オフィスの防音性を高める方法は?音漏れが発生する理由も解説

オフィス環境における音漏れや騒音トラブルは、職場でよく見られる課題の一つです。特に、Web会議が盛んな昨今、オフィスの防音対策は社内の円滑なコミュニケーションや、効率的な業務の遂行のために欠かせないテーマとなっています。

この記事では、オフィスの音漏れの原因と、具体的な防音対策について解説します。オフィスの防音性を高め、快適で生産的な職場環境を実現する方法について探っていきましょう。

オフィスの音漏れの原因とは?

オフィスでの音漏れは、その原因によってさまざまな形で現れます。ここでは、オフィスで音漏れが発生する4つの主な原因と、それぞれの現象の違いについて詳しく解説します。原因を知って、オフィスの防音対策につなげましょう。

隙間から音が通過する

オフィス内には、ドアや窓、壁などに微細な隙間が存在します。これらの隙間から、外部の音が内部に侵入したり、内部の音が外部に漏れたりします。特に、以下のような場所は、隙間ができやすくなっています。

  • ドアの下部
  • ドアの周り
  • 窓の縁
  • 壁の隅や接合部
  • 天井裏
  • OAフロアの床下
  • 空調設備、換気扇

このような隙間からの音漏れは、「音の通過」と呼ばれ、オフィス内での音漏れの主要な原因となっています。

音が振動で伝播する

通常、音は空気を通じて伝播しますが、振動によって物体を介して伝わることもあります。特に伝播しやすい場所は、建物の天井、壁、床などです。これは「音の伝播」と呼ばれる現象で、音波の振動が建物の構造を伝わり、別の場所で再び音として聞こえるものです。

オフィス内で音が伝播しやすい行動は、椅子を引く音や机の上で物を移動させる音、足音などが該当。振動による音漏れは、特に多人数が集まる会議室などで発生します。

音が透過する

一部の物体や材料は、音を通しやすい性質を持っています。これにより、音が物質を貫通し、別の部屋に騒音が広がることがあります。これは「音の透過」と呼ばれる現象です。

また、遮音性能を表すために用いる「透過損失」という数値があります。透過損失は大きいほど遮音性能が高いとされ、コンクリートは透過損失が防音効果が高く防音効果が期待できます。、一方で、木材はやや透過損失が低いため、コンクリートよりも防音効果が劣る低い材料です。

音が反響(反射)する

「音の反響」とは、音波が壁や天井などの表面に当たって反射し、再び聞こえる現象を指します。オフィス内で音が反響すると、ハウリングを引き起こす可能性があります。

ハウリングは、音響機器やマイクロフォンからの音をマイクが拾い、スピーカーからループして繰り返される現象です。Web会議で同じ部屋にいる複数名がマイクをオンにしていた場合などに発生します。オフィス環境でのハウリングは会議の円滑な進行の妨げとなり、適切な対策が必要です。

オフィスで防音対策が必要な場所

オフィス内で防音対策が特に必要な場所は、会議室、応接室、社長・役員室などがあげられます。これらの場所では、音漏れが他の場所よりも大きな問題となる可能性が高いため、注意が必要です。

会議室・ミーティングスペース

会議室やミーティングスペースは、チーム内の打合せやプロジェクトのディスカッションが行われる場所です。ここでの音漏れは、会議の円滑な進行を妨げるだけでなく、機密性の高い情報が外部に漏れるリスクも考えられます。対面会議はもちろん、Web会議を実施するスペースも含めて、防音対策をしっかりと取り入れましょう。

応接室

応接室は、外部からの来客を迎える場所であり、顧客、求職者、協業会社などが訪れます。訪れる方に快適な印象を与えるために、音漏れを最小限に抑えることが重要です。また、機密性の高い商談が行われる場合もあるため、情報漏洩のリスクを十分に考慮する必要があります。

社長室・役員室

社長室や役員室は、経営陣が執務に使用し、会社の経営方針など重要な意思決定を行う場所です。ここでの音漏れは、社外秘や個人情報、評価に関するセンシティブな会話が行われる可能性があるため、絶対に避けなければなりません。他のエリア以上に高度なセキュリティを備えた防音対策が必要です。

オフィスでできる防音対策例

では、ここからは実際にオフィスで取り入れられる防音対策の事例を紹介します。オフィスの防音対策は、快適な職場環境を作り、生産性を向上させるために非常に重要です。

音漏れする隙間を埋める

ドアや壁、窓などの隙間は音の通り道になるため、これらの隙間を埋めることで、音漏れを防ぐ必要があります。例えば、ドアの下に隙間シールやドアストッパーを取り付けたり、壁の隙間にシーリングテープを貼り付けて隙間を埋めたりする手法があります。また、壁や床の隙間に吹き付け断熱材を使用することも有効です。

業者に隙間を埋める工事を依頼する場合も、ドア自体を交換するよりも安価で行えるためおすすめです。

防音・吸音効果のある家具やパーテーションを利用する

オフィスの音漏れ対策として、防音・吸音効果のある家具やパーテーションを導入する方法は、音の反響を減少させるため有効です。より防音効果が高い天井までのパーテーションや、設置・撤去が容易な置き型のパーテーションなど、さまざまな種類があります。

また、デスクの上に置けるフェルトボードなど、小さな防音アクセサリーも利用できます。特にWeb会議の場合、自身のパソコン周辺を防音することで、簡易的に音の管理を行うことが可能です。

二重窓にする

二重窓は、外部の音を遮断する手段として非常に有効です。遮熱性や断熱性とともに、遮音効果も向上。二つの窓の間にできる空気の層が音を反射させ、隣の部屋への音の伝達を抑制します。

特に、道路沿いや鉄道路線近くのオフィスなど、外部の騒音が気になる場所では、二重窓は防音対策としておすすめ。ただし、窓の加工は通常、ビルオーナーによる負担と発注が必要な工事なので、入居する前に確認が必須といえるでしょう。

防音カーテン・吸音パネルを取り付ける

防音カーテンと吸音パネルは、オフィス内の音響環境を改善するための便利なアイテム。防音カーテンは、会議室やミーティングスペースの入口に設置することで、手軽に防音対策を講じられます。また、オープンスペース内でのWeb会議にも適しています。

吸音パネルは、壁やスチール製のパーテーションに貼り付けることが一般的です。マグネット式の吸音パネルは、ワンタッチで貼り付けられるため、オフィスのレイアウト変更が容易になります。

集中ブースを設置する

既に防音対策が施された集中ブースを導入する方法も効果的です。集中ブースは、個人が集中作業を行ったり、Web会議を行ったりするための場所として活用できます。既存のオフィスの一部に追加することで、オープンスペースの一角に静かな作業空間を設けることが可能です。

さらに、複数名で利用できる集中ブースも販売されています。自社のニーズに合わせて、最適な集中ブースを導入し、従業員の生産性を向上させましょう。

サウンドマスキングを活用する

サウンドマスキングは、会話などが発生する空間に他の音を流すことで、周囲の騒音を覆い隠す仕組みです。大手企業のオフィスではよく導入されている設備で、会話や機密情報の漏洩を防ぐ手段として活用されています。

音を完全に消すのではなく、会話を聞き取りにくくする防音対策である点が特徴です。マスキング音と呼ばれる特別な音を使用することで、具体的な会話内容が理解できないよう保護し、プライバシーが守られます。

防音対策を講じて快適なオフィス環境を整えよう

オフィスの防音対策は、重要な情報を保護し、従業員の快適な環境の確保につながります。この記事で紹介した方法を実践し、オフィス内の音漏れ問題を解決しましょう。

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