テレワークや在宅勤務が浸透している中で、「自宅のダイニングチェアを使っていたら腰を痛めた」といった声も聞かれるようになりました。長時間座ったまま作業する人にとって、快適に仕事ができるオフィスチェアは必須アイテムです。中でも、高機能かつ高価な「高級オフィスチェア」を選択肢に入れる人が増えています。

本記事では、高級オフィスチェアの種類や特徴、選び方のポイントを詳しく解説します。高級オフィスチェアの代表的なブランドも紹介しますので、テレワークに適したオフィスチェアを探している方や、生産性を高める高品質な椅子をオフィスに取り入れたいと考えている企業の担当者の方はぜひご覧ください。

高級オフィスチェアとは

高級オフィスチェアは、座り心地や機能性、寿命などの点で安価なオフィスチェアとは異なります。

最も大きな違いは、座り心地の良さ。高級オフィスチェアは、丈夫で厚みのあるクッションを採用している商品が多く、長時間座っても疲れにくいよう配慮されています。また、各パーツに通気性や耐久性に優れた素材を使用しているものもあり、蒸れ防止などの効果も見込めます。

加えて、高級オフィスチェアには、アームレスト・フットレスト・ランバーサポート・前傾チルトなど多彩な機能が搭載されているものも。

さらに、耐久性が高く、寿命が長い点も魅力です。高級オフィスチェアはプロがあらかじめ組み立てた状態で出荷されることが多く、使われている素材が上質かつ丈夫であり、長持ちしやすい傾向があります。安価なものを数年で買い換えるよりも、長期的なコストパフォーマンスは高いでしょう。

高級オフィスチェアは、管理職や社長が座るようなエグゼクティブチェア、エルゴノミクスチェア、ゲーミングチェアの3種類に分けられます。それぞれの特徴について解説します。

エグゼクティブチェア

エグゼクティブチェアの「エグゼクティブ」とは、社長や会社役員などを指して使われる言葉です。エグゼクティブチェアは名前の通り、社長室に置かれるような重厚感のあるオフィスチェアを指します。

座面がゆったりと広く作られていて、包み込むような座り心地が特徴です。本革を使った上質なものも多く、設置するだけで室内に高級感が漂うため、重厚感やデザインを重視したい場合にも向いています。エグゼクティブチェアの相場は、本革仕様のもので定価40万〜50万円前後です。

エルゴノミクスチェア

最近は、エルゴノミクスチェアと呼ばれる人間工学に基づいた高級オフィスチェアの人気が高まっています。エルゴノミクスチェアとは、「人間工学」と呼ばれる人間の自然な体の動きや状態を反映させ、使いやすさを実現したオフィスチェアです。

人の背中のカーブに合わせた形状や前傾姿勢を取る際の背もたれとの連動、腰への負担を軽減するサポート機能などにより、無理のない姿勢を長時間維持しやすい工夫が施されています。シンプルなデザインが中心で、フレームや生地のカラーバリエーションも豊富です。有名メーカーのエルゴノミクスチェアの相場は、10万〜20万円前後が目安です。

ゲーミングチェア

ゲーミングチェアは、名前の通り長時間ゲームをする人向けに作られた椅子です。ゲームやeスポーツなどで長く座っていても疲れにくく、仕事用としても使う人も。

エグゼクティブチェアや一般的なオフィスチェアよりも、高さや背もたれの角度を細かく調整できるものも多く見られます。価格相場は約2万〜7万円と上記2タイプよりも低価格なので、予算を抑えたい場合にもおすすめです。

高級オフィスチェアの選び方

ここからは、高級オフィスチェアの選び方のポイントを紹介します。背もたれと機能、素材、ブランドに分けて、それぞれの選択基準について解説しますので、オフィスチェア選びの参考にしてください。

1.背もたれで選ぶ

高級オフィスチェアの背もたれの高さは、座っている間の快適性や首や肩への負担に関係する要素です。ここでは、4種類の背もたれの高さについて、特徴やメリットを見ていきましょう。

