近年、新しい働き方として導入する企業が増加しているリモートワーク。一方で、トラブルが起きたり、生産性が低下したりと問題が出ている企業も存在します。リモートワークの導入を成功させるポイントとはどこにあるのでしょうか。
この記事では、リモートワークが持つメリットやデメリット、導入時の注意点を解説します。「リモートワークを取り入れようか迷っている」「導入したはいいが、思ったほど成果が出ていない」などの悩みを抱えている企業の担当者様はぜひ参考にしてみてください。
目次
リモートワークとは?
リモートワークとは、会社のオフィス以外の離れた場所に勤務する働き方で、日本では主に在宅勤務を指す言葉として使われています。
近年ではインターネットの発達により、社外での勤務が容易になったため、仕事とプライベートを両立できる柔軟な働き方としてリモートワークを導入・検討する企業が増えてきました。
リモートワークやハイブリッドワークにも対応する最新のオフィストレントについて、以下でまとめています。ぜひ参考にしてください。(無料ダウンロード)
1.リモートワークの普及率
総務省が発表している『令和3年度版 情報通信白書』によると、2021年3月時点における日本のリモートワーク普及率は38.4%です。2020年4~5月にかけては新型コロナウイルス流行の影響もあり、55.9%~56.4%と高い割合でしたが、6月以降は低下しており、30%代が続いています。
企業規模別では大企業69.2%に対し、中小企業は33%と半分以下の割合しかありません。一方、大企業では一旦低下していた普及率が7割近くまで回復しており、リモートワークがある程度定着しているといえるでしょう。
業界別では、情報通信(55.7%)、学術研究(43.2%)、金融保険(30.2%)などで実施率が高く、反対に医療・介護(4.3%)、宿泊・飲食(11.1%)、運輸(11.3%)といった業界では普及が進んでいない状況です。
2.リモートワークが普及した背景
日本でリモートワークが普及した理由として、最初にあげられるのがIT技術の進歩や働き方の多様化です。IT技術の普及はオフィス以外での勤務が容易な環境を生みました。
さらに、働き方改革や人材不足の影響により、出社の難しい遠隔地在住者をリモートで雇用して優秀な人材を確保しようとする企業やワークライフバランスの充実を目指して多様な働き方を認める企業が増えたのも要因の1つです。
ほかに、自然災害や感染症の拡大も普及に関係しています。東日本大震災を契機に、職場が被害を受けても事業を継続できるよう、リモートワークを導入する企業が増加しました。
また、2020年の新型コロナウイルス感染拡大も大きな影響を与えており、4~5月の緊急事態宣言時には、企業のリモートワーク導入率を50%以上の高い割合へと上昇させています。
3.リモートワークとテレワークの違い
リモートワークに似た言葉として使われているのがテレワークです。一般的には、どちらも同じ意味にとられていますが、厳密には違いがあり、テレワークにはきちんとした定義が決まっています。
テレワークとは、「情報通信技術(ICT)により時間や場所を有効に活用できる働き方」を指す言葉です。総務省や厚生労働省、一般社団法人日本テレワーク協会などの機関で使用される正式な用語になっており、国の出版物やwebページではこちらの表記に統一されています。
在宅勤務はテレワークの一種ですが、必ずしも在宅勤務だけを意味する言葉ではありません。ただ、通常は区別されておらず、普段の業務ではリモートワークとテレワークを同じ意味に使用してもかまわないでしょう。
企業がリモートワークを導入するメリット
リモートワークは、企業と社員の双方にとって様々な利点をもたらす勤務形態です。ここでは、パフォーマンスの向上や業務の効率化、コスト削減など、リモートワーク導入が会社に与えるメリットについて解説します。
1.従業員のモチベーション・パフォーマンスが向上する
従業員にとってリモートワークは、スケジュールや働く場所を自由に選べるうえ、オフィスよりもリラックスして仕事に取り組める魅力的な働き方です。在宅勤務を実施している社員はオフィスと比べて、業務への意欲が高まり、満足度が向上する傾向があります。
また、通勤時間や余計な会議、残業などがなく、時間的余裕が生まれるのもメリットの1つです。プライベートの時間をとりやすく、さらなるモチベーションアップが期待できるほか、睡眠時間を多くとれるようになるため、身体的・精神的なストレスが軽減され、パフォーマンスアップにもつながるでしょう。
2.業務の可視化・効率化が進む
