執務室の環境は、業務の生産性や従業員のエンゲージメントに直結します。執務室とは、事務仕事を行う部屋を指しており、「執務スペース」「事務室」と呼ばれることもあります。従業員が多くの時間を過ごす執務室は、こだわりを持って計画したいところです。
この記事では、執務室の役割、企業がこだわるメリット、レイアウトのポイントを解説します。現在の執務室に求められる要素もまとめているので、執務室の見直しやリニューアルを検討されている方は、ぜひご一読ください。
目次
オフィスの執務室に求められる役割
オフィスには、エントランス・来客スペース・ラウンジ・会議室など、さまざまなエリアがあります。従業員が事務作業を行う執務室は、オフィスのなかでもスペースが広く、多くの人が集まる空間です。
執務室は生産性・エンゲージメントの向上だけでなく、従業員同士のコミュニケーションを促し、ブランドイメージを発信する場としての役割も求められています。
また、これまでは従業員が全員出社して執務室で勤務するスタイルが一般的でしたが、感染症の流行や多様化する働き方に合わせてオフィスの在り方も変化しています。たとえば、多くの企業が社員数=座席数ではなく、一定のリモートワークを前提としてレイアウトを計画するようになりました。
企業が執務室にこだわるメリット
執務環境にこだわることで、次のメリットが期待できます。
- 生産性の向上
- エンゲージメントの向上
- コミュニケーションの活性化
- 離職率の低下
- 企業ブランディングの向上
執務室は「従業員の働きやすさ」を重視しなければなりません。おしゃれなオフィスを真似るのではなく、自社の課題に適切にアプローチすることが大切です。業務に適したオフィスデザインが実現できれば、生産性やエンゲージメントは向上します。
さらに、コミュニケーションが取りやすいレイアウトは、チームの一体感を高め、離職率の低下にもつながります。執務室をあえて外部の人に公開することで、企業ブランディングの向上に活かすこともできるでしょう。
快適に業務に取り組める執務室レイアウトのポイント
どのようなレイアウトにすれば、従業員が快適に業務に取り組めるのでしょうか。ここでは、計画を立てる前に知っておきたい執務室レイアウトのポイントを3つ紹介します。
1.一人当たりの執務スペース
広いスペースが必要な場合、一人当たりのオフィス面積は、14.5㎡(約4.4坪)程度が目安です。デスクワークが中心のIT業・クリエイティブ業、紙の書類を多く扱う学術研究機関・士業系の事務所は、広めの執務スペースが向いています。パソコンでの作業がメインの本社部門、外回りが多い営業であれば、11.1㎡(約3.4坪)程度のコンパクトなスペースでも問題ありません。
リモートワークが広く社会に浸透して以降、社員数=座席数という概念が当たり前ではなくなり、柔軟性のあるレイアウトが好まれるようになりました。座席を固定しないフリーアドレス、執務スペースと他の機能を組み合わせたハイブリッドな空間など、自社に最適なレイアウトを検討していきましょう。
2.メイン・サブの動線
執務室の動線計画では、通路幅の広い「メイン動線」、抜け道にあたる「サブ動線」を設けます。
人ひとりが通るためには、最低限600mmの通路幅が必要です。そこで、人の行き来が多いメイン動線はすれ違いやすいように、1200〜1600mm程度のスペースがあると快適性が上がります。出入口付近やオフィス機器周辺は混雑しやすいため、余裕を持った設計を心がけましょう。
一方で、サブ動線は標準的な通路幅である900〜1200mm程度が確保できると、段ボールなどの荷物も運びやすくなります。
3.デスクレイアウト
デスクレイアウトは、次の4種類が基本です。
対向型 | ・デスクを対面に配置して、従業員が向かい合って座るレイアウト・日本のオフィスでもっともスタンダードなスタイルで、島型レイアウトと呼ばれることもある |
フリーアドレス型 | ・固定のデスクを持たず自由にワークスペースが変えられるレイアウト・リモートワークとの相性がよく、採用する企業が増えている |