ローバック

ローバックは、背もたれが背中の半分程度までのオフィスチェアです。背もたれが小さく、サイズがコンパクトなため省スペースで見た目もすっきりしています。

値段が比較的安いので、費用を抑えてオフィスチェアを取り入れたい場合や、複数台同じ椅子で統一したい場合にも向いています。ただし、背もたれが肩まで届かず体を支えるサポートが少ないため、長時間の作業では体への負担がかかりやすいでしょう。

ミドルバック

ミドルバックは、先述のローバックと、背もたれの高いハイバックの中間タイプです。ローバックに比べて背もたれが高い分、座り心地が良く、長時間使用する際の負担は抑えられています。ハイバックほどの高さはないため、オフィスに多数導入しても圧迫感は出にくいでしょう。

ハイバック

ハイバックは、背もたれが長く伸びており、背中全体を背もたれに預けられるタイプです。首や肩・背中・腰まで上半身全体を支えられるので、長時間のデスクワークやゲームをするときに使用しても体に負担がかかりにくい点が特徴です。

ただし、他のタイプよりも価格が高いため、初期コストがかかります。狭いオフィスの場合、高い背もたれが視界を遮ってしまい、圧迫感を感じる可能性もあります。

エクストラハイバック

エクストラハイバックは、ハイバックよりもさらに高い背もたれを採用したタイプです。首から腰までを支える大きい背もたれの上に、頭を支えるヘッドレストが付いているものの他、背もたれとヘッドレストが一体化されたデザインもあります。

上半身全体の負担を最小限に抑えることができ、長時間の作業に適しています。また、大きな背もたれが周囲と分離された空間を構築するのにも役立ち、集中力アップといった効果も期待できます。価格はハイバックタイプよりも同程度か、やや高めのものが中心です。

2.機能面で選ぶ

オフィスチェアには、フットレストやアームレスト、ロッキングなどさまざまな機能が搭載されています。ここでは、オフィスチェアの機能面のポイントを見ていきましょう。

ランバーサポート

ランバーサポートとは、腰をサポートする機能のことです。ランバーは腰部を意味する言葉で、ランバーサポートは背骨の自然な逆S字カーブをキープしながら腰椎を支え、座っている姿勢を適正化する役割を果たします。

座った時に背中が曲がるのを防止し、正しい姿勢をサポートしてくれるので、長時間のデスクワークはもちろん、腰痛に悩んでいる人にもおすすめです。

ロッキング

ロッキング機能とは、背もたれが固定されておらず、後ろに倒れる機能のことです。長時間座ってリラックスしたい場合に、ロッキング機能が役立ちます。

ロッキングには、深く倒れるシンクロロッキングや、背面一体ロッキングなどの種類があります。シンクロロッキングは背もたれと座面が連動するタイプで、リクライニングと同時に座面がスライドして体にフィットします。休憩時間になったらオフィスチェアを倒して、動画視聴や読書を楽しむといった使い方もできます。

背もたれロッキングは、安定してリクライニングができるものの、背もたれの可動域が狭いため、フィット感が物足りなく感じられる可能性があります。

オットマン・レスト

足を置くオットマンやフットレスト、腕を置くアームレストが付いたオフィスチェアもあります。オットマンとは、足を置くための小さなクッションやソファタイプのもので、フットレストは椅子に備え付けられた足置きのことです。

座ったときに足が地面に付かなくても、オットマンやフットレストを使うことで膝や太もも、腰への負担を軽減でき、快適に使えます。また、足や下半身の血流促進にも役立ちます。

アームレストは、休憩中に腕を置いてリラックスするだけでなく、作業中に腕を支えることで、肩への負担を軽減するという効果も見込めます。可動式と固定式があり、自分の肘に合わせて高さや上下を調節したい場合は可動式を選びましょう。

上記の他、頭を支えるヘッドレストを備えたものは、首への負担を軽減できます。

3.素材で選ぶ

オフィスチェアにはさまざまな素材が使われています。ここでは、レザーとメッシュ、ファブリック、モールドウレタンという代表的な4種類の素材の特徴やメリットについて解説します。

レザー(本革)

レザー(本革)は、エグゼクティブチェアを中心に、高級オフィスチェアによく使用される素材です。重厚感や高級感があり、経年による風合いの変化を楽しめます。また、適度な弾力性もあるので、快適な座り心地を感じられるでしょう。