リモートワークは業務の効率化にも貢献します。在宅勤務はオフィス勤務より、社員のタスクが明確化されるのが特徴です。予定通り仕事をこなすためには、情報共有や資料の電子化により効率的に作業を進めていく必要があり、結果として従業員の業務改善につながります。
さらに、企業側でも従業員1人ひとりがこなす業務量や業務スピードが可視化できるため、社員への評価や業務の切り分け、割り振りがやりやすくなるでしょう。今まで放置されていた無駄が省かれて業務内容や仕事量の見直しが進めば、業務効率はもちろん、長時間労働の改善も期待できます。
3.通勤コストを削減できる
リモートワークなら、出社の必要がなくなるため、企業と従業員それぞれの通勤コストが削減可能です。
従業員にとって、通勤時間がなくなるのは大きな利点で、空いた時間を業務やプライベートなど別の目的に活かせます。また、長時間通勤は従業員にとって大きな負担になるため、通勤ラッシュによるストレスがなくなれば、心身の健康にもつながるでしょう。
企業にとっては定期代などの交通費による費用負担を減らせるのがメリットです。毎月の通勤費精算など会計処理の手間もなくなるため、事務作業にかけるコストも削減できます。
4.従業員のワークライフバランスを改善できる
自宅での時間が増えるため、仕事と私生活のバランスをとりやすくなるのもリモートワークがもつ利点の1つです。通勤時間の削減や業務の効率化によって浮いた時間で、家族や友人と過ごしたり、趣味に取り組んだりとプライベートを充実させられるようになります。
精神的な余裕が出てくるため、資格取得などの学習や自己研鑽、副業や資産運用などをはじめる社員もいるでしょう。ワークライフバランス改善により、従業員のストレスが減り、新たなモチベーションが生まれれば、本業の生産性向上につながるため、企業にとってもメリットが期待できます。
5.固定費を削減できる
多くの従業員が在宅勤務になると、オフィスに出社する人数が限られるため、従来よりも固定費・維持費を削減できます。利用者が減れば、今までのように広い空間は必要ありません。小規模なオフィスに移転すれば、毎月の家賃、光熱費の節約はもちろん、デスクやイスなどオフィス設備にかける費用も減らせます。
書類を電子化してやり取りするようになれば、紙や文房具など消耗品費の削減にもつながるでしょう。
新しいオフィスに引っ越した後は、オフィス空間の再構築についても検討するのがおすすめです。必要な家具・設備も従来よりも少数で済むため、購入ではなく、レンタルにするとさらにコストを抑えられます。高級品やおしゃれなオフィス家具のレンタルもあり、上手く使えば、費用を減らせるだけでなく、これまでより充実したオフィスにできるでしょう。
6.多様性を認めることで優秀な人材を確保できる
在宅勤務を認めれば、従来は様々な事情から採用できなかったり、会社を辞めざるを得なかったりした社員も働けるようになるため、優秀な人材の確保につながります。離れた場所に住んでいて通勤が難しい、育児や介護などで他の従業員と同じ働き方ができないといった社員でも勤務を続けられるのがリモートワークです。
事業内容以外の理由で辞める社員を減らせば、従業員の定着率アップにつながり、企業イメージも向上します。また、障害のある人や海外在住者など、これまで採用が難しかった優秀なスキルを持った人材を雇用できるかもしれません。多様な従業員を受け入れれば、優秀な人材が集まりやすくなり、会社の発展にもつながるでしょう。
7.非常時でも業務を継続できる・BCP対策になる
リモートワークは災害や感染症など非常時のBCP対策としても期待できます。BCP(Business Continuity Plan)とは、災害や事故など不測の事態が起きた場合に、どのように被害を抑えて事業を継続・復旧させるかの対策計画です。
全従業員がオフィスで働いていると、災害発生時に全員が被災してしまう可能性があり、在宅勤務による分散はBCP対策に有効といえるでしょう。また、新型コロナウイルス感染症への対策としても、同じ空間で働く人数を減らせば、飛沫・接触感染リスクを低減させられます。
しっかりしたBCP対策があれば、緊急時にも事業継続が可能になり、利益はもちろん、顧客からの信頼にもつながり、企業の評価も高まるでしょう。
企業がリモートワークを導入するデメリット
企業にとって多くのメリットがあるリモートワーク。しかし、一方で情報漏洩や業務管理、社員との意思疎通などに問題が生じる恐れもあり、採用する際には注意が必要です。在宅勤務の導入が企業者や従業員にもたらすデメリットについて解説します。
