椅子と机の高さはどのくらい?自分に合った高さの計算方法を紹介
毎日の仕事で使う椅子や机は、快適に働くために重要なツールです。椅子や机の高さが合わないと、身体に負担がかかるだけでなく、作業効率や生産性にも影響が及ぶこともあるため、身長や体型に合ったものを取り入れる必要があります。
本記事では、オフィスで使う椅子と机の高さの目安や、高さが合わないことによって考えられる悪影響、高さを調節する応急対策について解説します。身長別の椅子と机の高さの目安も一覧で紹介しますので、快適なオフィス環境づくりにぜひお役立てください。

目次
椅子と机の高さを確認する3つのポイント
椅子と机の高さが合わないと、作業がしづらく、効率性や快適性が下がる可能性があります。また、身体に合っていない椅子や机で長時間仕事をすることで、肩こりや頭痛などのトラブルにもつながります。
ここでは、オフィスの椅子と机の高さが適切かどうかを確認する3つのポイントについて説明します。
椅子の座面は足裏全体が床につく高さ
椅子の座面は、座った際に足裏全体が床につく高さが目安です。座面が高すぎる場合、座ったときに足裏が床から浮いてしまい、太ももの血行悪化を招くリスクがあります。また、姿勢が不安定になりやすく、作業効率の低下や疲労感の増大といった可能性も考えられます。
理想の座面は地面から36〜45cm前後とされていますが、人により異なるため「椅子に深く座ったときにかかとが浮かないか」をチェックしましょう。また、かかとが床に付いていても、座面が低すぎて膝裏と座面との幅が大きく開いている状態も好ましくないため注意が必要です。
足裏全体が床に接していて、座面よりわずかに膝裏が高く、膝から足先までの体重をかかとに掛けられている状態がベストと言えます。
机は肘が90度になる高さ
机の天板の高さは「机に手を置いたときに肘が90度になる程度」が目安とされています。椅子に座ったとき、肩から上腕部分が垂直に下りていて、肘が直角のように開ける体勢が理想的でしょう。
目安の高さとしては、机の天板が地面から70~72cmほどが好ましいとされます。ただ、作業内容によっても適切な机の高さは異なる上、椅子の高さに応じて机の高さも変わるため、椅子と机の高さをセットで考える必要があります。
差尺(さじゃく)は28~30センチ
机と椅子の適切な高さを求める方法として、「差尺(さじゃく)」を使った計算式があります。差尺とは、椅子の座面から机の天板までの高さの差異を指す数値です。
理想の差尺は約28~30cmとされていますが、具体的な数値は使用する人の身長などによって変わるため、1つの目安として捉えると良いでしょう。また、差尺を出す場合には、机や椅子の厳密な測量が必要なため、机か椅子いずれかの高さにおけるベストポジションを見つけておくとスムーズです。
椅子と机の高さを求める計算式
椅子と机の適切な高さを求める1つの方法として、一般社団法人日本オフィス家具協会(JOIFA)が提唱する計算式があります。椅子の座面と机の天板それぞれの高さを算出する計算式は、以下の通りです。
- 座面の高さの目安:身長×1/4(cm)
- デスク高さの目安:座面高+差尺(身長×1/6)(cm)
椅子と机の高さ・一覧表
先述した一般社団法人日本オフィス家具協会(JOIFA)による椅子と机の高さを求める計算式を用いて、身長ごとに数値を算出し、一覧表にまとめました。150cm〜185cmまでの身長での適切な椅子と机の高さを掲載していますので、現場でぜひお役立てください。
身長(cm) | 椅子(座面)の高さ(cm) | 机の高さ(cm) |
150 | 37.5 | 62.5 |
151 | 37.75 | 62.91 |
152 | 38 | 63.33 |
153 | 38.25 | 63.75 |
154 | 38.5 | 64.16 |
155 | 38.75 | 64.58 |
156 | 39 | 65 |
157 | 39.25 | 65.41 |
158 | 39.5 | 65.83 |
159 | 39.75 | 66.25 |
160 | 40 | 66.66 |
161 | 40.25 | 67.08 |
162 | 40.5 | 67.5 |
163 | 40.75 | 67.91 |
164 | 41 | 68.33 |
165 | 41.25 | 68.75 |
166 | 41.5 | 69.16 |
167 | 41.75 | 69.58 |
168 | 42 | 70 |
169 | 42.25 | 70.41 |
170 | 42.5 | 70.83 |
171 | 42.75 | 71.25 |
172 | 43 | 71.66 |
173 | 43.25 | 72.08 |
174 | 43.5 | 72.5 |
175 | 43.75 | 72.91 |
176 | 44 | 73.33 |
177 | 44.25 | 73.75 |
178 | 44.5 | 74.16 |
179 | 44.75 | 74.58 |
180 | 45 | 75 |
181 | 45.25 | 75.25 |
182 | 45.5 | 75.83 |
183 | 45.75 | 76.25 |
184 | 46 | 76.66 |
185 | 46.25 | 77.08 |
当然ながら人間の体型は1人ひとり違うため、上記の数値はあくまでも目安にはなりますが、使用する人の身長から快適に使いやすい椅子と机の高さを知るために参考にしてください。
椅子と机の高さが合わないとどうなる?