ただ、レザーは他の素材に比べると通気性に欠けるため、汗をかきやすい人や夏場の長時間の使用には不向きです。

メッシュ

通気性重視で選ぶなら、メッシュ素材がおすすめです。メッシュ素材は、ナイロンなどで作られた表面に多数の穴が開いているタイプで、通気性に優れており、長時間座っても蒸れにくい点が特徴です。

見た目の透け感がスタイリッシュな印象を与えるため、おしゃれさやデザイン性で選びたい場合にも向いています。また、メッシュ素材のオフィスチェアは軽量タイプが多く、持ち運びや移動がしやすい点も特徴です。ただ、天然素材と異なり、硬くてざらざらしたものもあるので、触り心地が気になる人もいるでしょう。

ファブリック

ファブリック(布)は、背もたれや座面などに布の張地が使われているタイプです。温もりのある見た目で、カラーバリエーションが豊富なことから、一般的なオフィスチェアでも多く採用されています。適度な硬さがあり、触り心地も良い点も特徴です。

通気性はさほどなく、汗や湿気を通しにくい点はデメリットといえます。また、コーヒーなどの汚れが取れにくいので、汚れても目立たない色を選ぶなどの工夫が必要です。

モールドウレタン

モールドウレタンは、金型にウレタンを注入し、成型した素材のことです。他のウレタン素材に比べて高密度で、高い耐久性を備えています。また、サポート力も高く、座ったときの体への負担を軽減できます。

金型を使って短期間で大量生産が可能で、比較的低価格でも品質の良いオフィスチェアを揃えられます。複雑なデザインにも対応しているため、より多くのバリエーションから好みのものを選べる点もメリットといえます。

4.ブランドで選ぶ

高級オフィスチェアは有名なメーカーで選ぶ方法もあります。ここでは、オカムラ・ハーマンミラー・スチールケースの3メーカー取り上げます。

オカムラ

オカムラは、1945年に創業した日本の家具メーカーです。使う人を尊重した設計をコンセプトとし、新しい技術を用いた多彩な家具を開発、製造しています。高機能チェアからコストパフォーマンスの高いシンプルなものまで、オフィス家具を中心に幅広く取り揃えています。

高級オフィスチェアは10万〜50万円台と幅広く取り扱っており、調整機能が豊富な「シルフィー」や肘掛けレバーで座面の高さを調整できる「コンテッサセコンダ」、高さや角度を調節できるヘッドレスト付きの「コーラル」シリーズなどが人気です。

ハーマンミラー

ハーマンミラーは、1923年にアメリカで創業された世界的家具メーカー。シンプルで合理的なデザインと、長時間座っても疲れにくい機能性を両立したオフィスチェアが充実しています。

ハーマンミラーの代表作である「アーロンチェア」は、高性能オフィスチェアの代名詞として世界中で愛用されています。世界初のメッシュ素材を採用したオフィスチェアであり、新しいモデル「リマスタード」は、一段上の座り心地を実現しました。価格は約25万円と高額ですが、一生ものとして購入する人も少なくありません。

スチールケース

スチールケースは、1912年創業のアメリカのオフィス家具メーカーです。鉄製家具のパイオニアで、環境保全を意識した製品づくりに定評があります。

「リープ」シリーズは、背もたれを倒すと座面がスライドするナチュラルグラインドシステムにより、後ろにのけぞっても姿勢が安定しやすい仕様です。背骨のS字カーブを支えるように背もたれが形状変化するため、フィット感が抜群で、猫背を防ぐ効果も見込めます。価格は約15万〜25万円です。

高級オフィスチェアならソーシャルインテリアへ

高級オフィスチェアは、人間工学に基づいた機能性や上質な素材、耐久性などの点で一般的なオフィスチェアよりも優れています。一般的なオフィスチェアよりも高額ですが、長時間のデスクワークやゲームでも体への負担を軽減できるよう工夫されており、長い目で見るとコストパフォーマンスが高いといえます。

背もたれや機能、素材、ブランドなどの基準を押さえて、最適な高級オフィスチェアを導入すれば、業務効率や従業員満足度の向上にもつながるでしょう。

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