「人と人」が作り出す ものづくりの祭典 ~2023 飛騨の家具®フェスティバルレポート~

日本有数の家具産地として知られる飛騨高山で開催される「飛騨の家具®フェスティバル」。

73回目の開催を迎える今年のコンセプトは「人がつくる ~人がつくり、人をつくり、人とある~」です。

そのコンセプトどおり、今回のイベントでは、企業の垣根を超えた人と人とのコラボレーションによって生み出された商品が多く紹介され、企業だけではなく飛騨地域で活躍する作家さんたちも出店し、自慢のクラフトを展示・販売していました。

本記事では、現地取材を通して感じた飛騨の魅力や、各メーカーのブースをご紹介!

国産家具や、家具産地の最新トレンドが気になる方は、ぜひご覧ください。

飛騨の家具フェスティバルとは?

「飛騨の家具®フェスティバル」は、飛騨木工連合会が主催する、飛騨の家具や工芸品のブランド力を披露する展示会です。
今年は、10月21日~25日の5日間にわたって開催され、多くの来場者で賑わいました。

建築家やデザイナー、バイヤーなど業界のプロはもちろん、一般の方でも気軽に参加できます。

また、家具の展示だけではなく、飛騨の家具ブランドの勉強会や飛騨ゆかりのゲストを迎えて行うトークショー、出展者・来場者の交流ができるふれあいパーティなど、イベントも盛りだくさん。
本イベントに参加することで、飛騨の家具にまつわる様々な発見や多くの出会いが生まれることでしょう。

ソーシャルインテリア注目の展示ブースを紹介!

早速、イベント出展企業のなかから、印象的だったブースや商品をご紹介していきます。
オフィスや公共施設にもマッチするプロダクトもPick upしているので、ぜひチェックしてください!

日進木工

提供:飛騨木工連合会

創業78年、飛騨の代表的なメーカー「日進木工」は、新商品を中心としたブースを展開。
あえてスペースに余裕を持たせることで、落ち着いた空間を演出していました。

創業当初に製作していたというスコップの柄を、現在の日進木工の優れた技術で蘇らせた「SCOP(スコップ)」シリーズの家具は、特徴的かつ美しいフォルムが魅力。

和テイストのホテルや、旅館にもマッチするデザインです。

シラカワ

提供:飛騨木工連合会

日本の歴史文化の中で育まれた「100年モダン」がコンセプトのシラカワは、木材を基調にしたオフィスをイメージしたブースを展開していました。

展示されていたシリーズ「Creative Lounge」シリーズのテーブルは、ユニットタイプなので組み合わせが自由自在。使う人数やシーンにあわせてフレキシブルに設置することができます。

近年一般的になってきているフリーアドレスやABWを取り入れているオフィスにもぴったりの商品ですね。

飛騨産業

提供:飛騨木工連合会

創業100年を超える老舗家具メーカーの「飛騨産業」は、往年の人気商品「SEOTO-EX」シリーズなど「人がつくる」のテーマに合わせて展示。

その他にも、パナソニック独自の木質エイジング技術を活用した家具や、100%天然・無添加のエッセンシャルオイルなど、材料を無駄にせず、持続可能なものづくりの精神を体現したブースが魅力的でした。

また、飛騨職人学舎による実演会もブース内で行われており、家具製作の現場をより身近に感じられる飛騨産業ならではのアプローチが印象的です。

オークヴィレッジ

提供:飛騨木工連合会

今年で創立50周年を迎える「オークヴィレッジ」。国産材にこだわり、木の生長サイクルを考えて適切に用いることで「持続可能な循環型社会の実現」を目標に掲げています。

今回の展示では企業の半世紀にわたる歴史を振り返る年表が設置され、その長い歴史のなかで生まれた自慢の商品とともに展開。

ブースの奥には、家具だけでなく木造建築の設計や提案も可能なオークヴィレッジならではの木工技術を生かした木組みのテントまで展示されていました。

MOARE(柿下木材工業所)

提供:飛騨木工連合会

オーダーメイドによる木材部材製作やパーツ製作を得意とする、柿下木材工業所が展開する木製照明「MOARE」。人気のウォールナットを中心とした天然木無垢材100%の照明器具が魅力です。

木材以外にも陶器、磁器、漆などの伝統工芸をマテリアルとして使用した美しい商品がたくさん。和モダンテイストにマッチする商品が多く、現代のホテル・旅館と相性の良い照明が多く展示されていました。

和紙をラミネートし耐久性を強化した「ワーロンシート」を使った「折々」シリーズの照明は、素材の美しさを活かしつつ丈夫で燃えにくいので、不特定多数が使うパブリックなスペースにも、安心して採用できます。

