腰痛・肩こりは、多くのビジネスパーソンが抱える大きな悩みのひとつです。特に在宅ワーク・リモートワークの方でお悩みの方が多いのではないでしょうか?実は、オフィスチェア選びが腰痛・肩こりに影響を与える重要なアイテムであることをご存知でしょうか。座り心地を重視して選ぶ人が多いオフィスチェアですが、使用するシーンや業務内容によって、最適な種類や素材は異なります。
本記事では、オフィスチェアの種類、選び方のポイント、おすすめチェアについて紹介します。自社に合うオフィスチェアを見つけて、身体的な疲労を軽減し、生産性の向上を目指してください。
目次
オフィスチェア選びの重要性
一般用医薬品の大手企業である佐藤製薬株式会社が実施したアンケートでは、”約半数の人が肩こり痛・腰痛は、慢性的な病気”だと回答しており、”肩こり痛・腰痛による仕事の効率のロスは、平均約3割”だと発表されています。
身体の不調の原因はさまざまですが、オフィスチェアが仕事の質・生産性を左右している可能性もあります。身体の疲労を抑え、仕事に集中しやすくなるためには、適したオフィスチェア選びを知っておくことが重要です。座っている時間や業務内容に適したオフィスチェアを選び、快適に仕事ができる環境を整えていきましょう。
オフィスチェア選びのポイント
オフィスチェア選びのポイントを4つ紹介します。実際の使用シーンを想定しながら選ぶことで、職場に適したオフィスチェアが見つかりやすくなります。職場がオフィスか・在宅かによっても関係しますので、間違った選び方をしないようにぜひお読みください。
1 椅子に座ったときの正しい姿勢を保てる
座ったときの正しい姿勢とは、「足の裏がしっかり地面について、膝の角度が90度程度になる状態」「キーボードに手を置いたとき、手と胸との角度が90度程度になる状態」です。正しい姿勢を保てると、身体への負担が軽減できるといわれています。
さらに、背もたれ・座面が身体にフィットしていると、長時間座っていても疲れにくくなります。人によって最適な椅子の高さは異なるため、調節できる椅子を選びましょう。
2 デスクの横幅・高さに合っている
オフィスチェアは、デスクとの相性も重要です。デスクの横幅・高さに合っていないと、オフィスチェアがはみ出してしまい、通行の妨げになります。必ずデスクに収まるデザインのものを選びましょう。
デスクの下に収納がある場合は、空いているスペースが限られるのでオフィスチェアの脚が収まるかの確認が必要です。デスクの高さによっては、アームレストが引っかかって、椅子が出たままになることもあるため注意してください。
3 仕事のスタイルや業務内容にマッチしている
仕事のスタイルや業務内容によって、最適な椅子のデザインは異なります。たとえば、長時間座り続けての作業がある場合は、身体を伸ばしてリラックスできるリクライニング機能が重宝されます。
一方で、メイン通路に面した場所に、長い背もたれのオフィスチェアを選ぶと、人とぶつかりやすくなったり、通路が狭くなったりするというデメリットも生じます。使用するシーン、使う時間を考えてオフィスチェアを選定していきましょう。
オフィスチェアの種類と選び方
オフィスチェアの種類と選び方について、4つのポイントを紹介します。
・椅子の種類
・張り材の素材
・背もたれの高さ
・機能性
種類・素材・背もたれ・機能などを比較しながら、選択肢を絞り込んでいきましょう。
1 椅子の種類
オフィスチェアは、「事務用チェア」「エルゴノミクスチェア」「エグゼクティブチェア」の3つに大別されます。ここでは、それぞれの特徴と、メリット・デメリットについて解説します。
低価格・種類が豊富「事務用チェア」
事務用チェアはシンプルなデザインが特徴です。低価格・豊富な種類がメリットで、コストを抑えたい人に向いています。数量も確保しやすいため、従業員が多い職場や短納期で導入したい企業にもおすすめです。肘なしのコンパクトなデザインも多いので、狭いオフィスでも空間が広く感じられます。
長時間座っていると疲れを感じやすいため、外出が多い営業職などで選ばれやすくなっています。座り心地を重視したい場合は、アームレストがついたモデルや、クッション性に優れたモデルをチョイスしましょう。
身体の負担を軽減できる「エルゴノミクスチェア」
エルゴノミクスチェアは、人間工学に基づいてデザインされており、身体への負担を軽減できます。背筋や腰まわりにフィットする形状になっているので、長時間のデスクに座って作業を行う人に向いています。リモートワーク・テレワークの方もおすすめです。
エルゴノミクスチェアは身体をサポートするための機能がついているため、一般的な事務用チェアと比べると、サイズが大きくなる傾向があります。ヘッドレストやアームレストが付いているモデルは、かなり存在感があるため、デスクの大きさやオフィス空間とのバランスを考えて導入することがポイントです。