1.情報漏洩のリスクが高まる
リモートワーク導入時に大きな問題になるのがセキュリティ面のリスクです。在宅で業務を行うには、自宅での社内システム利用や重要データの閲覧などが必要になり、ウイルス感染などによる情報漏洩のリスクを高めます。顧客情報の流出などが起きれば、企業にとって大きなダメージです。
事前にシステム環境を整備すれば、ある程度の対策は可能ですが、完全に防げるとは限りません。また、パソコンやUSBなど、端末や記憶媒体そのものが盗難・紛失に遭う可能性は残ります。複数の従業員が社外で業務を行う以上、完全にリスクを排除するのは難しいでしょう。
2.管理側が労働実態を把握しにくい
企業側が従業員の勤務実態を把握しにくくなるのも、リモートワークの欠点の1つです。始業・就業時間や勤怠、タスク・スケジュールの進捗状況などを把握するのに手間がかかってしまい、問題が起こっても、見落としやフォロー遅れが発生する恐れがあります。
オフィスでの勤務と違い、しっかりと可視化しないと、従業員がどれくらいの時間働き、どこまで業務を進めているか確認しにくくなります。在宅勤務では、勤怠やタスク管理など、マネジメント面のシステム作りが必要になるでしょう。
3.従業員が心身不調に陥りやすい
リモートワークで人と接する機会が減ると、自分1人だけで働いている感覚が強くなり、孤独感が精神的な負担になってしまう従業員もいます。しかし、職場と違い、上司や同僚が異変に気づいたり、産業医の診断を受けたりできません。
結果、孤立を深めてしまい、精神的に不調をきたす従業員が出てくる可能性があります。また、通勤時間削減による運動不足や長時間のパソコン作業から来る眼精疲労・腱鞘炎など、身体面でのトラブルも起こりやすいので注意が必要です。
4.コミュニケーションが不足する
社内でコミュニケーション不足が発生しやすいのも、リモートワークがもつデメリットです。オンラインでのやり取りは、対面の会話に比べて情報量が少なく、必要最低限になりやすい傾向があります。
たとえば、Web会議で話している人だけを集中して映されると、他の参加者がどんな表情や態度で聞いているか分かりません。また、雑談など従業員同士が親交を深める機会も減少します。結果的に、コミュニケーションが希薄になり、会社が1つのチームとして機能しにくくなる可能性もあるでしょう。
5.モチベーション・生産性が下がるケースがある
モチベーションや生産性向上はリモートワークのメリットといわれていますが、場合によっては、逆に効率を落としてしまうケースもあります。在宅勤務がもつデメリットの1つが、仕事とプライベートの区別がつきにくく、オン・オフの切り替えが難しい点です。
いつまでも作業を止められず、無駄な長時間労働に陥ってしまう社員も少なくありません。結果、常に仕事の緊張状態が持続するため、リフレッシュできず、やる気も生産性も上がりづらくなります。
リモートワーク導入を成功させるための12のポイント
リモートワークがもつ多くのメリットは、企業と従業員の双方にとって魅力的です。しかし、適切に運用されなければ業務改善にはつながりません。デメリット防止には、きちんとした対策が必要です。
ここからは、リモートワークの導入を成功させるために注意すべき12のポイントを紹介します。
1.明確な導入目的を社内に周知する
自社でリモートワークを導入する際には、はじめに目的を明確にするとともに、従業員にも周知しておきましょう。
「通勤など余計な時間を減らして業務に集中してほしい」「従業員のワークライフバランスを向上させて働きやすい会社にしたい」「出産や介護で辞めて社員を減らし、人材の確保に努めたい」「新型コロナ感染症対策としての一時的なもの」など、在宅勤務の導入目的はさまざまです。
何のためのリモートワークか分からなければ社内に混乱を起こし、上手くいかない恐れがあります。成功させるための工夫としての1つとして、目標を決める際、従業員にアンケートをとるのが効果的です。現場の声からは、何を実現すべきか、より具体的な課題が見えてくるでしょう。
2.就業規則を見直す
リモートワーク導入で問題になるのが、これまでの就業規則を変更すべきかどうかです。基本的に、働き方が従来と変わらなければ、見直す必要性はありません。ただ、次の項目で変更がある場合は、見直しの必要が出てきます。
- 在宅勤務の対象者
- 労働時間(裁量労働制など労働時間が変更になる場合)
- 費用負担(業務で使用するパソコンやインターネットの通信費は誰が負担するかなど、業務上の費用負担が変わる場合)
