職場環境は、組織の生産性に大きな影響を与えます。「オフィスが寒くて仕事に集中できない」「コミュニケーションが取りづらい」といった場合は、環境を改善することで企業にも従業員にもメリットがあります。
本記事では、職場環境の基礎知識と改善する重要性、具体的な改善のアイデアを紹介します。改善策を参考にしながら、快適な職場環境の構築を目指しましょう。
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目次
職場環境とは?
職場環境とは、就業場所における温度や湿度、照明、騒音といった直接的な環境条件を指します。デスクやオフィスチェア、複合機などの設備や備品も、職場環境を構成する要素です。
広義では、人事評価・福利厚生・人間関係といった労働条件も、職場環境に含まれます。物理的な環境を整備しても、制度やコミュニケーション面での満足度が低い組織は、働きやすい職場環境とはいえません。
また、近年はリモートワーク時の環境改善に力を入れる企業も増加。リモートワークを円滑に行うためのオフィス家具やインターネット環境、デバイスを用意することで、オフィスと同様のパフォーマンスが発揮しやすくなります。
職場環境を改善する重要性
職場環境を改善することで、次の効果が期待できます。
- 従業員満足度の向上
- ストレスの軽減
- 離職率の低下
- 業務効率の向上
- イノベーションの促進
快適な職場環境は、従業員の幸福感を高め、離職率の低下につながります。ストレスなく働ける職場は、意思決定やコミュニケーションをスムーズに行えるため、業務効率も向上します。企業の成長に直結するイノベーションが促進できるのも、職場環境を改善するメリットです。
また、労働安全衛生法では職場環境の配慮義務が定められています。企業は、厚生労働省が示した「快適職場指針」に基づいて対策を行う必要があります。
快適職場指針の概要
快適職場指針では、次の4つの視点から措置を講じることが望ましいとされています。
- 作業環境
きれいな空気を確保して、適切な温湿度の作業環境を維持すること。
- 作業方法
心身のストレスを軽減するため、負担の大きい力仕事は作業方法を改善すること。
- 疲労回復支援施設
従業員のための休憩室やリフレッシュスペースを設置すること。
- 職場生活支援施設
洗面所やトイレなどを清潔で使いやすい状態にしておくこと。
これらの措置は、中長期的な計画を立てたうえで、継続して行う必要があります。従業員の意見を反映しながら、職場環境の改善に取り組んでいきましょう。
働きやすい職場環境を作るため改善アイデア
ここからは、働きやすい職場環境を作るための具体的なアイデアを紹介します。
- 快適な室内環境を整える
- 動きやすいオフィスレイアウトに変更する
- コミュニケーションのハードルを下げる
- 人事評価制度を見直して公正公平なものにする
- 福利厚生を充実させて生活の基盤を支える
- 心身の健康維持に配慮する
- IT化を進めてどこでも効率的に働けるようにする
- 仕事に必要な設備・備品は会社側が揃える
それぞれの改善策について、詳しくみていきましょう。
1. 快適な室内環境を整える
- 温度・湿度
事務所衛生基準規則では、オフィス内の温度を「18度以上28度以下」、湿度を「40%以上70%以下」に保つことが努力義務とされています。
- 照明
一般的な事務作業は「300 ルクス以上」、付随的な事務作業は「150ルクス以上」が基準となります。ルクスとは、照度を表す単位で、数値が大きいほど明るいことを示しています。光に関する単位には、光源が発する光の総量である「ルーメン」、光の色を意味する「ケルビン」などが存在します。それぞれの光の強さや色合いを比較して、スペースに合った照明器具を導入しましょう。
- 雑音
人がストレスを感じないといわれる雑音レベルは、「50~70㏈」が目安です。大きな作業音が発生する職場では、パーテーションを設置し、騒音の発生源と執務環境との間に仕切りをつくるなどの対策が必要です。
- 空気環境
換気が不十分なオフィスでは、一酸化炭素や二酸化炭素の含有率が増加し、頭痛やめまいなどの健康被害を引き起こすリスクがあります。空調設備は定期的にメンテナンスを行い、従業員が安心して働ける環境を整えましょう。
2. 動きやすいオフィスレイアウトに変更する