高級感がありゆったりと座れる「エグゼクティブチェア」
エグゼクティブチェアは、「重役(エグゼクティブ)」の名に相応しい、高級感溢れるデザインが特徴です。「プレジデントチェア」と呼ばれることもあり、高品質なレザーを使った重厚感のある仕上がりとなっています。
ソファーのようにゆったり座れるモデルや、足置き場オットマン(フットレスト)がついたモデルもあり、社長室のような特別な空間に向いているオフィスチェアです。数十万円するエグゼクティブチェアも珍しくはなく、サイズもかなり大きくなるため、一般オフィスへの設置には不向きです。
2 張り材の素材
通気性に優れた「メッシュ」
通気性に優れたメッシュは、汗や湿気による蒸れを防ぎやすい素材です。長時間オフィスチェアに座っていると、太ももやお尻に熱がこもりやすくなります。湿度の高い梅雨や汗をかきやすい夏場は、べたつきが気になる人も多いのではないでしょうか。
メッシュ素材を採用することで、不快な蒸れやべたつきを軽減することができます。全面メッシュにしてしまうと座り心地に影響が出るため、背もたれなどの一部にメッシュを取り入れているデザインが大半です。
ハイバックタイプ(後述)であり、メッシュ素材のオフィスチェアは「ハイバックメッシュ」とも呼ばれ、人気の高いオフィスチェアです。
耐久性が高く高級感のある「レザー」
レザー素材は、高級感を演出できるだけでなく、耐久性の高さも大きな魅力です。丁寧にお手入れすることで、風合いの変化を楽しみながら、何十年と使い続けることもできます。エグゼクティブチェアに多く採用されています。
包み込むような座り心地ですが、メッシュと比べると通気性は劣ります。長時間座っていると蒸れやすくなるので、部屋の空気を循環させたり、風通しの良い場所で使うと良いでしょう。
身体にフィットしやすい「布地(ファブリック)」
身体にフィットしやすい布地(ファブリック)は、クッション性に優れた素材です。背もたれは通気性を重視したメッシュ、座面は柔らかさを重視した布地を採用しているオフィスチェアは多く、もっともスタンダードなデザインとなっています。
布地はカラーバリエーションも豊富で、オフィスの雰囲気に合わせて選びやすい点もメリットです。ただし、一度汚れがつくと落としづらいため、飲み物などをこぼさないように注意する必要があります。
デザイン性が高い「木製」
デザイン性を重視したい人には、木製の張り材がおすすめです。ナチュラルベースのオフィスを構築する場合は、木製のオフィスチェアを導入することで、統一感のある空間に仕上げることができます。
木製のオフィスチェアは耐久性に優れていますが、硬くて身体にフィットしづらいため、クッションやレザー素材と組み合わせて作られることがほとんどです。デザイン性と使い心地を両立できるようなオフィスチェアを探してみましょう。
3 背もたれの高さ
背もたれの高さも座り心地に大きく影響します。ここでは、快適に使うために知っておきたい2つのポイントを紹介します。
長時間のデスクワークには「ハイバックタイプ」
ハイバックタイプは、後傾姿勢をささえる機能をそなえ、背もたれの高さが肩や頭まであるタイプです。背もたれに体重を預けることができるので、背中や首への負担軽減が見込めます。長時間のデスクワークになりがちなデザイナー・クリエイター・ITエンジニアなどのクリエイティブな職種の人に向いています。在宅勤務・ホームワーカーの方はこちらのタイプがおすすめです。
人通りの多い通路近くに設置してしまうと、通路幅が狭くなる可能性があるため、オフィス全体のレイアウトを考えたうえで導入しましょう。
省スペース・短時間の使用におすすめ「ローバックタイプ」
ローバックタイプは、背もたれの高さが腰まであるタイプです。軽くもたれ掛かることはできますが、ハイバックタイプと比べると、身体への負担は大きくなります。会議をはじめ、短時間の使用におすすめです。
狭いオフィスの場合は、コンパクトなローバックタイプが選ばれやすい傾向です。省スペースで設置できることに加えて、背もたれが低い分、遠くまで視界が通りやすい点もメリットとなっています。
4 機能性
オフィスチェアを検討するうえでは、機能性の比較は欠かせません。ここでは、身体のサポート、生産性の向上といった観点から、「ロッキング機能」「ランバーサポート機能」「リクライニング機能」「アームレスト」の4つについて解説します。
仕事の合間に身体を伸ばせる「ロッキング機能」
ロッキング機能とは、背もたれが後ろに倒れる機能を指します。仕事の合間に背中を伸ばすことができ、固まった身体をほぐしてリラックスすることができます。
