新型コロナウイルス感染症の流行や働き方改革により働き方が多様化する中、多くの企業でコミュニケーションの希薄化が課題となっています。
コミュニケーション不足は生産性や定着率の低下を招き、企業に大きな損失をもたらすため早めの改善が必要です。しかし、具体的な改善策がわからず、実施できずにいる企業も少なくありません。
そこで本記事では、コミュニケーション活性化に有効な施策を4選紹介します。
目次
社内コミュニケーションの重要性
社内コミュニケーションとは、業務の指示や相談、雑談、グループランチ、カフェタイム、ミーティングなどにおける日常的な会話です。
組織は、上司と部下の縦のつながりと同僚間の横の連携により業務が進むので、円滑な運営の実現には社内コミュニケーションが欠かせません。社内コミュニケーションが多いと、情報共有がスムーズになり、業務効率や生産性の向上が見込めます。
また、お互いの考えや価値観を共有できることから、信頼関係の構築や仕事へのモチベーションアップにも効果的です。
社内コミュニケーションに問題を抱えている企業は多い
対面する機会の減少や社内の雰囲気が原因で、コミュニケーション不足の問題を抱えている企業は少なくありません。厚生労働省がまとめた報告書『テレワークを巡る現状』では、テレワークで感じたデメリットとして、45.3%の企業がコミュニケーションの減少を挙げています。
テレワークの他には、気軽に話せる場所がない・上司と接する機会がないなどのクローズドな雰囲気も、コミュニケーションを取りづらくさせる原因です。特に部門・拠点が違えば接する機会は限られるうえ、経営陣と一般社員のように立場に差があるほど関わる機会は少なくなります。
よって、企業規模が大きいほど全社員とは接点を持ちにくく、コミュニケーション不足が生じやすいといえます。
参考 厚生労働省『テレワークを巡る現状について』
社内コミュニケーションを活性化させることで得られるメリット
コミュニケーションが円滑だと、社員が働きやすくなるのはもちろん、企業の利益にもつながるなど良い影響をもたらします。ここでは、社内コミュニケーションが活性化することで得られるメリットを3つまとめました。
1.離職率の低下
年代問わず離職原因の上位に挙がるのが人間関係の不満です。社内コミュニケーションが活性化するとチームの団結力が高まり、モチベーションが向上するだけでなく、孤立感を覚えにくくなるため離職率が低下します。
また、キャリアに対する不安・労働時間や休日の不満・業務内容のミスマッチといった問題が深刻化すると離職につながりますが、日頃からコミュニケーションを取っていれば早期発見・解決が図れるため、定着率の向上に有効です。
2.生産性の向上
社内コミュニケーションが活性化すると、チーム内の情報共有がスムーズになり、認識の違いによる作業ミスや意思決定の遅れを防げるため生産性の向上に効果的です。
さらに、コミュニケーションが活発で意見を出しやすい環境では、社員1人ひとりの自主性を促し、さまざまなアイデアや知識を生み出します。このように、社内コミュニケーションは個人タスクの生産性向上だけでなく、チーム全体の創造力や作業効率アップにも有効です。
3.イノベーションの創出
チーム内だけでなく関連する部署とコミュニケーションを深めると、専門知識や個々の体験・知識をもとにした新たな視点を得られます。生産方法の導入やアプローチ法、供給源の獲得など、多角的に新しい価値を創出する機会となるため、社内コミュニケーションはイノベーションの創出にもつながっているといえるでしょう。
また、社内コミュニケーションを通じて社内全体に企業の方向性を発信することで、付加価値の高いサービスの提供を効率よく行えます。
社内コミュニケーションの活性化で必要なポイント
社内コミュニケーションの活性化で必要なのは、物理的・心理的なハードルを下げることです。
物理的なハードルには、テレワーク・オフィスの間取り・複数拠点などが挙げられます。なかでも、オフィス空間は非常に重要で、他部署とも気軽に交流できたり、業務の合間に気軽に話しかけたりできる距離感が必要です。
一方の心理的なハードルとは、意見出しにくさを表します。高圧的な雰囲気や発言を否定する風習があると、円滑なコミュニケーションは取れません。個々を尊重して、誰でも意見を出し合えるような、心理的安全性を確保しましょう。
社内コミュニケーションを活性化させるための施策4選
