ゲーミングチェアを仕事に用いるケースが増えていますが、オフィスチェアとゲーミングチェアのどちらが向いているのかは、働き方や求める機能によって異なります。
この記事では、ゲーミングチェアとオフィスチェアの違いを、機能・デザイン・価格帯などから比較します。「ゲーミングチェアにすべきかオフィスチェアにすべきか迷っている」「仕事におすすめのゲーミングチェアを知りたい」という方は、ぜひ参考にしてください。
目次
ゲーミングチェアとオフィスチェアの違い
ゲーミングチェアとオフィスチェアの違いとしては、次の8つが挙げられます。
- シートの形状
- リクライニング
- ヘッドレスト
- ランバーサポート
- アームレイス
- 張り地
- 外観
- 価格帯
機能の違いは座り心地や快適性に大きく影響するため、何が必要かを明確にすることが大切です。まずは、それぞれの特徴や確認すべきポイントを見ていきましょう。
1.シートの形状
ゲーミングチェアで採用されているシートの形状を「バケットシート」といいます。バケットシートは、肩・腰・太ももを包み込むような形状で、身体を固定しやすく、サポート力が高いといった特徴があります。また、長時間同じ姿勢でプレイしていても疲れにくいよう、背もたれが高く、座面の幅の広いものが主流です。
また、ゲーミングチェアはオフィスチェアに比べて幅がコンパクトなものが多い傾向にあります。座面・背もたれは曲線的で、背骨にフィットするような形状です。正しい姿勢でキーボード操作がしやすいので、長時間のデスクワークでも身体の負担を軽減することができるといえるでしょう。
2.リクライニング
リクライニングとは、背もたれの角度を調節できる機能です。ゲーミングチェアは130〜180度、オフィスチェアは120〜160度までリクライニングできるものが主流です。リクライニングと似た機能であるロッキングは、軽く体重をかけることで背もたれをゆらゆらと揺らせますが、調整した角度で基本的に固定することはできません。
パソコン操作が中心のデスクワークでは、傾斜角度を大きくして作業をすると正しい姿勢を保ちづらいため、リクライニング機能は主に息抜きや休憩の用途で使われます。一方、コントローラーを使うゲームは背もたれの傾斜角度を大きくして、ゆったりとプレイすることも。仮眠を取りながら長時間プレイすることもあるため、オフィスチェアよりゲーミングチェアのほうがリクライニングできる角度の幅が大きく設計されているのです。
3.ヘッドレスト
ヘッドレストは頭をサポートすることで、首や肩の負担を軽減する機能です。ゲーミングチェアは背もたれが頭まであり、多くの製品にクッション性の高いヘッドレストが付いています。リクライニングを倒したときにモニターが見やすいよう、ヘッドレストの高さや角度を調整することも可能です。
オフィスチェアの背もたれは、ローバック・ミドルバック・ハイバックの3種類があります。肩甲骨あたりまでのローバック、首あたりまでのミドルバックは一般的にヘッドレストを付けることができません。ハイバックでもヘッドレストが標準で付いているものは多くないため、オフィスチェアでヘッドレストを重視する場合は、選択肢が限られるでしょう。
4.ランバーサポート
ランバートサポートは、姿勢を正しく保つための腰当てです。背もたれの腰の位置にクッション性の高い腰当てが備わっていることで、背骨が理想的なS字カーブを描きやすくなります。ゲーミングチェアは、ほぼすべてにランバーサポートが付いており、腰への負担を軽減します。
オフィスチェアにもランバーサポートが付いている商品はありますが、安価なものだと位置を動かせない固定式のものや動かしにくいものもあるため、注意が必要です。
5.アームレスト
アームレストは肘を乗せることで、腕や肩の負担を分散できる機能です。ゲーミングチェアではほとんどのモデルで搭載されており、前後・左右・上下に調整できる高機能タイプもあります。
オフィスチェアにはアームレストが付いていないものも多く、可動は上下のみが一般的です。
また、身体の負担を軽減したり、リラックス効果を高めたりできるアームレストですが、サイズが大きくなりやすいためスペースによっては導入しづらいケースもあります。アームレスト付きの椅子を選ぶときは、デスクのサイズや通路幅などとのバランスを考えることも大切です。
6.張り地
ゲーミングチェアはPUレザー・ファブリック、オフィスチェアはメッシュ・PUレザー・ファブリックの張り地が主流です。
PUレザーはポリウレタン樹脂を塗布した、合成皮革の一種。高級感があり、お手入れも簡単ですが、長時間座っていると蒸れが気になることも。ファブリック(布製品)は、豊富なカラーバリエーションやリーズナブルな価格が魅力です。オフィスの雰囲気にマッチするアイテムを見つけやすいといえますが、水や汚れに弱い点はデメリットです。
メッシュの張り地は通気性に優れているので、長時間の座り仕事にも好適。一方で、ソフトな座り心地を求める人にはやや物足りない可能性もあります。
7.外観
ゲーミングチェアは派手なカラー・デザインが多く、レーシングカーのシートのような見た目です。スタイリッシュでおしゃれなデザインが人気ですが、近年はビジネスシーンでも使いやすい落ち着いたカラー・デザインのゲーミングチェアも増えてきました。メーカーのロゴが背もたれにプリントされていたり、蛍光色をアクセントカラーにしていたりするものもありますが、メーカーやブランドによる外観の差は大きくありません。
一方、オフィスチェアは、オフィス使いしやすいシンプルなものが大半。ホワイトやブラック×メッシュ素材のオフィスチェアは、さまざまな業界で導入されている王道の組み合わせといえます。
8.価格帯
価格帯はピンキリですが、ゲーミングチェアのほうが商品ごとの価格の差が少ない傾向にあります。ゲーミングチェアは4万円程度がスタンダードな価格帯で、7万円以上になるとハイエンドのモデルに入ります。
一方でオフィスチェアは1万円以下の安価なものから、10万円以上のハイエンドモデルまで、価格に幅があるのが特徴。
座り心地を追求するのであれば、オフィスチェアのなかでも高級ラインのエグゼクティブチェアも選択肢に加えましょう。エグゼクティブチェアとは、役職が高い人用に作られた重厚感のある椅子です。役員室や応接室で用いられるほか、在宅勤務の推進に伴って、「自宅用に購入したい」というニーズも高まっています。
なぜ仕事でゲーミングチェアを使う人が増えているのか?
