オフィスデスクの高さの基準を知ろう|安全で快適なデスクの選び方

オフィスデスクの高さは、仕事の効率やオフィスの使いやすさに大きく影響します。本記事では、オフィスデスクの高さの目安や椅子との合わせ方、高さが合っていないことで起こるトラブルについて解説します。

快適に働けるオフィスの構築に向けて、自社に最適なオフィスデスクを選ぶためにぜひ参考にしてください。

オフィスデスクの高さは720mm(72cm)が目安

結論として、一般的なオフィスデスクの高さは720mmが目安です。その背景には、日本オフィス家具協会(JOIFA)が提唱する基準があります。

JOIFA推奨がオフィスデスク高さを720mmにした背景

日本オフィス家具協会(JOIFA)とは、オフィス家具やその周辺についての調査研究や情報の公開などの活動を通して、産業の発展や文化の向上に寄与することを目的とした団体です。

第二次世界大戦後、米軍規格のデスクが導入され、アメリカの標準である740mm(74cm)が採用されました。その後、日本人の平均身長に合わせて、JISが1971年に700mm(70cm)を標準と規定し、2011年にはJOIFAがオフィスデスクの高さとして720mmを推奨しました。

デスクの高さの推奨値が720mmとなった背景には、「日本人の身長が伸びたため」「収納量を増やすため」「障害者の雇用拡大に適応するため」の3つが挙げられます。

日本人の身長が伸びたため

デスクの高さの推奨値が720mmになった1つ目の理由として、日本人の身長が伸びたことがあります。JISの推奨寸法が採用された1971年当時よりも、オフィスで働く日本人の身長が高くなり、当時と同じ計算方法をしたところ720mmと算出されました。

あわせて、オフィスのグローバル化が進み、日本人よりも平均身長が高い外国人ワーカーが増加したことも影響しています。

収納量を増やすため

720mmの高さは、A4サイズの書類を引き出しに収納する際の実用性を考慮しています。以前はB5やB4サイズの書類も多く使われていましたが、近年はA4に統一されてきており、収納するために袖引き出しの下段に深さが必要になりました。

デスクの高さが700mmのままだと、最上段の袖引き出しがかなり浅くなり、収納できる量が少なくなってしまいます。そこで、高さを720mmにして、最上段の袖引き出しの深さを確保したのです。

障害者の雇用拡大に適応するため

障害者の雇用拡大により、車いすで勤務する際に支障なく使える高さのデスクが必要になったことも、オフィスデスクが720mmになった背景の1つです。大型の車いすの肘までの高さは床から670mm(67cm)。デスクの高さが700mmの場合、天板厚の30mm(3cm)を差し引くと、天板下の高さは車いすの肘の高さと同じになります。

このことから、車いすの肘が天板とぶつることを防ぐために高さを720mmに見直しました。

オフィスデスクの高さがあわないとどうなる?

毎日使うオフィスデスクの高さが合っていないと、身体に負荷がかかり、さまざまな不調を引き起こします。ここでは、オフィスデスクの高さが合わない場合に考えられる主な4つのデメリットについて解説します。

肩こりや腰痛になる

高さが合っていないデスクで長時間作業していると、肩こりや腰痛といった症状を引き起こす可能性があります。デスクが高すぎる、あるいは低すぎると、頭を支えるための肩や首の筋肉に過度な負担がかかることが原因といえるでしょう。

また、反り腰など腰に負担のかかる座り方も、腰痛になるリスクがあるため注意が必要です。

姿勢が悪くなる

高さの合わないデスクでは、正しい座り姿勢を取りにくく、姿勢が悪くなる可能性があります。とくに作業に集中しているときは、顎や頭が前に出て前のめりになり、背中が丸まって猫背になりやすい状態です。

悪い姿勢のまま癖が付いてしまうと、筋肉の緊張や骨格への負担などから、肩こりや腰痛といった不調を引き起こしやすいため注意が必要です。

ストレスで頭痛を引き起こす

デスクの高さが合わないために、身体的、精神的なストレスが続いて頭痛につながることも考えられます。身体に負担がかかっている姿勢でデスクワークを続けていると、頭や首まわりの血流が悪化し、神経が刺激されることで頭痛が引き起こされます。

頭痛があると、仕事が手につかない、気分が上がらないといった悪影響が出るでしょう。また、先述した肩こりや首のこりにより、頭痛を誘発される可能性もあります。

足がむくみ冷え性の原因になる

デスクが高すぎる場合、かかとが床につかないため下半身に負担がかかり、血流が悪くなります。かかとが浮いたままの状態で長時間座っていると、お尻や太ももが圧迫されるため、血流が停滞してむくみや冷えを引き起こすことがあります。

オフィスチェアーの高さや差尺も重要

先述したデメリットを回避するためには、オフィスデスクの高さを適切なものにすることが大切です。とはいえ、デスクと椅子はセットで使うため、デスク単独ではなく椅子とあわせて検討する必要があります。

最適なオフィスデスクの高さを選ぶ際にチェックしたいポイントは、以下の通りです。

  • 座面の奥まで深く座ったときに足裏全体が床にしっかりつくか
  • 膝から先の体重がかかとに乗っている態か
  • 膝先が座面と平行、もしくはわずかに高い状態か
  • 着席したときに肘が90度を保てるか

上記に加えて、身体にフィットする高さのデスクと椅子を選ぶために差尺も考慮すると良いでしょう。「差尺」とは、椅子の座面から机の天板までの差のことです。体格などによって変わりますが、一般的な差尺は270〜300mm(27~30cm)が目安とされています。

差尺が小さい、あるいは大きい場合、着席時に不具合や違和感が生じることがあります。適切な差尺を参考にして、デスクの高さを検討しましょう。

昇降式デスクもおすすめ

オフィスデスクには、天板の高さを調整できる昇降式デスクもあります。昇降機能付きのデスクは、使用する社員の身長や椅子に合わせてデスクの高さを変更できるため、身体の負担を軽減できます。

また、立った姿勢で作業することも可能で、スタンディングワークによる疲労の回復やリフレッシュといった効果も期待できます。

電動タイプの他、天板の傾斜を調整できるものなど、さまざまな昇降式デスクがあるので、自社に最適なものを選びましょう。

オフィス家具の購入に迷ったらソーシャルインテリアへ相談を

オフィスデスクの高さは、日本人の身長、収納量、障害者雇用を含めた働く人の多様化などを踏まえ、JOIFAでは720mmが推奨されています。

オフィスデスクの高さが合っていないと、肩こりや腰痛、頭痛といった不調や症状を引き起こす可能性があるため、使用する社員の身長や椅子に合わせて選ぶことが大切です。高さを簡単に調節できる昇降式デスクも含めて、最適なデスクの導入を検討しましょう。

オフィス家具を選ぶ際には、レイアウトや内装とのバランス、機能性などさまざまな点を考慮しなければならないため、プロに相談するとスムースです。

ソーシャルインテリアでは、オフィスの空間デザインやレイアウトに関する幅広いご提案が可能です。予算に合わせたオフィス家具の選定もサポートいたしますので、下記よりお気軽にご相談ください。