柏木工

提供:飛騨木工連合会

創業80周年という節目の年を迎えた柏木工は、ナッツの殻や動物が開けたとされる穴などがある木材をあえて使い、木本来の美しさを全面に押し出したシリーズ(※次期新商品)を、そのコンセプトとともに提案。

従来は家具には不適とされていた節や独特な木目を、無垢材ならではの美しさとして消費者に伝える意図があるそうです。

ウォールナットベースの落ち着いた空間はもちろん、無骨なインダストリアルテイストにもマッチします。オフィスの家具に個性を出したい方や、環境に配慮した商品を探している方にぴったりの商品といえるでしょう。

雉子舎(きじや)

提供:飛騨木工連合会

木そのものが持つ個性や風合いを最大限に生かした家具を製作している「雉子舎」。

同社は無垢材の魅力を新しい視点から引き出すため、「音羽俊幸 木質三次曲面研究所」を2010年に設立。ブースには研究所で開発された三次曲面のデザインを使用した美しい家具やクラフト製品が、展示されていました。

家具だけでなく、苔やブリザードフラワーと組み合わせたオブジェも魅力的です。これらのアイテムは、旅館やホテルに採用してもアクセントとなり、空間をより素敵に演出するでしょう。

Gifu Select

提供:飛騨木工連合会

岐阜県内の企業が作る、「Gifu Select」のブースは、地域・産地・業種の枠組みを超え、優れた家具・雑貨・生活関連用品をセレクトし、暮らしを豊かにするライフスタイルを提案しています。

空間デザイナー・建築家の平本知樹氏が監修を務めるブースは、実際にその場にいない人にも魅力が伝わるように、写真に写したときに奥行き感・立体感が伝わるような設計になっていました。

以下で、Gifu Select参加企業の中から、3社のブースをご紹介いたします!

杉山製作所

提供:飛騨木工連合会

鉄へのこだわりを持ったモノづくりをしている「杉山製作所」は、適度な重厚感がありながら美しい曲線を表現できる”無垢鉄”を使ったリビングセットセットを提案していました。

ヴィンテージやインダストリアルテイストを基調としたオフィス空間に、ぴったりの商品です。

移動しやすく、比較的気軽に採用できる1Pタイプがあるのもうれしいポイントですね。

カネコ小兵製陶所

提供:飛騨木工連合会

大正10年に焼物の生産を始め、100年以上の歴史を持つ「カネコ小兵製陶所」。
美濃焼の伝統には敬意を払いながらも、決して常識にはとらわれないものづくりに取り組み、現代にマッチする商品を生み出しています。

漆塗りのような奥行きのある上品さと透明感を併せ持った”ぎやまん陶”や、食洗機や電子レンジも使える上に、どのようなテイストにもフィットする磁器の食器”リンカ”を中心に展示。

壁に映る影さえも美しいブースに仕上がっていました。

志津刃物製作所

提供:飛騨木工連合会

刃物の町、岐阜県関市で包丁を中心とした道具を製造販売している「志津刃物製作所」。
今回は家具の展示会ということもあり、インテリアとの相性が考えられているデザインの商品が多く並んでいました。

リビングやダイニングの空間で使っても遜色ない美しいデザインの商品は、さまざまなシーンで活躍しそうですね。

会場外でも飛騨の魅力を感じられる!ショールームで開催されるワークショップ

「飛騨の家具®フェスティバル」を体感できるのは、メイン会場(飛騨・世界生活文化センター)だけではありません。

より家具製作に近い現場である各企業のショールームや工場で多くの商品を見ることができたり、家具産地ならではのワークショップ体験をしたりすることもできます。

ソーシャルインテリアは今回、オークヴィレッジのワークショップに参加させていただきました。

今回参加させていただいたワークショップは、オークヴィレッジの関連会社が製造しているアロマブランド”yuica”の蒸留体験。ショールーム近くの森で香りが強い樹木を採取し、細かく刻んだ枝葉を蒸留するところまでの作業を実際に体験できます。

一通りの製造工程を体験することで、実際にオイルを作る大変さを理解できたのと同時に、本当に天然の材料だけで製造していることを改めて実感できました。

まとめ

提供:飛騨木工連合会

飛騨の家具®フェスティバルは、家具や地域にちなんだ工芸品・食器など、ジャンルやカテゴリにとらわれない飛騨の文化を感じることができる魅力的なイベントでした。

ソーシャルインテリアでは飛騨の家具®フェスティバルを含む、全国各地のインテリアにまつわる情報や、最新トレンド・商品情報を収集・発信しています。

記事で紹介した家具の提案も行っていますので、今回の記事で紹介した製品を自社のオフィスに導入したいとお考えの方や、SDGs・地産地消の取り組みに積極的な企業様は、ぜひお問い合わせください。