椅子と机の高さが合わないと、身体への負担が大きくなり、さまざまな不調につながる可能性があります。身体に合った椅子と机は正しい姿勢を維持しやすいため、良い姿勢を取れているかの判断基準にもなります。
ここでは、机や椅子の高さが合わない場合に考えられる身体への影響について解説します。
血行不良
椅子や机の高さが合わないまま長時間座っていると、血行不良を招く可能性があるため注意が必要。椅子が高すぎて足が浮いている状態だと、太ももが圧迫されて下半身の血の巡りが悪くなりやすい傾向にあります。
また、毎日足が垂れ下がったまま作業することになれば、冷えや脚のむくみ、腰痛といった症状が悪化することも考えられます
肩こりや頭痛
長時間のパソコン作業などで起きやすい肩こりや頭痛といった症状は、椅子や机の高さが合っていないことが原因の1つとして考えられます。椅子や机の高さがミスマッチだと、パソコンの画面を見る姿勢を改善しづらく、症状が悪化する可能性も。
肩の力を抜いてリラックスする意識を持ち、過度な前傾姿勢を回避できる背もたれのある椅子を選ぶなどの対策が、肩こりの軽減につながります。
また、肩こりと頭痛は併発しやすい傾向にあります。椅子と机の差尺が広すぎると前かがみになりやすく、頭痛などの不調にもつながるため注意が必要です。
覚えておきたい「良い姿勢」とは
身体に負担のかかりにくい座り姿勢を取ることで、疲労や不調の回避につながります。良い姿勢のポイントとして、以下の項目が挙げられます。
- 座面の奥まで深く腰掛ける
- 骨盤上部をしっかり背もたれにつける
- 足裏、特にかかとを床につける
- 太腿の上部を水平にし、ひざ下は床と直角にする
- パソコンの画面は水平視線より少し下になるよう調整する
血行不良や肩こり、頭痛を改善する上でも上記のポイントを押さえることが大切です。ご自身の座り姿勢が当てはまっているか、チェックしてみてください。
高さが合わないときの応急処置の方法
椅子と机の高さの合った適切な家具を新しく購入することで、身体に負担のかからない座り姿勢を維持できます。ただ、すぐに買い替えられないという場合には、現状でできる対処法を取り入れましょう。ここでは、椅子と机の高さを応急的に調整する方法を紹介します。
椅子の高さが合わない場合
椅子に座ったときに足裏やかかとが床につかず、椅子の高さを十分に下げられない場合は、フットレスト(足置き)を使いましょう。足裏全体が接地している状態を確保することで、座面に接しているお尻や太ももの圧迫が軽減され、血行不良の改善につながります。
回転式のキャスタータイプの場合、非回転式の固定脚に変えることでベースを下げられる場合があります。ただ、中には変えられないものもあるため、確認した上で取り入れましょう。
机の高さが合わない場合
机の高さを調整するために簡単にできる対処法としては、以下のようなものがあります。
- 机上ラックを置いてパソコン画面の高さを調整
- デスクのアジャスターを調整
- 調整脚やテーブルの継ぎ足しパーツで脚の高さを調整
パソコン画面の位置を変えて適切な視線の高さを確保すれば、良い姿勢を維持できます。昇降式デスクの買い替えが難しい場合には、上記のような方法で天板の高さを調整しましょう。
身体に合った高さに調整して快適に働こう
椅子と机の高さは、作業効率や身体の状態に大きく影響します。椅子や机の高さが合っていない場合、体の負担が大きくなり、血行不良や肩こり、頭痛などを引き起こす可能性があるため注意が必要です。
今回紹介した身長別の目安数値を参考に、椅子と机の高さが適切かどうか確認してみましょう。すぐできる対処法も有効ですが、椅子や机そのものを新しく入れ替えることで、快適に働けるオフィス環境が実現します。
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