業務に関連する書類は年々増え続けるため、保管方法に悩んでいる企業は多いのではないでしょうか。そのようなときに活用できるのが、書類量を示す「ファイルメーター」です。
本記事では、ファイルメーターの基礎知識と活用方法を解説します。不要な書類を減らして、働きやすいすっきりとしたオフィスを目指しましょう。
目次
書類量を表す単位「ファイルメーター」とは?
ファイルメーター(fm)とは、書類の収納量を測るときに使われる単位です。1ファイルメーターは、A4サイズの用紙を1m積み上げた量となります。一般的なコピー用紙の厚さは約0.1mmなので、1ファイルメーターはコピー用紙10,000枚分に相当します。
1. ファイルメーターの算出方法
ファイルメーターは、次の計算式で算出できます。
幅800mm × 奥行400mm × 高さ1850mm の5段キャビネットの場合幅800mm × 5段 = 4000mm = 4fm |
幅800mmの5段キャビネットでは、最大4ファイルメーター(コピー用紙40,000枚分)の書類が収納できます。ただし、バインダーや書類ケースを使用すると、収納枚数は少なくなります。
A4サイズの書類を縦置きで並べて収納する際は、キャビネットの奥行きを考える必要はありません。棚板1枚あたりの耐荷重も確認しながら、オフィスの雰囲気に合うキャビネットや収納庫を選びましょう。
2. 【業種別】1人あたりのファイルメーター
一般企業では、1人あたりのファイルメーターは2.5〜3.0ファイルメーターが平均となります。業種別での目安は、次のとおりです。
製造業 | 2.7fm |
卸売業 | 2.8fm |
小売業・サービス業 | 2.2fm |
官公庁・組合等 | 2.5fm |
近年はペーパーレス化で書類量が減少傾向にあります。製造業や官公庁でもファックスや紙文書の見直しが進んでおり、業種別の差はほとんどありません。
書類の削減・管理にファイルメーターを活用する方法
書類の削減・管理にファイルメーターを活用する方法としては、次の6つがあります。
- 現状の書類量を把握して削減目標・書類量の上限を決める
- 書類の削減ルールを決める
- 書類の保管ルールを決める
- 電子化ルールを決める
- 書類を仕分けて不要な書類を廃棄する
- 社内に各ルールを徹底する
それぞれ詳しくみていきましょう。
1. 現状の書類量を把握して削減目標・書類量の上限を決める
ファイルメーターは、現状の書類量を把握するのに役立ちます。オフィス内に保管されている書類量を知りたいときは、キャビネットや収納庫の個数やサイズからファイルメーターが算出が可能。
ファイルメーターを用いることで、削減目標や書類量の上限が効率的に決められます。「どの程度まで削減するのか」という目標を数値化できれば、進捗の管理も容易になるでしょう。
たとえば、25人が在籍する営業部で50ファイルメーターの書類を保管していたとします。書類量を半減させたいのであれば、「営業職1人あたり2ファイルメーターから1ファイルメーターに削減する」という目標を立てることで、具体的な行動に移しやすくなります。
2. 書類の削減ルールを決める
「気が付くとキャビネットや収納庫から書類が溢れている」といったケースでは、書類の削減ルールを決めることで改善が見込めます。
下記に、廃棄ルールの一例を紹介します。
- 重複している書類は1部のみ残して廃棄する
- 目的を果たした書類は廃棄する
- 保管期間を過ぎた書類は処分した日付を記録したうえで廃棄する
複数人が個人キャビネットなどで保管している書類は、共有部で一元管理することで書類量が削減できます。目的を果たした書類としては、回覧済みパンフレットや情報が古くなったマニュアルなどが挙げられます。
特定個人情報を含む機密文書は、廃棄した記録を残しておくことも大切です。四半期に1回など、廃棄の頻度もルール化しておくと書類が溜まってしまうのを防げるでしょう。
3. 書類の保管ルールを決める
管理の手間を省くためには、書類の保管ルールを決めることも重要です。
下記に、保管ルールの一例を紹介します。
- 組織内で共有できる書類は、個人の机ではなく部門のキャビネットで保管する
- オフィスで管理する書類は、ファイル用品を統一したうえで背表紙をつけて保管する
- 保存が義務付けられていて閲覧頻度が低い書類は、倉庫にまとめて保管する
書類の保管は、オフィス内だけでなく外部の倉庫でも可能です。オフィス内の保管では、「定位置を決める」「使ったあとはすぐ戻す」「カテゴリ分けして背表紙をつける」などのルールを定めます。
外部倉庫を利用する場合、保管台帳の作成や移管するときのルールを決めておくと管理がしやすくなります。保管一覧表を作成し、保存期間を明記することで最適なタイミングで廃棄できるでしょう。
3-1. 書類の保管期間の決め方
保管する書類は、法律で保管期間が定められている書類と、社内で保管期間を決める書類に分けられます。法律で保管期間が定められている書類例は、次のとおりです。
保存期間 | 文書名 | 起算日 | 根拠 |
1年 | 臨時報告書、自己株券買付状況報告書およびそれらの訂正報告書の写し | 提出日 | 金融商品取引法25 |
5年 | 産業廃棄物処理の委託契約書 | 契約終了日 | 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則8の4の3 |
10年 | 株主総会議事録 | 株主総会の日 | 会社法318 |
永久 | 定款 | – | 会社法31 |
ただし、これらの期間は最低限度を定めたものになるため、業務内容や経営方針と照らし合わせながら、期間を延長する必要があるかを検討しましょう。
4. 電子化ルールを決める
基本的には、電子化することで1人あたりの書類量を大幅に削減できます。ただし、紙での保存が義務付けられている書類や、電子化すると業務効率が著しく低下するマニュアルなどは、紙媒体で保管する必要があります。
電子化の際も、基準やルールを決めることが大切です。保管するだけでなく、検索性を確保しなければならないため、外部に委託するかも含めて検討していきましょう。
5. 書類を仕分けて不要な書類を廃棄する
書類の削減ルール・保管ルール・電子化ルールが決まったら、既存の書類をカテゴリごとに仕分けします。主なカテゴリは、次の4つです。
- 廃棄する
- 電子化する
- 紙文書としてオフィス内で保管する
- 紙文書としてオフィス外で保管する
書類が多いほど、仕分けるのに時間がかかります。「いつまでにどの程度の書類を削減するのか」といった目標を立てて、計画的に進めて行きましょう。廃棄後は、ファイルメーターを集計して達成度を社内に通知すると、従業員の意識づけにもつながります。
6. 社内に各ルールを徹底する
ルールは決めるだけでなく、現場で正しく運用されることが重要です。緻密なルールを策定しても、守られなければ結局書類が溢れることになります。社内でルールを徹底するためには、2つの方法があります。
1つ目は、書類管理の担当者を決めることです。担当者を決めることで、責任の所在が明確になり、現場への周知もスムーズに行えます。2つ目は、見回りチェックや違反の共有です。定期的に運用をチェックし、具体的な違反事例を社内で共有することで、書類管理に関する意識を高めることができます。
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オフィスの書類管理では、ファイルメーターという単位を活用することで、具体的な削減目標が立てやすくなります。不要な書類を廃棄し、オフィススペースの有効活用を目指しましょう。
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