オフィスの環境整備を考える上で、OAフロアの導入は注目すべきポイントです。配線のスマートな収納や移動のしやすさ、掃除の手間の削減など、オフィス環境を向上させるさまざまな効果が期待できます。
この記事では、OAフロアの適切な高さや種類、選び方について詳しく解説します。これからOAフロアの設置を検討している方はもちろん、OAフロアが敷設されたオフィスに入居を検討している方も、特徴をよく理解する上で、ぜひ参考にしてください。
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目次
OAフロア(フリーアクセスフロア)とは
OAフロアとは、オフィスの床下に敷設される特殊な床の構造です。「フリーアクセスフロア」とも呼ばれ、床下に隠れた空間を作ることで、通信ケーブルや電気、空調設備などの配線をスムーズに行うことができます。
また、ケーブル配線用のスペースを確保する二重構造の床システムとなっているため、「二重床」とも呼ばれ、オフィスのレイアウトや設備の変更が頻繁に行われる場合や、床下に配線を設置する必要がある場合に、このOAフロアが有用です。
OAフロアを設置するメリット
OAフロアの導入には以下のようなメリットがあります。
配線をすっきりさせて、足をひっかけない
床下に配線を収められるため、足をひっかける心配がなくなり、安全性が向上します。
オフィスの見た目、デザイン面の向上
OAフロアを使用することで、配線が見えないスマートなオフィス環境が実現します。
スムーズに物の移動ができる
床面が平らになるため、家具や設備の移動が容易に行えます。オフィスのレイアウト変更が頻繁に行われる場合、非常に便利です。
掃除、整理整頓がしやすくなる
掃除機やモップがかけやすく、清掃が簡易になります。埃やゴミが配線に付着することもないため、オフィスの清潔さが保たれます。
OAフロアは、オフィス環境の改善に大きく貢献するでしょう。
OAフロアの種類
OAフロアには、大きく分けて「床高調整式」「置敷式簡易タイプ」「置敷式溝配線タイプ」の3つの種類があります。ここでは、それぞれの概要と特徴を紹介します。
床高調整式
床高調整式は、床下に支柱を配置し、その上にフロアパネルを敷く方式です。支柱によってフロアパネルの高さを調整可能であるところが大きな特徴。耐久性も高く、長期的な利用に適しています。
メリットは、支柱の高さを調整することで、環境変化に柔軟に対応できる点。配線容量の大小に関わらず、床が凸凹であっても設置可能で、重量物を乗せることも可能です。一方で、支柱を置くことで床が上がるため、天井までの高さが狭くなるというデメリットがあります。また、設置には専門的な技術が必要で、施工期間が長く費用もかかります。
配線が多く、設備の変更が頻繁に行われるオフィスやサーバールームなどに適しています。
置敷式簡易タイプ
置敷式簡易タイプは、フロアパネルと支柱が一体になっているOAフロア。支柱がついたパネルを置いて床との間にスペースを作り、配線を収納します。フロアパネルを特定の高さに敷設することで、床の高さを一定に保つことができます。
メリットは、安価で施工が早く、比較的簡単に導入ができる点。軽量で建物への負担も少なく、急な移転や変更時にも便利です。ただし、高さ調整ができないため、配線が増設された場合の対応が難しく、長期的な利用には向かないことがデメリットとして挙げられます。
以上の特徴から置敷式簡易タイプは、短期間の利用や仮設オフィスに適しているといえます。展示会場やイベントスペースなど、一時的なイベントにも活用できるでしょう。
置敷式溝配線タイプ
置敷式溝配線タイプは、フロアパネルに溝を設け、配線を溝に収める方式のOAフロアです。床高調整式、置敷式簡易タイプと違って支柱が無く、オフィスの床下に直接溝が入ったフロアパネルを敷くタイプです。
メリットは、溝に沿ってすっきりと配線を収納できるため、配線の乱れを防ぎ、安全性を高められる点です。また、支柱がないため現地で高さ調整の必要がなく、すぐに施工できます。デメリットとしては、配線容量が限られる点と、凸凹の床や重量物の設置には不向きな点が挙げられます。
配線容量は多くありませんが、簡単に取り外しや再配置が可能であるため、レイアウト変更が頻繁に行われる小・中規模の会社のオフィスに適しています。
OAフロアの高さと選び方
OAフロアの高さは、オフィスの天井高によって適切なものが異なります。ここでは、平均的な天井高(2,400~2,600mm)を基準に、3つに分けて選び方を解説します。
天井の高さが平均的な2,400~2,600mmの場合
天井の高さが平均的な2,400〜2,600mmのオフィスでは、床上げ高が高すぎないOAフロアであれば、どのタイプを選んでも問題ありません。
支柱が付いているタイプを選ぶ際には、標準的な高さである床上げ高50mmを上回らないように注意しましょう。高すぎる床上げ高は、オフィス内に圧迫感が生じ、社員が業務に集中しにくくなる可能性があります。
ただし、オフィスの用途や必要な配線量、荷重などによって適切なOAフロアの高さは異なります。OAフロアを選ぶ際には、オフィス環境をより快適に、効率的にデザインするため、専門家に相談し、自社に最適な高さを検討することをおすすめします。
天井が高い場合(2,600mm以上)
平均的なオフィスの天井高は2,400〜2,600mm、床上げ高は50mm程度です。これよりも天井が高い場合、床高調整式のOAフロアがおすすめ。平均よりも天井が高いため、床上げ高を高めに設定しても、圧迫感なく快適に仕事ができるでしょう。
床高調整式は、高さを自由に調整できるため、デザインに合わせて柔軟なオフィスレイアウトが実現できます。耐荷重があるため、スペースが広く、設備や機器などの荷重が大きい場合にも適しています。
自社のオフィスに適したOAフロアを選ぶためには、事前に必要な要件を確認しておくことが重要です。
天井が低い場合(2,400mm以下)
天井の高さが2,500〜2,600mm以下のオフィスでは、置敷式溝配線タイプのOAフロアがおすすめ。支柱がないため、二重床を低めに設置することができます。平均よりも天井が低い場合でも、OAフロアの高さを抑えることで、窮屈な印象を避けられるでしょう。
通信ケーブルや電気など、配線が多く、床高調整式タイプや置敷式簡易タイプを選択しなければならない場合には、床上げ高は30㎜の低いものが好適。また、置敷式タイプは、床に凹凸や傾斜がある場合に下地処理が必要となるため、床高調整式を選択した方が良いケースもあります。天井の高さだけでなく、事前に床の状態も確認しておきましょう。
天井高を考慮して適切な高さのOAフロアを設置しよう
OAフロアの導入は、オフィスの快適な環境づくりに大きく寄与します。天井高や床・配線の状況によって適切なOAフロアが異なるため、慎重に選択する必要があります。
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