- 残業代、通勤費等の計算
- 人事評価制度
- 勤務時の服装規定 など
就業規則を見直す際は、在宅勤務とそれ以外で格差が出ないよう注意し、変更後はどこがどのように変わったのか、従業員への周知徹底を図りましょう。
3.セキュリティ対策を強化する
リモートワークでは、情報漏洩などのトラブルを防ぐため、セキュリティ対策が重要です。自由度が高いと社員の行動も甘くなりやすいため、どこまで許容されるのか、きちんとルールを設定しましょう。
たとえば、自宅で仕事をするなら、会社のパソコンを社外に持ち出す必要があるため、持ち出し禁止のルール変更はしなければなりません。しかし、どこで使っても良いわけではなく、カフェのように画面の覗き見やパソコンの盗難に遭うリスクがある場所では使用禁止にすべきでしょう。
ほかにも、私物パソコンには必ずセキュリティソフトを導入する、フリーWi-Fiやクラウドサービス、USBなどの記憶媒体は使用しないなど、普段の何気ない行動が在宅勤務では取り返しのつかない結果を招く恐れがあるため、しっかりした規則作りが大切です。より強力なウイルス対策ソフトやセキュリティが高いITツールの導入も検討しましょう。
4.ITツール・システムを導入して適切な労務管理を徹底する
リモートワークでは、従業員の業務把握が難しくなるため、ITツールやシステムを利用した適切な労務管理が求められます。業務とプライベートが曖昧になってしまうと、長時間労働が起こりやすく、身体・メンタルの両面から健康に悪影響を与える可能性もあるでしょう。
企業は勤怠管理システムやログ管理ツールの導入により業務を可視化し、現在の業務量で問題がないかの把握を行いましょう。進捗管理が適切なら、特定の社員だけに負担をかけずに済み、自己管理ができずにサボってしまう社員の防止にもなります。
ただ、行き過ぎた監視は、従業員のモチベーションやパフォーマンスを低下させる恐れがあるため注意が必要です。定期的な報告や稼働連絡などのルールを設定し、過干渉にならない範囲できちんと情報を共有できるようにしましょう。
5.健康管理・ストレスチェックをオンライン化する
リモートワークは健康リスクが生じやすく、ケアが行き届きにくい働き方のため、オンライン化や管理ツールの導入により、しっかりとした健康管理体制を作りましょう。
健康診断や産業医との面談にオンラインを利用すれば、従業員の負担を軽減するとともに、診断履歴やストレス判定などデータ管理も容易になり、個人への丁寧な対応へつながります。体調チェックができるアプリやツールの導入も効果的です。
また、適切な作業量の調整やメール返信時間の制限による長時間労働の抑制など、日々の業務でも社員の健康リスクへ配慮を行いましょう。従業員とは積極的にコミュニケーションをとり、不調のサインがあれば、早期発見できるようにするのも大切です。
6.健康増進を促す福利厚生を導入する
リモートワークを行う際は、健康増進をサポートでき、従業員の満足度向上にもつながる福利厚生を積極的に取り入れていきましょう。社員の健康管理に役立つ福利厚生には、健康診断・人間ドック、食事補助、ジム・ヨガの利用補助、社内サークル、パワーナップ(昼寝)制度などがあります。
健康診断による不調の早期発見はもちろんですが、他にも運動による健康的な体作りのサポートや健康維持には欠かせない食事面での補助、昼寝を利用した業務効率の改善、社員同士の親睦を深めるサークル活動やレクリエーションなど、さまざまな制度を選択可能です。自社に合ったものを導入すれば、会社にとっては生産性向上につながるメリットがあり、社員からも歓迎されるでしょう。
7.ITツールの導入・ルールの作成でコミュニケーション不足を防ぐ
リモートワークを実施する際、大きな課題になるのが社内でのコミュニケーション不足です。在宅勤務は雑談もなく、連絡をとってもすぐに返事が来るとは限りません。オフィスで働く場合と比べて、コミュニケーションがとりにくく、結果、仕事に支障が出る恐れがあります。
こうしたコミュニケーションの改善に効果的なのが、ビデオ通話やチャット、web会議など、双方向で意思疎通が可能なツールの導入です。導入にあたっては、定期的な情報共有や連絡可能な時間の設定、緊急性に応じたツールの使い分けなど、ツールを上手に利用するためのルール策定も行いましょう。また、雑談専用のチャットスペースを設けるなど、意識的に従業員同士が親睦を深め、休憩や息抜きができる工夫も大切です。
8.ペーパーレス化を実現する