コロナ禍の在宅勤務で、長時間パソコン仕事をする人が増えたことで、機能性性が高く、座り心地がよいゲーミングチェアのニーズが高まっています。一般的な家庭用の椅子は、長時間同じ姿勢で作業することには向いていないため、首・肩・腰に大きな負担がかかります。実際に、在宅勤務が原因で身体の不調を訴える人は少なくありません。
身体の負担を軽くするためには、ゲーミングチェアかハイエンドのオフィスチェアが向いています。安価ななオフィスチェアは1〜2時間の着座を想定しているものが多く、身体をサポートする機能も限られますが、高機能なオフィスチェアは、金額は上がりますが、長時間の使用でも快適な座り心地を実現します。
機能性と価格のバランスを考慮すると、ゲーミングチェアが有力な候補となるといえるでしょう。
結局ゲーミングチェアとオフィスチェアはどちらがいいの?
ゲーミングチェアとオフィスチェアは、それぞれメリット・デメリットがあります。結局どちらがいいかわからない」という方は、ゲーミングチェアに向いているケース・オフィスチェアに向いているケースを確認しましょう。
1.ゲーミングチェアに向いているケース
パソコンを長時間使用する場合は、ゲーミングチェアが向いています。ゲーミングチェアはゲームをプレイするのに特化した椅子だと思われがちですが、オフィスチェアと同様に身体をサポートするさまざまな機能が付いているため、疲れの軽減にもつながります。
「デスクで休憩することがある」「手頃な値段で座り心地や機能性を求めたい」といった方には、ゲーミングチェアがおすすめです。ただし、リクライニング角度が大きかったり、アームレストのボリュームもあるため、十分なスペースを確保する必要があります。
2.オフィスチェアに向いているケース
「オフィスの雰囲気に合わせたい」「予算内に収めたい」といった場合は、オフィスチェアが向いています。オフィスチェアは、デザインが豊富で価格の幅も広いため、目的に合ったアイテムが見つけやすい傾向です。費用を抑えて多くの椅子を用意したいときは、1万円以下のリーズナブルなモデルも豊富にあります。
また、「デスクワーク中心の仕事で、予算が豊富にある」という場合は、快適な座り心地を実現するエグゼクティブチェアや、高い機能性を持つエルゴノミクスチェアがおすすめです。ただし、いずれも同レベルのゲーミングチェアと比べると価格が高く、10万円以上することも珍しくありません。
仕事用の椅子は「用途」「正しい姿勢が保てるか」で選ぼう!
仕事用の椅子は、人によって向いているものが異なります。たとえば、立ったり座ったりすることが多い業務・スペースが限られている職場などは、ローバックのオフィスチェアが便利です。
また、長時間座るのであれば、ゲーミングチェアでもオフィスチェアでも「正しい姿勢が保てるか」が重要となります。どのような種類の椅子でも、座ってみないと身体にフィットするかはわかりません。
座り心地や機能性を確認するためには、どの種類の椅子であっても、試し座りしてみるのがおすすめです。
オフィスの椅子選びに困ったら「ソーシャルインテリア」にご相談ください
オフィス勤務・在宅勤務に関わらず、ゲーミングチェアを採用するケースが増えています。ゲーミングチェアは、身体をサポートするさまざまな機能が搭載されており、疲れにくいといった特徴があります。一方で、オフィスチェアにも魅力があり、どちらのほうが良いかとは言い切れません。
仕事用の椅子は、座り心地や機能性によって業務効率が大きく変わります。「従業員が快適に働ける椅子を導入したい」という方は、ソーシャルインテリアにご相談ください。ソーシャルインテリアは、家具のサブスクリプションサービスを提供しており、様々な種類のチェアを取り扱っています。
オフィスのデザインや社員の方の業務内容に応じて、向いているオフィス家具をご提案いたしますので、お気軽にお問い合わせください。