自社の理想とするオフィスを作る上で、取り入れられる部分や参考になる部分を探してみてください。

株式会社Bloom&Co.様の事例

株式会社Bloom&Co.様では、ワークライフバランスの最大化や生産性の向上を目指し、オフィス環境の再構築にサブスク家具を導入しました。

コミュニティスペースに大型の特注ソファや移動式のベンチデスクやベンチツールを設置して、柔軟な使い方ができるよう工夫しています。また、防音アイテムや植栽を利用して、リラックスできる雰囲気を保ちつつ、集中作業との切り替えができるよう配慮しています。

サブスクリプションサービスは、将来的な組織やオフィスに対するニーズの変化に対応しながら、都度最適なオフィス環境を構築するために役立つ仕組みです。

株式会社Bloom&Co.様の事例

株式会社mento様の事例

パーソナルコーチングサービスを提供する株式会社mento様では、事業成長に伴うオフィス移転を実施されました。

「みんなで集まり、対話を通じて方向性をすり合わせていく」という企業カルチャーを活かしたオフィス環境を構築したいと考え、社員全員分の座席を確保しつつ、フリーアドレス制を導入。人数がふえても運用方法を工夫することで余裕を保てると考えています。

また、会話からイノベーションが生まれることを意図して、壁やパーテーションではなく家具の配置で目線を遮ることで、全体の一体感は残したままスペースを柔軟に活用できるようになりました。

最低限の内装工事に留めて家具で上手くゾーニングするという方針を踏まえ、予算内で最大限のパフォーマンスが得られたことに満足されています。

株式会社mento様の事例

住商アドミサービス株式会社様の事例

住友商事株式会社の人事総務関連業務の受託を行う住商アドミサービス株式会社様では、オフィスのレイアウト変更に伴いサブスク家具を導入されました。

将来的な事業拡大や人員増加に対応する上で、サブスクリプション方式ならスピーディな変化にも柔軟に対応できると考えました。レイアウトの提案を元に社内アンケートを行い、社員の希望を反映できるよう工夫した結果、プランのアップデートにより社員からの満足度の高いオフィスが実現しています。

現状のヒアリングからレイアウトや家具の提案、引っ越しの手配、設置撤去までワンストップで対応できた点も評価いただいています。

住商アドミサービス株式会社様の事例

株式会社明電舎様の事例

株式会社明電舎様では、変化が激しく予測が困難な現代において、新たな価値を顧客とともに形にしていくために、アジャイル型の製品開発を採用。役割の異なるメンバーがチームを組み、価値ある製品開発を行うアジャイル型アプローチの拠点「デジタル・ラボ」にて、サブスク家具を用いたスペースの構築を行いました。

問題解決策を探るためのデザイン思考エリア、実践に特化したスクラム開発エリア、そして各種イベントにも対応できるオープンスペースと隣接したコミュニケーションエリアなど、用途別のスペースを効果的に構築することに成功しています。

また、契約したフレキシブルプランでは、一部の家具入れ替えができるため、必要に応じてオフィスを常に変化させられる点も高く評価されています。

株式会社明電舎様の事例

事務所の間取りの相談はソーシャルインテリアへ

ソーシャルインテリアでは、オフィス構築やレイアウト変更における実績が豊富です。間取りの構築からオフィス家具の選定まで幅広くサポートいたします。オフィスづくりに関するこだわりやご要望について、まずはお気軽にお聞かせください。