動線を意識したオフィスレイアウトに変更することで、働きやすさは向上します。複合機などの備品、休憩室などの共有スペースは、全員が使用しやすい場所に配置すると、移動の無駄が省けます。
さらに、人通りが多いメイン通路はゆったりとした幅を確保することも大切です。デスクや収納棚が通行の妨げになっている場合は、配置を見直すとスムーズな移動が実現できます。
関連記事「生産性がアップする?オフィスレイアウト変更の流れとポイントを解説!」
3. コミュニケーションのハードルを下げる
職場の人間関係は、働きやすさに大きく影響します。上司や同僚と良好な関係が築けると、業務効率も向上し、組織としての生産性も上がります。風通しの良い職場環境を構築するためには、定期的な面談やチャットツールの活用などが効果的です。
また、年齢や役職にこだわらないオープンコミュニケーションを促進することで、議論が活発となり、新しいアイデアが生まれやすくなります。オフィスレイアウトの変更や、リフレッシュスペースの設置など、コミュニケーションのハードルを下げる仕組みを積極的に取り入れていきましょう。
4. 人事評価制度を見直して公正公平なものにする
人事評価制度への不満が高まると、仕事に対するモチベーションが低下して、離職につながるリスクがあります。人事評価では、明確な評価基準を策定し、従業員への理解を促すことが重要です。
見直しを検討するときは、「評価項目が公正公平であるか」「成果や貢献が給与に反映されているか」といったポイントを意識しましょう。具体的な数値目標を設定し、事前に擦り合わせを行っておくと、客観的な評価としてフィードバックしやすくなります。
5. 福利厚生を充実させて生活の基盤を支える
福利厚生の充実も、優秀な人材の確保や従業員の満足度向上に役立ちます。福利厚生には、導入が義務付けられている「法定福利厚生」と、企業が独自で用意する「法定外福利厚生」の2種類があります。法定外福利厚生としては、次のものが挙げられます。
- 住宅手当
- スポーツジム費用の補助
- ベビーシッター料金の補助
- 結婚・出産祝い金
- 特別休暇制度
- 持ち株制度
上記はあくまで一例です。近年は福利厚生へのニーズが高まっていることから、ユニークな取り組みを行う企業も増加しています。
6. 心身の健康維持に配慮する
企業が従業員の健康維持に配慮することで、体調不良やストレスが原因の退職者や休職者を減らすことができます。従業員が心身の負担になるような働き方をしている場合は、労働時間の見直しと勤怠管理の徹底が急務です。
また、ハラスメントや人間関係のトラブルを相談できる窓口設置も効果的。従業員が安心して相談できるように、「秘密は厳守されること」「不利益な取り扱いは受けないこと」を広く周知しましょう。
7. IT化を進めてどこでも効率的に働けるようにする
IT化とは、デジタル技術を活用し、業務の効率化を図る取り組みです。具体的には、次のような改善策が挙げられます。
- ペーパーレス化
- チャットツールの活用
- 業務管理システムの導入
これまでアナログで行っていた業務をデジタルに移行することで、従業員の負担軽減や利便性の向上が実現できます。IT化の推進によって、リモートワークでもオフィスと同じように仕事が行えるようになるでしょう。
8. 仕事に必要な設備・備品は会社側が揃える
通常、オフィス家具や業務で必要なデバイスやその他設備、備品は、会社側が貸与するものです。リモートワークにおいても、原則として業務に必要なオフィス家具や備品を揃える費用や通信費、水道光熱費などは会社が負担しなければなりません。
労働基準法では、従業員に費用を負担させるためにはあらかじめ就業規則に記載し、合意を得ておく必要があることが明記されています。会社で負担しない費用に関しては、リモートワークを始める前に取り決めておく必要があるのです。
在宅でも快適な職場環境がないと、作業効率が落ちるだけでなく、ストレスの増加や定着率の低下といった問題が生じます。従業員が本来の業務に集中できるよう、業務に必要な設備・備品は会社側で揃えましょう。
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職場環境の改善を目指すときは、アンケートや聞き取り調査を行い、現状を把握することが大切です。「従業員がどこに働きづらさを感じているか」を掴んで、最適なアプローチ方法を検討しましょう。
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