オフィスの引っ越しやリニューアルで机を新調する際には、事務所の広さはもちろん、社員数や作業内容といった条件を考慮して、適したものを選ぶ必要があります。

本記事では、オフィスの机の目安サイズや選び方のポイントを解説します。利用する社員が快適に過ごせるオフィスづくりのために、ぜひお役立てください。

※デスクサイズは「幅(W=Wide)」「奥行(D=Depth)」「高さ(H=Height)」の3辺の数値で表します。また、多くの場合、単位はmm(ミリメートル)が主流です。

幅(W)・奥行(D)・高さ(H)|各サイズの特徴まとめ表

オフィスで使う机のサイズについて、手っ取り早く知りたい方に向けて一覧表を作成しました。デスクの「幅(W)」「奥行(D)」「高さ(H)」それぞれの主なサイズについて、特徴とおすすめな利用シーンをまとめていますので、おおよその目安サイズを知るためにご活用ください。

デスクの幅(W)特徴おすすめの人
~1000mm(100cm)・コンパクトなサイズ感・ノートPCでの作業・営業職
1200mm(120cm)・スタンダードなデスクサイズ・デスクトップPCも置ける・PCと電話、文房具や書類を置いて作業できる・事務職
1400mm(140cm)・ややゆったりとしたサイズ感・PCと図面やファイルを広げて作業しやすい・両サイドに収納を設置できる・マルチディスプレイ設置・クリエイティブ職・事務職
1500mm(150cm)・社長や役員クラスのデスクタイプ・大型PCやモニターを複数台並べて使える・自宅オフィスにも最適・社長・役員クラス・クリエイティブ職
デスクの奥行(D)特徴おすすめの人
~600mm(60cm)・一般的なデスクより小さめ・コミュニケーションが取りやすい・ノートPC向け・営業職・ノートPC利用者
650mm(65cm)・ややゆとりがあるサイズ・コンパクトかつ作業性も高い・事務職・ノートPC利用者
700mm(70cm)・標準サイズ・PCを設置してゆとりが残る・机上に書類や書籍を立てて保管できる・事務職・デスクトップPC利用者・クリエイティブ職
750mm(75cm)・ノートPCやデスクトップPCと書類を併用できる・個人スペースを重視したい場合に最適・事務職・クリエイティブ職
800mm(80cm)・ブラウン管モニター時代の主流サイズ・ディスプレイをモニターアームなどで運用可・机上に書類や資料を保管できる・クリエイティブ職
デスクの高さ(H)特徴おすすめの人
~700mm(70cm)・1971年のJIS規格標準サイズ・旧式タイプで種類が限定的・720mmでは高いと感じる方
720mm(72cm)・一般的なオフィスデスクの高さ・日本人の平均身長に合っている・日本オフィス家具協会(JOIFA)推奨・多くの日本人
740mm(74cm)・海外メーカー製品や海外オフィスで主流・外資系企業やグローバル企業のオフィス

事務所の机のサイズの選び方

ここからは、事務所の机のサイズを選ぶポイントについて解説します。オフィスの机は、広さや社員数、作業内容といった条件を総合的に考慮し、無理なく設置できて社員が使いやすいものを選択することが大切です。オフィスのデスク選びで欠かせない2つのポイントについて詳しく見ていきましょう。

使う場所の広さ・社員数・必要台数

オフィスデスクのサイズを選ぶ上で、事務所の広さや利用する社員数を考慮する必要があります。スペースの広さや人数などの条件を踏まえて、レイアウトを先に検討しましょう。

フロア面積が狭い場合、コンパクトなデスクを選びます。広さに余裕があれば、デスク選びの選択肢が増えるでしょう。具体的なシミュレーションをしておくことで、実際のオフィスでの失敗を回避できます。

デスクを利用する社員の動作を考えて、椅子を引く分のスペースや通路などゆとりを持ってレイアウトすることが大切です。今後増員の予定がある場合は、増加分も含めて最低何台デスクが必要か、数値をはじき出しておくと良いでしょう。

作業内容

作業内容によって必要な道具が変わるため、適切なデスクサイズも異なります。例えば、事務職や経理担当など、机上にパソコンと書類を並べて作業する場合は、幅1,200mm(120cm)以上、奥行650〜700mm(65cm〜70cm)以上など余裕のあるサイズを選ぶ必要があります。また、日常的に使う資料を取り出しやすいよう、収納機能があると理想的です。

外出の多い営業職やノートパソコンのみを使う人の場合、幅1,000mm(100cm)・奥行600mm(60cm)程度のコンパクトサイズでも対応できます。デザインや映像編集などクリエイティブ職で、複数のモニターや図面など大きな資料を参照しながら作業する場合は、幅1,400mm〜1,500mm(140cm〜150cm)程度の大きなサイズが望ましいでしょう。

