オフィスカーペットの役割とは?種類や選ぶときのポイントを解説

オフィスカーペットは、オフィスのゾーニングやデザインを一新できるだけでなく、騒音をやわらげたり足もとを快適に保ったりするメリットがあります。オフィスカーペットといっても、タイルカーペットのパイルにはさまざまな種類があるため、各特徴を理解して、用途や設置場所に適したタイプを選ぶことが大切です。

本記事ではオフィスカーペットの種類や選び方、家庭用カーペットとの違い、設置する際の注意点などを解説します。オフィスカーペットを導入し、快適なオフィス環境を構築するためにぜひご覧ください。

オフィスカーペット(タイルカーペット)とは

オフィスで使われる業務用カーペットは、家庭用に比べて耐久性が高く、設置しやすい点が特徴です。大型施設やオフィス、ホテルなど事業所や施設内での使用を想定しており、土足や台車の移動にも耐えられるように硬めのパイルが用いられます。

オフィスカーペットは接着剤で床に固定し、床から剥がれにくい仕上げを行うことが一般的です。なお、業務用のカーペットにはタイルカーペットもよく使われています。タイルカーペットとは、約40〜50cm角の正方形を必要な箇所に敷き詰めて設置するものです。

ラグとの違い

カーペットとラグは同じようなシーンで使われますが、厳密に言うとラグはカーペットの一種です。カーペットという言葉は床に敷くもの全般に対して使われ、ラグは3畳未満ほどの小さな敷物を指し、ソファやベッドの足下、部屋の中央など、一部分で使用されるのが一般的です。

オフィス用カーペットは、床全体に敷き詰めることもできますが、スペースによってはラグが適している場合もあるでしょう。

オフィスカーペットの役割

オフィスにカーペットを敷くことで、雰囲気やデザインを変えられるだけでなく、騒音や振動、ほこりの飛散の対策、転倒防止などさまざまな効果が期待できます。ここでは、オフィスカーペットの主な役割について詳しく解説します。

騒音やにおいを和らげる

カーペットを敷くことで、床に伝わる衝撃や振動を抑えられるため、騒音の軽減に役立ちます。足音や椅子のキャスター音をはじめ、話し声の反響もやわらげることができるでしょう。

騒音というと、工事や道路を走る車の音をイメージする人もいると思いますが、机や椅子を引きずって移動させる音や、ドアの開け閉めの際に発生する音も、仕事の集中を妨げる場合があります。オフィスカーペットを敷くことで、音を適度にコントロールして快適な職場づくりを後押しできるでしょう。

また、カーペットはにおいを吸収する作用も見込めます。防音効果付きのカーペットもありますが、家庭用に比べるとコストパフォーマンスや耐久性重視の製品が多く見られるのも特徴です。

ほこりの飛散を防ぐ

カーペットを敷くことで、ほこりや塵の飛散を抑えることが可能です。フローリングのオフィスでは、椅子を動かした後や人が歩くたびにほこりが舞い上がり、室内の空気に影響を与えてしまいます。

長時間過ごすオフィスは利用する人の健康状態にも直結するため、空気の質を適切に保つことは重要です。

オフィスをゾーニングする

カーペットの色や質を変えるだけでも、オフィス内のゾーニングにつながります。ゾーニングとは、用途やイメージに応じて部屋をエリアごとに区切ることです。

カーペットを活用すれば視覚的にスペースを分けられるため、間仕切りや床などの工事不要でオフィスのゾーニングを実現します。

オフィスをデザインする

カーペットの色や柄を変更することで、手軽にオフィスデザインを一新することもできます。壁と同様に床は面積が広いため、床一面に新しいカーペットを取り入れるだけでも、空間の印象や雰囲気を大きく変えられます。

また、床下配線に対応したOAフロアのオフィスでは、部分的な施工や取り外しがしやすいタイルカーペットを導入すれば、配線やメンテナンスがスムーズに行えるでしょう。

冷えを防いで保湿する

カーペットの生地によっては防湿性や防寒性も期待できます。フローリングやタイルの床は、寒い時期には冷たくなりやすいですが、カーペットを敷くことで室温が下がりにくくなります。

また、オフィス内の室温を維持できるため、暖房費の節約にもつながるでしょう。

足もとの安全性を高める

カーペットは足元の安全性を高める目的でも有用です。フローリングにガラスなどの割れ物を落とすと破片が飛び散って、怪我をする可能性もありますが、カーペットがあれば衝撃を吸収することで割れるのを防ぎ、破片が飛び散りにくくなるでしょう。