社内コミュニケーションを活性化するには、担当者だけでなく他のチームや部署などとも連携を取って、組織全体で取り組まなければいけません。
ここでは、社内コミュニケーションを活性化させるための施策を4選提案します。
1.オフィスのレイアウト・機能の見直し
社内コミュニケーションを活性化するには、オフィス空間の見直しが有効です。
全社員が交流しやすいオフィスレイアウト・機能に変更するには、以下のような方法があります。
- 充実したリフレッシュスペースの確保
- 多様なミーティングスペースの設置
- パーティションの数を減らす
- フリーアドレス制の導入
- オープンドアポリシーの実施
快適な照明・広さ・家具などを完備したリフレッシュスペースを設置すると、社員が集まりやすくなって自然とコミュニケーションが活性化します。
さらに、フリーアドレス制やオープンドアポリシーを導入してオープンな環境を作れば、役職・部署に関わらず気軽に話ができるようになり、風通しの良い環境が生まれるでしょう。
2.ICTツールの活用
ICTツールを活用するとリアルタイムなコミュニケーションが可能です。さらに、進捗状況や作業の優先順位が明確になり生産性向上が期待できます。
なお、社内コミュニケーションに有効なICTツールには、以下の5種類があります。
- コミュニケーションツール:Chatwark・Slack など
- Web会議ツール:Microsoft Teams・Google Meet など
- タスク管理ツール:Jooto・Todoist など
- グループウェア:Microsoft 365・サイボウズ など
- オンラインイベントシステム:eventos・EventHub など
ICTツールの導入は、IT化施策の全社的な取り組みが必要で、浸透させるには全員が発信者にならなければいけません。
3.社内イベントの実施
社内イベントは部署間や役職の垣根を越えて交流できるので、風通しの良い組織作りが行えます。また、他部署の業務や他の社員の能力を知るきっかけにもなり、チームビルディングも役立つでしょう。
社内イベントの例としては、以下の取り組みが挙げられます。
- 運動会
- プロ野球・サッカーなどのスポーツ観戦
- 花見・BBQなどの野外イベント
- 社内表彰制度の導入
- オンラインシャッフルランチ
このようなイベントを通して喜びや楽しみを共有すると、チームの一体感が増して会社への貢献意欲を高められるため、離職率の抑制に効果があります。
さらに、社内表彰で功績を称えることで、社員のモチベーションが上がり、パフォーマンスの向上が期待できるでしょう。
4.1on1ミーティングの実施
1on1ミーティングとは、上司と部下が1対1で行うミーティングです。1on1ミーティングを通して普段関わる機会が少ない上司や管理職の人との時間を設けることで、縦のコミュニケーションが活性化します。
なお、1on1ミーティングの目的は人材育成であり、部下の意見を聞く姿勢が重要です。人事評価面談のように上司が一方的に指摘をしたり、プロジェクトの進捗を確認したりする面談ではありません。
実施時には、最初からフィードバックを行うのではなく、まずは部下自身に解決策を考えさせることを意識しましょう。すると、自分の才能を自ら発見できるようになり自信を持たせることができます。また、相談に乗ってもらえたという満足感と安心感から信頼関係の強化にもつながります。
社内コミュニケーションを活性化させたオフィスの事例
株式会社セキュア様は、オフィスを増床しもともと分かれていた拠点を集約し、オフィスのレイアウトも工夫することで、コミュニケーションの活性化を図りました。
詳しくは以下のインタビューレポートをご覧ください。(ダウンロード無料)
社内コミュニケーションを活性化させるオフィスづくりは「ソーシャルインテリア」にご相談を
社内コミュニケーションが活性化すると、作業効率やモチベーションの向上、離職率の低下など、多くのメリットが得られます。ただし、社内コミュニケーションの活性のためには、さまざまな施策による多面的なアプローチが重要です。
「ソーシャルインテリア」は、オフィス空間の構築をワンストップで支援しているため、社内コミュニケーションが活性化するレイアウト変更がスムーズに行えます。プロによるアドバイスはもちろん、納品後のアップデートのサポート体制も万全です。
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