事務所の机を選ぶときの注意点

事務所の机を選ぶ際に、いくつか気をつけるべきポイントもあります。ここでは、事務所の机選びにおける注意点を5つ紹介します。デスク選びでの失敗を避けるために、事前に確認しておきましょう。

レイアウト変更のしやすさ

採用計画によって社員数が増えたときや、コロナでリモートを取り入れたときなど、オフィス内の環境を変えるにあたって、デスクレイアウトも再検討する必要が出てきます。

レイアウト変更の際にデスクサイズが大きいと動かしにくいため、支障が出る可能性があるので注意しましょう。増員の予定がある場合は、キャスター付きで小さめのデスクを選んでおくと、楽に移動できます。

また、デザイン性が高い特殊なタイプよりも、シンプルかつスタンダードなデスクの方が、さまざまな作業に柔軟に対応できて便利です。

フリーアドレスを取り入れる可能性はないか

フリーアドレス形式を取り入れる場合、幅広い職種や作業内容に対応できるデスクを選ぶ必要があります。「フリーアドレス」とは、社員が自席を持たず、業務や働き方に合わせて自由に席を選択できるオフィススタイルです。

多くの人が利用するオープンスペースでは、さまざまな業務で同じデスクを利用するため、汎用性の高さが求められます。引き出しや収納がなく、天板のみのシンプルな机が無難です。長机のように椅子を並べて複数人で共用できるデスクなら、さまざまな用途で活躍するでしょう。

作業時間は長いか

どのくらいの時間デスクを使うかも考える必要があります。外出の多い営業職や原則リモートワークの場合は、利用時間が短く、席での作業も比較的少ないため、コンパクトなデスクでも対応できる場合がほとんどです。逆に大きい机を買っても、そもそも使わないとなるとスペースが無駄になってしまうでしょう。

一方で、一日中席についてデスクワークを行う人のデスクサイズが合わないと、作業しにくくてストレスになる可能性があります。職種や部署の人数とそれぞれの仕事内容もおおまかに把握しておくと、デスク選びに役立ちます。

引っ越す可能性はないか

オフィス引っ越し(移転)の予定はないか、改めて確認しておいましょう。現在よりも狭い事務所へ引っ越す計画がある場合、新しいオフィスではサイズが大きすぎる可能性があります。逆に、今よりも引っ越し先が広いなら、一回り大きなデスクを選んでも良いでしょう。

移転先で買い直しする前に、オフィス家具のレンタルもおすすめです。必要なオフィス家具を利用期間だけレンタルでき、気に入ったものがあれば購入してそのまま使い続けることもできます。初期費用を抑えて新しいオフィスデスクを導入したい場合にも有用です。

実物は確認したか

事務所の机を新しくする際には、一度実物を確認することを推奨します。オンライン上の画像やサイズ説明を見て、実物を見ずに決めてしまうと、オフィスに合わない可能性も考えられます。

また、サイズを計っていても、実物は意外と大きく感じる、あるいは逆に小さすぎるといった場合もあります。可能であればメーカーのショールームや実店舗など展示されている場所へ足を運び、現物を確認しておきましょう。

オフィスデスクを10種類まとめて紹介!

オフィスデスクにはさまざまなスタイルがあり、適した目的やシーンが異なります。ここでは、オフィス机の代表的な10種類について、それぞれの特徴やおすすめの活用シーンを紹介します。事務所の机選びの参考にしてください。

平机(平デスク)

平机は、天板に脚が付いた最もシンプルなデスクです。すっきりとした印象で、収納や引き出しが付いていない分足元のスペースが広く、開放感があります。

引き出しワゴンやキャビネットを後付けするか、脇机を横に設置するといった方法で収納を設置できます。カスタマイズ性が高いため、オフィスのレイアウト変更でも移動しやすいでしょう。サイズ次第で、コンパクトなオフィスから広いスペースまで幅広い対応できます。フリーアドレスを含め、職種や作業内容によらずに使いやすいタイプです。

袖机(片袖・両袖)

袖机とは、平机に収納用の引き出しが付いているデスクのことで、右か左いずれかの片袖机と、左右両方に付いている両袖机があります。一般的なオフィスの固定席で使われることの多いタイプで、右利きが多いことから右側に収納のある片袖机が主流です。

書類や資料を日常的に扱う人事・総務や経理などの職種に向いています。また、個人の書類や用具を収納できるため、固定席のオフィスにおすすめです。

袖机(片袖・両袖)

袖机とは、平机に収納用の引き出しが付いているデスクのことで、右か左いずれかの片袖机と、左右両方に付いている両袖机があります。一般的なオフィスの固定席で使われることの多いタイプで、右利きが多いことから右側に収納のある片袖机が主流です。

