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PROJECT株式会社エルフィン
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SCALE799.10㎡
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CATEGORYオフィス移転
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YEAR2024
空間の“コンテンツ化”で見せるエンタメ企業の魅力
株式会社エルフィン様
INTERVIEW
インタビュー取締役社長 木下 崇 様
管理部/管理課 人事Gr/人事 山口 晶 様
新たな事業展開にふさわしいオフィスデザインへ
以前のオフィスは古い建物だったこともあり、夏場の暑さや冬場の乾燥が深刻で、社員のモチベーションや業務効率にも影響を与えていました。そんな状況下で、バックオフィスのスタッフが加湿器をオフィスのあらゆる場所に設置するなど、環境整備に対応するために多くの時間を費やし、大きな負担になっていました。
また、弊社は3年前に松尾グループに加わり、親会社が松尾製作所となったことを機に、遊技機にとどまらず、テレビアニメやCG制作、キャラクター制作といった新たな事業領域にも進出。
それに伴い、オフィスを訪れるお客様の層も変化していきました。従来の遊技機関連の取引先に加え、さまざまな業界の企業からの訪問が増える中、このオフィス(旧オフィス)ではエンターテイメント企業としての個性を十分に表現しきれていないと感じるようになりました。
もともとオフィス空間にはこだわりがあり、一般的な企業のオフィスとは一線を画すデザインでお客様にも喜んでいただくことも多くありましたが、さらにエンターテイメント性を追求したいという思いが強くなっていったのです。
これらの点を踏まえ、移転後のオフィスでは、オフィス環境の機能的な改善とともに、企業としてのブランディングや新たなビジネスの成長を支えるため、ある意味で振り切ったオフィス作りを進めることになりました。
秋葉原で実現した”見せる”オフィス
ソーシャルインテリア様にご協力いただくなかで特に印象に残ったのは、私たちの漠然としたイメージを、都度パースとして具体的なビジュアルに落とし込んでいただけた点です。また、定期的なミーティングでは、こちらの疑問や要望に対してその場で解決できるよう、積極的にディスカッションを重ねてくださったことも強く印象に残っています。
おそらく一般的なオフィス作りとは異なる点が多かったため、貴社のなかで理解しにくい部分もあったかもしれません。それでも、お互いに専門領域についてアイデアを共有しあいながらディスカッションできたのが良かったと感じています。
今回、私たちが移転するにあたって特にこだわったのは、「秋葉原にオフィスを構える」という点です。これは会社のアイデンティティ・ポリシーを表現するうえで、非常に重要な要件でした。秋葉原という土地でワンフロアの広いオフィスを見つけるのは非常に難しく、物件選びに苦労しましたが、この物件(現オフィス)を見つけた瞬間、これを超えることはそうそうないだろうと直感し、短期間で移転を決意したのです。
移転計画は、6ヶ月という短い期間で、デザイン未定の状態からスタートしました。この難題を乗り越えるため、社内にデザイナーを含むプロジェクトチームを結成し、メンバーが一丸となり、集中的に計画を進めました。また、社長である私が基本的に現場で意思決定をすることで、スピード感を持ったプロジェクト進行を実現しました。
オフィスのコンセプトは、エンターテイメントの力を活用して事業を拡大するという松尾会長の意向を踏まえ、「見せるオフィス」に。一般的な企業のオフィスとは一線を画し、エンタメ企業らしさを前面に出したコンテンツ・デザインを採用しています。訪れたお客様に、単なる製造業ではなく、成長性と拡張性のある企業であることを実感してもらえる空間を創出することを目指しました。
環境が変えた社員の意識
以前のオフィスでは、環境に起因するトラブルが多くありましたが、移転後はそれが大きく改善され、社員のオフィスでのストレスが大幅に減少したと感じています。
また、オフィス環境が整ったことで、社員一人ひとりの「オフィスをきれいに保とう」という意識が高まりました。これまではあまり気にしていなかったであろう細かい部分にも目を向けるようになり、オフィス内で傷ついたり汚れていたりする箇所があると、皆が気にかけて報告をあげてくれます。
ゴミをきちんと捨ててくれたり、備品の配置を一緒に考えてくれたりと、積極的に快適なオフィス作りに参加してくれる人も増えました。
会議室に関しては、移転直後来客が多く、社内使用の制限をかけるアナウンスをしていたこともあり、社員にとっては少し使いにくい状況だったかもしれません。しかし、今年に入ってからは、オフィスも通常営業に戻りつつあるので、オフィスにもっと馴染んでもらい、来社されるお客様にオフィスのこだわりについて語れるようになってもらえると良いと思っています。
空間から伝わる作品の世界観
新しいオフィスは、ご来社いただいたお客様から想像以上の高評価をいただいています。
見た目の豪華さだけでなく、「ひぐらしのなく頃に」のコンセプトルームをはじめ、作品の世界観を細部にわたって表現した空間が特に好評で、オフィスを通じて作品への愛情とこだわりを感じていただけていることに、大変嬉しく思っています。
将来的には、「ひぐらし部屋」のようなコンセプト特化型の部屋を増やし、オフィスに常に新しい刺激を加えていきたいと考えています。エンターテイメント企業として、固定観念にとらわれず、新しいコンテンツや見ているだけで楽しくなるような要素を積極的に取り入れ、常にアップデートを続けていきたいですね。
今回のオフィス移転は、貴社にとってもかなり特殊なプロジェクトだったと思います。そのため、通常のオフィスとは異なる視点や考え方を、多く得られたのではないでしょうか。
もし、第2弾として、弊社オフィスをアップデートする機会があれば、その経験を活かして、ソーシャルインテリアさんからも「オタク的」なコンテンツを提案していただけたら、とても嬉しいです。
私たちは建築や設計の専門家ではないので、「これは技術的に可能」「こういうアイデアは斬新で面白い」といったプロの視点からの提案は、大変参考になります。
ぜひ、今後のオフィスづくりでも、サポートいただけると幸いです。
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※本記事でご紹介したオフィスは一般の方への公開は行っておりません。予めご承知おきください。