キャビネットの種類と選ぶポイント・オフィスにおすすめのタイプを紹介!

収納家具の1つであるキャビネットは、サイズや扉、引き出しの有無などによってさまざまな種類があります。オフィスでは、書類やファイル、筆記用具、備品などを収納するためにキャビネットが活躍します。

本記事では、キャビネットの種類や選び方のポイントを解説します。使い勝手の良いキャビネットを取り入れて、快適に過ごせるオフィス空間を作るためにぜひ参考にしてください。

キャビネットとは

「キャビネット」とは、日本語で「飾り棚」「戸棚」を指す言葉で、「箱」「容器」という意味の英単語「cabinet」に由来しています。欧米などでは、箱型の家具を総称してキャビネットと呼ばれますが、日本では従来のたんすにあたる「物を収納する戸棚」を指して使われます。

キャビネットと似た言葉に「サイドボード」があります。どちらも箱型の収納家具ですが、サイドボードはリビングやキッチンなどに置く、背の低い収納家具を指す場合が多いでしょう。

キャビネットの種類

キャビネットには、さまざまな種類があり、適した活用シーンが異なります。種類ごとの特徴やおすすめの使用場面について詳しく紹介するので、オフィス用のキャビネットを選ぶ際の参考にしてください。

1.オープン型(オープンラック・オープンシェルフ)

オープン型のキャビネットは、箱に棚が付いただけの収納家具のことで、オープンラックやオープンシェルフと呼ばれる家具と同じ形式です。前面に扉が付いていないため、中の物を出し入れしやすく、何が入っているのかひと目でわかります。また、キャビネットを構成する部材が少ない分、比較的値段が安いのも特徴です。

オフィスでは、さまざまな部署の社員が使用する資料や書籍、ファイルを保管する用途に適しています。また、スペースに余裕がある場合は、観葉植物やアートなどを飾り、見せる収納として活用することも可能です。

ただし、常に棚が開いているため埃やゴミが溜まりやすく、何かの拍子に中の物が落ちてくる懸念点があります。

2.両開き扉型

両開き扉のキャビネットは、棚の前面に両開きの扉が付いていて、開け閉めして使うタイプの収納家具です。中の物を取り出すときだけ扉を開けて使うため、安全に保管しておくことができます。また、オープン型と違って扉が閉まっている分、見た目にもすっきりした印象があります。

扉を開けて全体を見ることができ、書類の出し入れや整理もしやすいため使い勝手に優れています。オフィスでは、立った状態で使いやすい高さに設置するケースが多く見られます。

ただし、扉を開け閉めするためのスペースを確保する必要があるため、人通りの多い通路や狭い通路に設置する場合はサイズを確認しておくと良いでしょう。

ガラス扉

両開き扉は、棚と同じ素材を使用するものや、ガラス扉を付けている場合などいくつかのタイプに分けられます。ガラス扉は、扉を閉めた状態でも中身が見えるため、扉が閉まっている状態で必要な物を探せる点が便利。大量のファイルにラベルを付けて管理する場合などに向いています。

また、収納物が不意に落ちてくる心配もないため、人通りが多い通路に面して設置する収納としてもおすすめです。「見せる収納を取り入れたいけれど、オープン型は埃やゴミが気になる」という場合にも向いているでしょう。

引き出し付

両開き扉と引き出しを組み合わせたキャビネットは、キッチン用キャビネットなどに多く見られるタイプです。下部に引き出し、上部に両開き扉が付いているため、高い収納力を持った商品が多く見られます。

オフィス用のものでは、背の高い壁付け用などがあります。両開き扉部分には、ファイルや書類を立てて並べ、引き出しには細々とした備品を分けて入れる、といった使い分けができます。

3.片開き型

扉付きのキャビネットには、細長い扉の片開きタイプもあります。片開きタイプは1つの扉を開けるだけで収納全体を見渡すことが可能です。オフィス用のキャビネットでは、片開き扉に鍵の付いた小型タイプなどが多く見られます。