また、スマホやPCなどのデバイス、備品を落としてしまったときや、人が転倒した際にもカーペットが衝撃を吸収してくれます。

さらに床材の研究において、カーペットは木製の床材に比べて「すべり指数」が半分以下に軽減されており、すべりにくいというデータもあります。オフィスにおける安全性を考慮すると、カーペットの設置が望ましいでしょう。

タイルカーペットのパイルの種類

タイルカーペットの毛並みはパイルと呼ばれ、主に以下4つの種類があります。

  • ループパイル
  • テクスチャードパイル
  • カットパイル
  • カット&ループパイル

自社のオフィスに適したタイルカーペットを選ぶために、それぞれの特徴を見ていきましょう。

ループパイル

ループパイルとは、名前の通りパイルがループ状になっているタイプです。さらっとした肌触りが特徴で、ループ状のパイルによる弾力性が高く、へたりにくい傾向があります。耐久性とメンテナンス性があることから、業務用のタイルカーペットとしてよく使用されています。

テクスチャードパイル

テクスチャードパイルとは、長いパイルと短いパイルがミックスされたタイプです。パイルの長さに長短がある分、ループパイルよりも柔らかめの踏み心地を実現します。ただ、ループパイルよりパイルのヘタリは早い傾向にあります。

カットパイル

カットパイルとは、パイルのループをカットしたタイプです。踏んだ感覚がソフトで柔らかく、防音性も期待できますが、ループパイルに比べて弾力性や耐久性は劣るでしょう。歩行量の少ない部屋などに向いています。

カット&ループパイル

カットパイルとループパイルが混在するタイルカーペットが、カット&ループパイルタイプです。ループパイルとカットパイルの中間程度のやわらかさと弾力性があり、踏み心地と耐久性のバランスが両立しています。異なるパイルを使って柄やデザインを施したものもあります。

タイルカーペットを選ぶときは耐久性が重要

オフィスのタイルカーペットは耐久性が重要です。耐久性の基準として、重歩行用と中歩行用の2種類が用意されています。

重歩行用は、ナイロン100%製パイルを使用したものが多く、へたりや汚れに強いタイプです。一方、中歩行用は、ポリプロピレン製パイルを使用したものが中心で、コストパフォーマンスに優れています。

一般的なオフィスの歩行量では、中歩行用のタイルカーペットで対応可能ですが、オフィスの規模や使用人数などによって最適なタイプは異なります。重歩行用のエリアに中歩行用タイルカーペットを使用するとすぐにへたってしまい、貼り替えコストがかさむ可能性もあるため注意が必要です。

商品によっては重歩行と中歩行を区別するマークが付いており、マークがない場合はパイルの素材などで判別します。

オフィスにカーペットを設置するときの注意点

オフィスカーペットの設置時には、気をつけたいポイントがあります。オフィスカーペットを設置する際の注意点を2つ紹介します。

エリアの特徴や用途にあわせて色・デザインを選ぶ

オフィスのカーペットは面積が広い分、空間の印象や雰囲気に与える影響も大きくなります。そのため、設置するスペースの特徴や用途に合わせて、適切なカーペットの色やデザインを選ぶことが大切です。

例えば、会議室や執務室の集中スペースは寒色系の落ち着いたテイストにする、会議室はコミュニケーションを活性化できるように暖色系を選ぶ、などです。家具との組み合わせや部屋全体のバランスも含めて検討しましょう。

清掃・メンテナンス方法を事前に確認する

カーペットは掃除を怠ると、ほこりやダニなどによって社員の健康状態に悪影響を及ぼす可能性があります。一般的なオフィスでは、入居するビル側の清掃会社に依頼しますが、素材によっては掃除方法が異なる場合もあるため、事前の確認が必須です。

また、汚れてしまった箇所だけ部分的に交換できるか、メンテナンスは業者に依頼する必要があるかどうか、事前に調べておくとよいでしょう。

オフィスカーペットの選定・デザインはソーシャルインテリアにお任せ

オフィスカーペットはデザイン性だけでなく、騒音やほこり、冷えなどの対策や安全性の特徴を加味して選びましょう。カーペットを変えるだけでオフィス空間全体の印象を手軽に一変でき、オフィスのゾーニングやデザイン変更にも役立ちます。

カーペットは素材や種類が多いため、導入を検討する際にはプロに相談しましょう。ソーシャルインテリアでは、オフィス構築に関する幅広いサポートを行っています。カーペットの選定を含むレイアウト変更なども対応可能ですので、お気軽にお問い合わせください。