書類や資料を日常的に扱う人事・総務や経理などの職種に向いています。個人の書類や用具を収納できるため、固定席のオフィスにおすすめです。施錠できる引き出しが付いているものはセキュリティ性が高く、社長室や役員用デスクにも使われます。

フリーアドレスデスク(ロングデスク)

フリーアドレスデスクは、複数人で共有できるデスクのことです。ロングデスクとも呼ばれており、椅子を並べて利用できる細長いものが一般的です。会議室に設置されることもあります。

空いている席を自由に使えるため、外出が多い営業職やテレワーク中心の職場に向いています。コンパクトなオフィスでも、フリーアドレスデスクの導入によりデスク数自体を減らせる場合があり、スペースの有効活用につながります。

L字デスク

L字デスクとは、名前の通り天板が直角に曲がったL字の形のデスクです。体の向きを変えるだけで、2つのスペースを効率良く使い分けられます。

モニターを複数設置する、パソコンと大き目の資料や図面を広げながら作業する、などIT系の職種やクリエイティブ職に適しています。また、収納スペースも多めに確保できるので、資料や用具が多い場合にもおすすめです。

ユニットデスク

ユニットデスクは、机と棚が独立していて、必要に応じて自由に組み合わせられるタイプのデスクです。広い作業スペースを確保でき、レイアウトの自由度が高いため、オフィス環境に合わせた使い方が可能です。

座った状態で棚に手を伸ばし、必要なものを取り出せるため、資料や書類を頻繁に使用する事務職などに向いています。

ラウンドデスク

ラウンドデスクは、椅子に対して弧を描くように天板がくぼんでいるタイプのデスクです。元は、パソコン作業時のマウス操作がしやすいように設計されたもので、肘の負担軽減といった効果が期待できます。

図面や資料を広げるなど、作業スペースを確保したい場合にも向いています。

折り畳みデスク

名前の通り、折りたためるタイプのデスクです。天板のみのシンプルで軽量、かつコンパクトなものが多く、設置スペースが限られていても使いやすいでしょう。

使用しないときは折りたたんで収納できるため、社員増員時に備えて完備しておくデスクとしても有用です。誰でも自由に使える作業スペースとしても使えます。

昇降型デスク

昇降型デスクは、天板の高さを調節できるアジャスター付きのデスクです。デスクの天板の高さを調整して、座る、立つなど、好きな姿勢で使うことができます。

さまざまな社員が使う臨時デスクの他、腰痛対策や立ちながら作業したい場合にもおすすめです。調整可能な高さについては事前に確認しておきましょう。

ローデスク

ローデスクとは、床に座って作業することを想定したデスクです。室内空間を広く見せる効果が期待できます。作業時はワークデスクとして、それ以外の時間は食卓など別の用途でも活用しやすい汎用性の高さも特徴です。

椅子を別途購入する必要がないので、家具費用を節約したい場合に向いています。和室にもなじみやすく、在宅勤務にもおすすめです。

個別ブース型デスク

個別ブース型デスクとは、サイドパネルなどで区切られているタイプのデスクやスペースを指します。感染症対策などで、透明なパネルを設置して個別ブースが並べられているオフィスも多く見られます。

話し声や物音をカットしやすく、周囲を気にせず集中して作業を行いたい場合やコールセンター業務などに有用です。

またおしゃれなデスクについてはこちらの記事で紹介しています。

 

テレワークにおすすめの机のサイズは?

テレワークに使うデスクは、自分の体に合わせて選ぶことを意識しましょう。特に長時間座って作業する仕事の場合、体への負担を抑えられるデスク環境を整えることが大切です。デスクチェアにはエルゴノミクス仕様など高機能タイプも多いので、椅子との相性が良く、座って使いやすいデスクの種類やサイズを検討しましょう。

スタンダードな幅1,000mm(100cm)×奥行700mm(70cm)程度なら、パソコンと書類、ドリンクなどを置いても余裕があります。注意点としては、搬入経路の確認です。組み立てられた状態で自宅に届く場合、玄関や部屋のドアを問題なく通れるか確認しておきましょう。

レイアウトから家具選びまでオフィス空間の構築を「ソーシャルインテリア」サポートします!

事務所のレイアウト変更やフリーアドレスの有無などによって、適したデスクのサイズや種類は異なります。最適なオフィスデスクを選ぶ際には、フロアの広さや社員数、業務内容といったさまざまな条件を総合的に考慮することが大切です。今回紹介した幅・奥行・高さの一覧表も参考にしながら、自社オフィスに最適なデスクを検討しましょう。

オフィスデスク選びに迷ったら、内装のプロであるソーシャルインテリアにご相談ください。ソーシャルインテリアでは、オフィス全体のコーディネイトや家具選定などご要望に合わせた提案が可能です。気になる家具を短期間だけ気軽に利用できるオフィス家具のレンタルサービスもご利用できますので、下記よりまずはお気軽にご相談ください。