ただ、両開きタイプよりも1枚の扉のサイズが大きくなるため、開け閉めに必要なスペースも広くなります。前方に余裕を持って設置する必要があるでしょう。

ガラス扉の片開きキャビネットなら、認定証や資格証、表彰状などを飾るといった使い方もできます。

4.引き違い扉型(引き戸)

引き違い扉型のキャビネットは、引き戸が付いた収納家具です。スライド式の扉を両側から開けられるため、両開き扉タイプのように扉の開け閉めのスペースが不要で、狭い場所にも設置できます。幅の取れない通路やコンパクトなオフィスで、書類や書籍を収納したい場合に向いています。

ただし、引き違い扉は片方ずつしか扉を開けられないため、中央部分の物を取り出しにくい点はデメリットです。全体をひと目で確認したい場合に不便を感じるかもしれません。

ガラス扉

引き違い扉型のキャビネットで、ガラス扉のものは扉が閉まっていても中身を確認できます。片側ずつしか扉は開けられませんが、どちらに何が置かれているかを確認できるため、効率的に物を取り出せるでしょう。書類やファイルを立てて保管する場合にも便利です。

5.ラテラル型

ラテラル型のキャビネットとは、深さのある引き出しの付いた収納家具のことです。縦に書類を収納できる引き出し式のキャビネットです。

容量が大きく収納力があり、書類や備品などさまざまなアイテムを保管することが可能です。また、奥行きがあるため、奥に入れた物も上から確認しやすいでしょう。中身が見やすいという特徴を活かして、立てる収納を意識すると有効活用できます。

使用する際の注意点は、引き出しを出し入れるするスペースを確保しておくことです。また、段数があるキャビネットの場合は、上段の重量が重くなると出し入れする際に転倒する可能性があるので、下段に重量のある物を入れるよう注意しましょう。

キャスター付(サイドキャビネット)

キャスター付きのラテラル型キャビネットは、オフィスなどでサイドキャビネットとして使われることの多いタイプです。机とセットになっているものも多く、デスク作業中に必要な書類や筆記用具などをしまう用途で使われます。

キャスターが付いている分移動しやすく、レイアウト変更に伴うデスクの移動にも便利です。鍵付きのタイプは、貴重品や機密書類などを保管するのにも向いているでしょう。

低い位置に置くことを前提としているため置き場所を選ぶ可能性があります。また、キャスターを固定しないと、出し入れの際に誤って動いてしまい人や他の家具と衝突するリスクもあるので、ストッパーを使うようにしましょう。

オフィス用のキャビネットを選ぶ5つのポイント

オフィスで使うキャビネットは、作業効率や生産性も左右する重要なアイテムです。種類ごとの機能性やサイズ・デザインはもちろん、使う人のことを考えて総合的に適したもの選ぶ必要があります。ここでは、オフィス用のキャビネットを選ぶ際に意識したい5つのポイントを解説します。

1. 収納する書類・物の量

オフィス用のキャビネットは、、収納する書類や備品の量に応じて選ぶ必要があります。収納容量を確認せずに購入すると、キャビネットが小さすぎて書類が収まりきらない可能性があります。反対に、キャビネットが大きすぎても、中がスカスカで重心のバランスが悪くなってしまいます。

また、コンパクトなオフィスでは、キャビネットが必要以上にスペースを取ってしまうと邪魔に感じる場合も。収納したい書類や書籍、ファイルの量を確認した上で、無理なく保管できるキャビネットを選びましょう。

2. 収納物の使用頻度

キャビネットの種類を選ぶ際には、収納物をどのくらいの頻度で使うかも考慮する必要があります。頻繫に出し入れするのか、保管がメインなのか、といった条件によっても、適したキャビネットの種類が異なります。

例えば、毎日記録するような使用頻度の高い書類は、扉のないオープン型キャビネットに入れておくと、取り出しやすい上に探す手間も省けます。また、多くの社員が共同で利用する資料やデータは、ファイルごとに分けて管理し、ガラス扉の引き違い扉型キャビネットなどに収納しておけば、目的のファイルを必要なときに簡単に見つけられます。

