クライアントの機密情報を扱う法律事務所。レイアウト変更を検討する際は作業効率や快適性に加えて、より高いプライバシー性を考慮するなど、一般的なオフィスデザインに加えて注意すべきポイントがあります。
本記事では、法律事務所のレイアウト変更を考えている企業のご担当者様へ向けて、法律事務所におすすめのレイアウトとデザインのポイントをまとめました。レイアウト変更の際に必要な要素も解説しているので、スムーズなオフィス構築にお役立てください。
目次
法律事務所の執務室におすすめのレイアウト
法律事務所の執務室におすすめのレイアウトは以下の2つです。
- 対向式
- ブース式
それぞれの理由を解説します。
1.対向式
対向式レイアウトとはデスクを対面に配置するレイアウトで、一般的なオフィスでも広く採用されています。コミュニケーションが取りやすいため、電話対応や書類作成など業務サポートを行う一般事務スタッフや、弁護士のスケジュール管理を行う秘書のデスクレイアウトに特におすすめです。
なお、膨大な資料を扱う弁護士やパラリーガル(弁護士補助職)のデスクには、L字型を採用しましょう。案件の対応に必要な書類や資料検索用のデュアルディスプレイを置くスペースを設けることで、整理整頓がしやすくなり業務効率の向上が期待できます。
2.ブース式
ブース式レイアウトとは、間仕切りを設置して半個室の空間を作るデスクレイアウトです。業務に集中しやすくなる他、外部の視線を遮ることでクライアントのプライバシーを守る役割も果たします。機密情報を扱う法律事務所では積極的に導入したいレイアウトといえるでしょう。
可動式のパーテーションを使用すれば、案件に応じてワークスペースをフレキシブルに変更することも可能です。ただし、ブース式レイアウトはソロワーク向けでコミュニケーションが取りづらいため、オープンスペースや休憩スペースを設置するなどの対策を行いましょう。
法律事務所のレイアウトで重要な2つの要素
法律事務所のレイアウトで重要な2つの要素は以下の通りです。
- 情報セキュリティ
- プライバシー保護
リスクを回避するために必ず意識しましょう。
1.情報セキュリティ
法律事務所は毎日のように機密情報を扱うからこそ、情報を漏洩・紛失・毀損しない環境作りが必須です。
情報セキュリティとは情報の扱い方や保管方法に関する対策で、「機密性」「完全性」「可用性」の3要素を保たなければいけません。
情報セキュリティが万全でないと、3要素を脅かす以下のようなトラブルが発生します。
- パスワードの漏えい
- 従業員などによる情報の持ち出し
- サイバー攻撃
このように情報セキュリティの事故は、デジタルだけでなく人的でアナログな原因も少なくありません。不正アクセスや盗聴などのサイバー攻撃に遭うと一瞬で信頼性を損なう可能性もあるでしょう。
そのため、法律事務所のレイアウト変更時は、情報セキュリティの3要素が脅かされないようにサイバーセキュリティの強化が重要です。
2.プライバシー保護
法律事務所に訪れるクライアントは、深刻な悩みや高いストレスを抱えている傾向があります。
そのため、周囲の目を気にせず話せるように、クライアントのプライバシーを保護する空間を作ることがレイアウトの重要な要素です。クライアントがオフィス内を移動している際に、アポイントと関係のない従業員や弁護士、他のクライアントと鉢合わせしない導線を考慮して心理的安全性を高めましょう。
また、所属する先生に働きやすい環境を提供するためにも、弁護士側のプライバシー保護も忘れてはいけません。
【エリア別】法律事務所のレイアウトポイント
以下の5つのエリア別に、法律事務所のレイアウトを考えるうえで重要なポイントを解説します。
- エントランス
- 執務室
- 会議室・応接室・相談室
- 書庫
- リフレッシュスペース
要点を知って快適な環境を実現しましょう。
1.エントランス
法律事務所のエントランスには、クライアントへ安心感を与える役割があります。視覚的・物理的効果を利用して、いかにクライアントの緊張と不安を緩和できるかがポイントです。
レイアウトのポイントには以下があります。
- 明るすぎず暗すぎない照明
- ペールトーンの壁紙
- 監視カメラの設置
- 入退室管理システムの導入
法律事務所の場合、開放的で明るすぎるエントランスは威厳性を低下させて不信感を与える恐れがあるため、メリハリが重要です。家具は重厚感のあるカラーを選択し、空間面積の大部分を占める壁紙や床にはペールトーンを取り入れて温かみを加えましょう。重厚感がある家具はダークカラーなものが多く、壁紙や床まで暗い色を使ってしまうと室内全体が暗い印象になってしまうことがあります。
そのほか、プライバシーを保護するセキュリティ対策も、クライアントへ大きな安心感を与える要因です。
2.執務室
法律事務所はプライバシーに関する情報を扱うため、執務室のレイアウトでは廊下から卓上が見えないような工夫が必要です。弁護士と事務スタッフのそれぞれの業務に合ったワークスペースの提供を心がけましょう。
弁護士のワークスペースは、広さと重厚感がポイントです。余裕をもって資料が置けるよう、最低でも幅が1200mm以上あるデスクを採用しましょう。本革チェアや木目調のデスクを選んで格調高い空間を演出するのもおすすめです。
事務スタッフのワークスペースはコミュニケーションの取りやすさを意識しましょう。弁護士や他のスタッフと連携しやすいデスク配置は作業効率の向上が見込めます。デスクのサイズは幅1000mm程度が一般的です。
3.会議室・応接室・相談室
法律事務所のレイアウト変更時に、会議室、応接室、相談室を別に設けるケースも少なくありません。空間を分けることで、業務効率化と顧客満足度向上が見込めます。
会議室は社内ミーティングを行うスペースです。ホワイトボードやスクリーンを設置する他、弁護士同士の会議でも使用するため重厚感のある家具を選びましょう。
応接室は複数名のクライアント対応で使用します。例えば、企業法務では法務担当者に加えて経営陣が来社するケースもあるので、6〜8名用の会議テーブルを設けましょう。
相談室はクライアントの相談を受ける際に使うスペース。プライバシー保護のため個室が基本で、他人との接触を避ける動線設計や防音対策も必要です。
4.書庫
法律事務所では、膨大な書籍やファイルを収納するための書庫が欠かせません。圧迫感が出やすい書庫は壁沿いに配置するレイアウトが一般的です。窓際に置いてしまうとオフィスが暗くなるだけでなく、資料が色褪せる原因にもなりかねないため注意しましょう。
書庫を選ぶポイントは以下の通りです。
- 移動しやすい可動式
- 省スペースな引き戸
- 書籍を探しやすいガラス扉
- 情報漏洩を防ぐ鍵付き扉
資料や設置場所に応じた書庫選びが重要です。間仕切りにもなる可動式や省スペースな引き戸は、空間を有効活用できるとあり利用しやすいでしょう。
ガラス扉は書籍やファイルを探しやすく業務効率化につながります。背の高い本棚には転倒防止バーを取り付けましょう。
5.リフレッシュスペース
法律事務所では常にセンシティブな情報を扱っているため、リフレッシュスペースを設置することでストレス緩和に役立ちます。
法律事務所は全体的にフォーマルな雰囲気が強いので、リフレッシュスペースでは温かみと開放感のあるレイアウトを取り入れましょう。
座り心地の良いソファや暖色のインテリア、光が差し込む大きな窓などの設置が有効的です。その他、来客対応を考慮して冷蔵庫やコーヒーマシンの設置場所を検討しましょう。
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