立った状態で使えるハイカウンター。主にエントランスの受付で目にしますが、実はさまざまなエリアで活用しやすく、導入することで快適なオフィス空間を実現できる可能性があります。
しかし、「受付以外の活用シーンが思いつかない」「具体的なメリットがわからない」と、ためらう企業ご担当者もいるでしょう。本記事では、オフィスにハイカウンターを設置するメリットや活躍するシーンを紹介します。
目次
ハイカウンターとは?
ハイカウンターとは訪問者と受付が立って対面するカウンターで、主にオフィスエントランスや銀行の受付、店舗のレジカウンターなどに活用されている製品。素材や収納スペースの有無など製品によって特徴が異なります。
1.ローカウンターの違い
ローカウンターとは座ったまま使用できる背の低いカウンターです。高さは700mm程度が定番で、着座で使用するため収納機能がないものが一般的。。
スピード感重視の業務に適したハイカウンターとは対照的に、ローカウンターは時間を要する業務に適しています。
主に銀行や官公庁などの窓口に採用されており、銀行では新規口座開設や運用相談などはローカウンター、預金の入出金や両替業務などはハイカウンターを使用するのが一般的です。
2.ハイカウンターのサイズ
ハイカウンターのサイズは、天板の高さ950mm〜1000mm程度・奥行き420mm〜520mm程度が一般的です。オフィスデスクの定番サイズである高さ700mm・奥行き600〜700mmと比較すると、高さが300mmほど高く設定されています。
目線が同じ高さになるためコミュニケーションが取りやすく、威圧的な印象を与えることもありません。訪問者が書類の記入や資料の受け渡しがしやすいよう奥行きは浅めです。
3.ハイカウンターのタイプ
ハイカウンターのタイプは、大きく3種類に分けられます。
収納機能付きハイカウンター | ・収納機能には、中棚付き・可動棚付き・書庫タイプ・扉のないオープン書庫タイプなどがある・無人受付カウンター向いている |
コーナーハイカウンター | ・2台のハイカウンターをL字型に連結することも可能・スペースを分けられるため、受付内容が異なる場合に向いている |
インフォメーションタイプ | ・内側に座って作業できるデスクが付属している・オフィスビルのロビーなどインフォメーションカウンターに向いている |
業務内容と目的に合わせて選びましょう。
4.カウンター席に使われている素材
カウンター席に使われている素材は、以下の3つが主流です。
- 木材
- メラミン樹脂
- 大理石
素材が持つ風合いや温度感によって与える印象が変わるため、利用シーンや自社の特徴を考慮して選びましょう。ここでは、各素材の特徴を詳しく解説します。
4-1.木材
木材のナチュラルな風合いは温かみを感じさせ、リラックス感を演出できます。一方、色合いや木目の模様で印象が変わるため、さまざまなコンセプトで使用可能です。
木材の種類は主に3つあります。
- 天然木化粧合板
- 集成材
- 無垢材
天然木化粧合板は比較的安価で木目が美しいというメリットがあるものの、表面が傷ついたときにメンテナンスしにくいというリスクがあります。集成材は反りが出にくいのが特徴ですが、耐用年数は短めです。無垢材は高価ですが木の風合いをしっかり感じられます。
4-2.メラミン樹脂
メラミン樹脂は樹脂を浸透させた紙を何層も重ねた薄い板のことで、カウンターの天板表面に貼る化粧材として使用されます。木目柄や石目柄など多彩な柄に対応していて、カラーバリエーションも豊富です。
表面に塗装仕上げが施されている集成材や無垢材のように塗装膜が剥がれる心配がありません。変色や経年劣化も少なく比較的きれいな状態を保てます。ただし、人工物のため自然な素材感を求める方にはあまり向きません。
4-3.大理石
大理石とは、独特な模様と光沢が特徴の石灰岩です。天然石ならではの重厚感や高級感溢れる素材なので、ハイクラスな空間を演出することが可能です。
一方で、天然石のため為替レートや仕入れる国の状況次第では、さらに高額になる懸念があります。また、重いのでハイカウンターの導入時に人手と費用がかさむ可能性があるでしょう。
オフィスにハイカウンターを設置するメリット
オフィスにハイカウンターを設置するメリットは、訪問者の対応がスピーディに行えることです。情報提供や資料の受け渡しといった訪問者の要望に、スピード感を持って柔軟かつ効率的に対応できます。
また、オフィスのハイカウンターは奥行きが浅く、訪問者と受付スタッフの距離が近いため円滑なコミュニケーションが可能です。目線を同じ高さに合わせやすく、訪問者に好印象を与える効果も期待できるでしょう。
オフィスでのハイカウンターの活用シーン
オフィスでハイカウンターを活用できるのは受付だけではありません。例えば、以下のシーンでも活躍します。
- エントランス・受付
- オフィスラウンジ
- オフィスカフェ
- リフレッシュスペース
それぞれのシーンに適したハイカウンターの特徴とともに、設置すると得られるメリット・効果をまとめました。
1.エントランス・受付
オフィスでハイカウンターが活躍するシーンといえば、エントランス・受付です。訪問者の多様な問い合わせにスピーディに対応できるよう、各資料や受付用紙を準備しやすい収納付きを選びましょう。
人の出入りが多い場所へ設置する際は、鍵付きの収納を選ぶとセキュリティの安全性が高まります。また、電話対応や事務作業もあるため配線孔の有無や耐久性も考慮しましょう。
無人受付の場合は、コーナータイプのような場所を取らないハイカウンターが向いています。内線用の電話機や無人受付システムを設置できる程度のスペースを確保しましょう。
2.オフィスラウンジ
オフィスラウンジとは、従業員のリフレッシュとコミュニケーションを目的とした空間です。1on1やソロワーク、ランチなど用途は多岐に渡ります。そのため、オフィスラウンジには快適性を重視したハイカウンターがおすすめです。
温かみのある木材を採用してリラックス感を高めたり、模様の入った天板で遊び心を取り入れたりと、おしゃれな雰囲気を演出することもポイントです。
また、コミュニケーションの促進として、誰でもフランクに立ち寄れたり、スタンディングミーティングにも活用できるように、広めのハイカウンターを設置しましょう。
3.オフィスカフェ
オフィスカフェとは、ソロワークやランチで使えるカフェのような空間です。ハイカウンターは気軽に利用しやすく、部署の垣根を越えた交流の機会を生み出すため、社内の活性化や従業員のモチベーションアップが期待できます。
なお、心地よいコミュニケーションには適度な距離が必要です。そのため、オフィスカフェのハイカウンターの幅は、受付のハイカウンターよりも広い45cm程度を確保しましょう。十分な幅があれば作業にも支障をきたしません。
I字カウンターはソロワークの集中力向上に、L字カウンターは交流の促進に効果的です。
4.リフレッシュスペース
リフレッシュスペースとは、作業の合間の気分転換と交流の活性化を目的とした空間です。リフレッシュスペースには、ナチュラルカラーのハイカウンターを採用してリラックス効果を高めましょう。また、配線孔があるものを選べば、フリーアドレスやソロワーク用の席としても活用しやすくなります。
リフレッシュスペースをよりフレキシブルな空間にするには、チームミーティングやソロワークなど状況に応じて配置を変えられるようにキャスター付きがおすすめです。折り畳み式であれば狭いリフレッシュスペースでも取り入れやすくなります。
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ハイカウンターはオフィス空間における多様なシーンで活用可能で、作業効率の向上やコミュニケーションの促進など多くのメリットをもたらします。しかし、自社に合わない製品を選んでしまうと満足のいく効果は期待できません。
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