リモートワークの導入には、業務のペーパーレス化が不可欠といえます。社内の書類をいちいち自宅に持ち帰っていたのではスムーズな仕事はできません。在宅勤務をする従業員同士で紙の書類をやり取りするのは、かなり無駄な時間といえるでしょう。さらに、紛失が起きれば、情報漏洩などトラブルの元にもなりかねません。
効率的な業務のためには、社内文書の電子化は必須です。とはいえ、企業によっては紙文化が根付いているところもあるため、まずは社内でペーパーレスの重要性についての認識の共有を進めましょう。その上で、必要なツールやシステム、バックアップを導入し、社内に作業チームを立ち上げて、在宅勤務で使用する書類から優先的に電子化に取り組んでいきましょう。
9.企業側が快適な作業環境を整備する
リモートワーク導入の際には、業務に必要なツールや作業環境を企業側で用意しましょう。従業員に任せきりにすると、それぞれ作業環境が異なり、業務に支障が出る可能性もあります。クラウドツールやチャットツール、ビデオ会議、勤怠管理などの業務ツールやシステムは管理のしやすさや情報漏洩対策もあるため、企業側が自社に合ったものを選定・整備しましょう。
また、デバイスや通信環境の整備も必要です。パソコンなどの端末は、企業が貸し出すか、必要なら購入費用を負担しましょう。インターネット利用料など通信にかかる費用も同様です。厚生労働省がテレワーク普及のため実施している助成金もあるので、利用を検討してみてください。
10.人事評価制度を再構築する
リモートワークを導入するなら、人事評価制度も在宅勤務に対応できるものへと変更する必要があります。リモートでは、オフィスのように上司が働きながら部下の様子をチェックして評価できません。
働き方を把握しにくく、コミュニケーションも減ってしまう在宅勤務の人事評価は難しく、部下の側でも自分の働きぶりを分かってもらえていないと不満をもつ可能性があります。きちんと制度を再構築しなければ混乱を招くでしょう。
人事評価制度では、従業員のタスクや目標を明確に定め、達成までのプロセスに細かい評価基準や項目を設けて、働き方をできる限り可視化する必要があるでしょう。また、部下が不満を感じないよう、上司との間で定期的にコミュニケーションがとれる仕組み作りも大切です。
11.ポジションに応じた研修を行う
リモートワーク導入時には、それぞれのポジションに応じた研修を実施しましょう。はじめに全従業員を対象として、在宅勤務の導入によって何が変わるのか、今後はどういった働き方になるかを説明し、リモートワーク導入の概要や目的意識の共有を目指します。
一般の従業員であれば、その後は業務・勤怠管理を行うシステムやチャットツールの使い方などの利用方法や運用の仕方を学習してもらいましょう。管理職なら、従来と違うマネジメントへの理解やスキルの習得も必要です。
また、セキュリティ面に関しては、システムをいくら強化しても不用意な行動が情報漏洩につながるため、研修によって全従業員に周知徹底を行い、1人ひとりの意識を変えていく必要があります。
12.オフィス契約を変更する
リモートでの働き方を導入する際は、同時にオフィス契約も見直しましょう。従来のように多くの従業員が出社する機会もなくなるため、オフィスのレイアウト変更や規模の縮小を検討すべきといえます。
固定席をなくしたり、備品を必要最低限に減らしたり、今までの物件を解約して規模の小さなところに移転したりと働き方に合わせてオフィスにも変化が必要です。実際、新型コロナの影響でリモートワークが増加したのを受け、オフィス環境を見直す企業も増加しています。
ただ、チームの作業スペースや従業員同士の交流の場としてオフィスを活用している例もあり、必ずしも簡素化だけが正解とはいえません。何が自社にとって最適かを考え、オフィス環境を構築していくのが重要といえるでしょう。
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リモートワークの導入は従業員の働き方を大きく変えるだけでなく、オフィス環境にも変革をもたらします。在宅勤務に最適なオフィスの構築にお悩みの方は、ぜひオフィス空間の構築や課題解決をトータルにサポートするソーシャルインテリアへご相談ください。
ソーシャルインテリアのオフィス構築支援なら、リモートワーク導入に伴うオフィスレイアウト変更による固定費の削減も相談可能です。また、オフィス家具のサブスクリプションサービスにより、リモートワークに伴う人数変化にも柔軟に対応しやすく、コストを抑えて理想的なオフィス環境を実現します。
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