同向型 | ・座席を並列に配置して、従業員が同じ向きに座るレイアウト・銀行などの窓口業務を伴う業界に多く、スクール型レイアウトと呼ばれることもある |
背面型 | ・壁向きにデスクを配置して、従業員が背中合わせで座るレイアウト・一人で集中して仕事を行うことが多いクリエイティブ職に向いている |
デスクレイアウトは、業務内容に適したかたちで設計することが重要です。
参照『【事例5選】効果的なオフィスレイアウト8種!設計時に配慮すべきポイントも解説』
現代の執務室に求められる要素
リモートワークの浸透により従業員の出社率が下がったことで、執務室の在り方が見直されるようになりました。
続いては、現代の執務室に求められる要素を4つ紹介します。自社に必要な要素を取り入れて、課題解決や業務効率化を目指しましょう。
1.コミュニケーションを促進する休憩スペース
現代の執務室は黙々と作業を行う場所ではなく、コミュニケーションの場としての役割も果たします。デスクレイアウトによってコミュニケーションを活性化することもできますが、さらに一歩踏み込んで執務室内に休憩スペースを設置する企業も増加しています。
この休憩スペースは執務室の中央に設置するのが今のトレンド。執務室内に休憩スペースがあることで、休憩室まで移動する時間の節約が可能です。複数人でランチがとれるファミレス席や飲食・雑談ができるカフェスペースなどを設置することで、気軽にリフレッシュしやすいので、従業員のストレス軽減効果も期待できます。
2.多様な働き方に対応できるミーティングスペース
多様化する働き方に対応するためには、複数種のミーティングスペースが必要です。オープン会議スペースやスタンディングミーティングスペースは、執務室内にも設置しやすく、少人数でのちょっとした打ち合わせに向いています。
そのほか、Web会議用のスペースとしては、音や視線を遮断できる個室空間がおすすめです。完全に覆われた電話ボックスのようなフォンブースから、半個室タイプのファミレス席まで、色々なスタイルがあります。ミーティングスペースの用途を明確にして、自社に合うスタイルを選んでいきましょう。
参考『フォンブースはいくらで導入できる?選び方や設置までの流れを解説』
参考『会議室の基本レイアウト7種|目的・使用人数に適したレイアウトを紹介』
3.心身に負担をかけないオフィス家具
従業員の心身が健康でないと、生産性の低下や離職率の上昇といった問題につながります。「健康経営」をはじめ、企業は従業員の健康に配慮しなければなりません。執務室においては、オフィス家具にこだわることで、従業員の負担軽減が可能です。
とくに、オフィスチェアの使用感は、従業員の健康に大きな影響を与えます。「正しい姿勢が保ちやすいか」「デスクに合っているか」「必要な機能が搭載されているか」など、細かくチェックしながら、心身に負担をかけないオフィス家具の導入を目指しましょう。
4.十分な防災・情報セキュリティ対策
執務室では、十分な防災・情報セキュリティ対策が欠かせません。防災対策としては、避難経路や消防隊の進入路の確保を最優先します。地震が発生した際に、キャビネットやシェルフなど倒壊の恐れのある家具が経路を塞ぐことのないよう、配置を決めて確実な方法で固定しましょう。
情報セキュリティ対策としては、レベルごとのゾーニングが有効です。個人情報を取り扱う部門・機密性の高い資料の保管を執務室の奥側に移動させるだけでも、セキュリティリスクが軽減できます。
執務室の見直しなら「ソーシャルインテリア」にご相談ください
多様な働き方が広がるなかで、執務室に求められる役割も変化しています。「リモートワークと相性のいいレイアウトに変更したい」「休憩スペースやミーティングスペースを設置したい」など、執務室の見直しを検討しているなら、ソーシャルインテリアにご相談ください。
ソーシャルインテリアでは、時代のニーズに合った柔軟なオフィス空間をご提案します。お客様に安心してご利用いただけるよう、納品後も専任の担当者がサポートいたしますので、まずはお気軽にお問い合わせください。