鍵付きのキャビネットは、使用頻度が少なく、個人情報や社外秘情報などを含む重要書類を保管する上で役に立つでしょう

3. 防犯性

オフィスで使うキャビネットには防犯性も求められます。オフィスでは誰でも閲覧できる資料だけでなく、履歴書などの個人情報や役員用の社外秘情報など、機密情報を掲載する重要書類も多く扱われています。

ペーパーレスが進んでいるとはいえ、従来通り重要書類を紙で保存する機会も多いため、情報漏えいを防止したい場合は鍵付きのキャビネットを活用しましょう。

鍵付きタイプには、一般的な鍵穴に差し込むシリンダー型以外にも、暗証番号を設定するダイヤル式やプッシュ式、カードキーを読み込ませるカードリーダー式などの種類があります。また、キャビネット全体をロックできるものから、サイドキャビネットのように一部の引き出しだけ鍵をかけられるラテラル型までさまざまです。

最近では、開閉履歴を管理できるカードリーダータイプも登場しています。人事や経理、役員層など、特定の社員だけが使う機密書類を保管、管理するという使い方にも向いています。

4. 設置場所

設置場所に合わせたキャビネットを選ぶことも大切です。場所に合わせて種類やサイズを選ばないと「人通りが多くて扉があけられない」「サイズが大きすぎて想定していた位置に置けない」といった事態になりかねません。

購入する前に、設置したいスペースのサイズを計測し、キャビネットのサイズや仕様をWebカタログなどで確認した上で、無理なく設置できるものを選ぶ必要があります。特に、両開き扉型や片開き扉型、引き出し型は、開けるためのスペースを必ず考慮しましょう。

5. 色やデザイン

キャビネット選びでは、収納量や設置場所といった機能性だけでなく、インテリアとしてオフィスに馴染むかどうかも重要なポイントです。キャビネットはオフィス空間の大きな割合を締める家具であり、キャビネットの色やデザインによって空間の印象は変わります。

色の持つ効果を活用することで、効果的にオフィス空間を演出することが可能です。例えば、白は清潔感や明るさをもたらす効果があり、家具メーカーごとの色の微妙な違いも気になりにくいため、組み合わせやすいという特徴があります。

また、アイボリーやグレーは事務的な印象がありつつも、周囲との調和やバランスを取りやすい便利なカラーです。木目調のキャビネットは、温かみやリラックス感をもたらします。ダークブラウン系なら、重厚感や高級感をプラスすることも可能です。

オフィスに求められる印象やブランディングなどを考慮して、効果的な色やデザインのキャビネットを選ぶと良いでしょう。

6. 安全性

オフィス家具としてキャビネットを設置する際は、転倒防止対策が必要です。キャビネットが万が一転倒してしまった際には、社員の怪我や事故につながる可能性があります。書類や資料を大量に保管する場合は、かなりの重量になるため、下段に入れて重心を下げるだけでも転倒予防になるでしょう。

より安全性を高めるためには、キャビネットを固定する方法が効果的です。金具を使って床や壁下地の鉄骨、コンクリートなどとキャビネットをボルトで固定することで、転倒対策ができます。

また、ガラス扉には飛散防止フィルムを貼っておきましょう。扉付きやラテラル型の場合は、急な飛び出しや開放を防ぐためにセーフティロックやラッチが付いたものを選ぶのがおすすめです。

その他にも、設置を検討する段階で避難経路を確認し、経路をふさいでしまわない場所に設置することも大切です。

オフィスにぴったりのキャビネットを選ぼう

オフィス用のキャビネットを選ぶ際には、収納する書類や物を確認するとともに、設置場所に合ったタイプを選ぶことが大切です。

オフィスに適したキャビネットを選ぶことで、効果的な空間デザインを実現し、働く社員の業務効率や生産性にも良い影響が得られるでしょう。

ソーシャルインテリアでは、家具を含むインテリアや空間デザインなどオフィスの空間デザインに関する幅広いご相談をお受けしています。ニーズやコストに合わせたキャビネットの選定はもちろん、トータルレイアウトもご提案可能です。下記より資料請求にお申し込みいただき、ご要望をお気軽にお聞かせください。