ロッキング機能には、背もたれだけでなく、座面が動かせるタイプもあります。一般的なオフィスでは、背もたれだけを動かす「背もたれロッキング」の機能があれば十分ですが、より深いリラックス効果を求める場合は、座面の位置や角度を調整できる「背面一体ロッキング」「シンクロロッキング」なども検討してみましょう。
腰の負担を軽減できる「ランバーサポート機能」
ランバーサポートは、腰(ランバー)の負担を軽減する機能です。オフィスチェアの背面に、背骨のS字型の曲線に沿ったデザインを採用することで、椅子に深く座った際、身体に負荷が少ない姿勢を保ちやすくなります。
ランバーサポート機能では、背骨にフィットするようにクッションなどが備わっており、座る人の好みに合わせて位置が調整できます。腰痛がある人は、とくに重視したい機能です。
長時間作業の休憩に「リクライニング機能」
リクライニング機能とは、背もたれを好きな角度で固定できる機能です。車や映画館の座席のようにレバーで角度の調整ができるので、長時間作業の休憩として、しっかりと休みたいときに向いています。
ロッキング機能と似ていますが、座席を傾けたままの状態を長時間キープしたいときは、リクライニング機能がおすすめです。リクライニングの角度が大きくなるほど、他のスペースに干渉しやすくなるので、狭いオフィスでは使いづらいかもしれません。
リクライニング機能付きのオフィスチェアについては、こちらもご確認ください。
背中や肩の負担を軽減できる「アームレスト」
アームレストが付いたオフィスチェアを選ぶことで、背中や肩の負担を軽減できます。肩こりに悩んでいる人は、アームレスト・ヘッドレストなど、肩まわりをサポートしてくれる機能がおすすめです。
アームレスト付きのモデルを選ぶ場合は、アームレストの位置や大きさが、デスクに最適かどうかを確認しましょう。アームレストが大きすぎると、デスクに収納することができず、無駄なスペースを生じてしまいます。
おすすめのオフィスチェア6選
Herman Miller Sayl Chair
フレームのない3Dインテリジェントバックが特徴。美しいデザイン・シルエットでありながら最先端の人間工学と洗練された設計工学、環境への配慮まで兼ね備えています。ランバーサポートはありませんが、背面のエラストマー素材が必要な部分で張力を発揮し、体にフィット。より少ない部品と素材で、優れたチェアが持つすべてを実現しています。
Vitra ID Mesh
アントニオ・チッテリオがデザインした ID Mesh。どのようなオフィスにもマッチするシンプルでスタイリッシュなデザインが魅力です。革新的な技術で作られた背もたれの張り地(メッシュ)は細かな網目状の層があり、クッション性と通気性を兼ね備えています。熱がこもりにくいため、長時間の作業にもおすすめです。
Steelcase Think chair
SteelcaseのThink Chairは必要最小限の調節機能でありながら最大限のカスタマイズが可能で、快適な座り心地を提供します。柔らかなバックフレームと帯状のデュアルエナジーランバーサポートが組み合わさり、姿勢を変えるたびに背骨と骨盤の動きに追従。長時間快適に作業をすることができます。
HAWORTH Fern
シダ植物から着想を得たという緩やかな曲線の背面は、背中の動きに合わせてしなやかに動き、包み込むように背中全体をサポート。ハイバックなので、体格が大きい人も安心して使えます。また、座面の奥行き調整・4Dアーム(可動肘)・フォワードチルト(前傾チルト)機能・背角度・ロッキング調整など、機能も豊富に兼ね備えています。
KOKUYO Mitra2
さまざまなシーンに美しく馴染む軽やかなデザインに、快適な座り心地を実現する豊富な機能を搭載。元々人気のあったベストセラーモデルの進化版です。オートフィットシンクロロッキング・ロッキング反力簡易調整機能・ロッキング角度範囲調節機能などロッキング関連の機能が充実しており、自分に最適な姿勢をサポートしてくれるでしょう。
ITOKI nort
現代のオフィストレンドにマッチする意匠性・コーディネート性を備えたオフィスチェア。幅広いニーズに対応するため、エクストラハイバック・ハイバック・ローバックと豊富なサイズバリエーションが揃っています。背のフレームまで生地が張り込んでいたり、クッションは弾力のある厚めの素材を使用していたりと座り心地も快適です。
オフィスチェアに迷ったら【ソーシャルインテリア】を活用しよう!
オフィスチェアは種類やバリエーションも豊富にあるので、どれが最適か悩んでしまうことも多いのではないでしょうか。オフィスチェア選びに迷ったら、【ソーシャルインテリア】の活用がおすすめです。専任のコーディネーターが、貴社に合ったオフィスチェアを選定して、ご提案します。
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