
吸音パーテーションの活用シーンは?オフィスの騒音対策について
狭いオフィスやワンフロアのオフィスだと、電話や打ち合わせなど周囲の音が気になる物です。オフィス内の騒音でお悩みの場合、吸音パーテーションを活用することで改善が見込めます。
この記事では、吸音パーテーションの役割と活用シーン、オフィスの騒音対策方法について紹介します。騒音によるトラブルの解消や生産性の向上を目指している企業の担当者の方は、ぜひご覧ください。
目次
吸音パーテーションとは?

吸音効果が備わっているパーテーションで、区切られた範囲内の物音や話し声などが外に漏れにくく、音漏れ防止や騒音対策に役立ちます。
どの程度吸音できるかは吸音率で示され、数値が低いほど吸音性が高いことを表します。特に音が反響しやすい場合に効果的で、オフィス以外に、シアタールームや音楽教室における音質の調整も可能です。
吸音パーテーションが騒音を減らす仕組み
吸音パーテーションが騒音を減らす仕組みである「吸音」とは、空気中に伝わる音のエネルギーを反射せずに吸収し、反射音を抑える作用のことです。音は空間の中で壁や天井、床などによって反響するため、音エネルギーが増幅されて大きく聞こえます。
吸音材は多孔質素材でできており、音が吸音材を通過した際、摩擦によって音エネルギーが熱エネルギーへと変換されます。よって音が持つ反射エネルギーが抑制され、騒音レベルを下げることができるのです。
吸音と騒音対策に使われるその他の用語との違い

騒音対策に効果的な「防音」には、吸音以外にも種類があり、どれを使うかによって得られる効果が変わります。ここでは、最適な騒音対策を取り入れるために必要な知識として、吸音以外の3つの用語について解説します。
1 遮音
「遮音」とは、空気中で伝わる音を遮断して、外からの音の侵入または外部への音漏れを防ぐことです。外へ音が透過しないように、遮音材などを使って跳ね返す作用を指します。遮音材の材質や量によって遮音する周波数が変わります。代表的な素材は、鉄板やコンクリート、石膏などです。
ただ、遮音性を高めすぎると、必要以上に音が反響してしまい、不要な音質の変化や聞き取りにくさの原因となる可能性があります。遮音損失など数値を使って、適切な遮音対策を行うことが重要です。
2 防振
「防振」とは、衝撃による振動を吸収し、音を低減させることです。物体の間に防振材を置くと、クッションとなって衝突した際の振動の伝わりを抑えるため、固体音が低減します。防振材には柔らかい素材が多く使用されています。
例えば、マンションの上階の足音や物音が、下のフロアに響く騒音問題は、床と足や物の衝突によって起こる振動が原因です。防振効果の高い床構造を用いることで、騒音対策が可能です。
3 制振
「制振」とは、物体が衝突した際に発生する振動を、衝突された側で吸収して音の発生を防ぐことです。防振と似ていますが、防振は物体間に防振材を施すことで振動の伝達を低減させるのに対し、制振は物体そのものの振動を抑える点が異なります。
防振材を設置できない環境下では、物体の振動によって伝わる音を制振によって防音します。身の回りの例でいうと、給排水管の振動に対し、ゴムや布地など粘弾性のある素材で包むことで壁への伝達を防げます。
吸音パーテーションが活躍するシーン

ここからは、騒音対策として吸音パーテーションが役立つシーンを見ていきましょう。吸音パーテーションは設置するだけで騒音の低減や抑制といった効果が期待でき、オフィスや店舗、公共施設など幅広いシーンで活躍します。
1 オフィス
オフィスにおいて、快適に日々の業務を行う上で騒音対策は重要です。外部からの余計な音声によって業務に集中しにくくなり、作業効率の低下を招きます。個人のデスクにおいて周囲の会話や物音が大きいと、仕事中のストレスにもつながるでしょう。
壁面に取り付けられるタイプなら、必要な枚数を自由に取り付けて防音効果を高められます。個別デスクの間仕切りとして使えるタイプは、コールセンターなどで周囲の会話による影響を抑えるためにも有用です。
2 会議室・応接室
会議室や応接室は、重要な情報が飛び交う空間であり、情報漏えいやプライバシー確保を防ぐためにも音漏れ対策が必須です。外部から音が侵入すると、スムーズな会話が成立しにくく、コミュニケーションの弊害から業務進捗の遅延なども考えられます。
ビデオ会議における反響音の低減や、外部からの音の侵入防止として吸音パーテーションが有用です。応接室に設置すれば、顧客との会話や機密情報が外部に漏れるリスクを回避できます。
3 休憩室
休憩室は、社員が雑談できて自由に過ごせる空間ですが、音声が外に漏れないように防音対策を行う必要があります。しかし、応接室の近くに休憩室がある場合や、クライアントが休憩室の目の前を通る際に、雑談内容が漏れてしまうリスクがあります。
社員がリラックスして過ごせるためにも、適切な防音対策として吸音パーテーションが役立ちます。設置するだけで、休憩室内の音声が外に漏れにくくなり、即効性も期待できます。
4 病院
病院や医療機関では、さまざまな場面で防音性が求められます。医療機器やスタッフの音声が廊下に響きやすいと、精密検査や聴力検査などでは正確な検査結果が得られない可能性があります。また、入院者や訪問患者にとっては、心が休まる居心地の良い環境が必要です。
各検査室に吸音パーテーションを設置することで、静かな環境で集中して検査を受けられます。診察室やカウンセリングルームでは、患者の状態や症状など情報漏えいを防ぎ、プライバシー保護に役立ちます。
5 音楽・映画鑑賞
音楽鑑賞や映画鑑賞では、外部への音漏れ対策として吸音パーテーションの設置が効果的です。低音スピーカーで音楽を流す場合、重低音の振動が他の部屋や隣の住宅に響き、迷惑がかかる可能性があります。
また、音が反響しすぎると、音楽や映画の音声が聞こえにくくなってします。シアタールームやオーディオルームで適切な吸音パーテーションを設置することは、騒音対策だけでなく作品を楽しむという目的でも役立ちます。
6 楽器演奏
楽器を演奏する場合にも、防音対策として防音パーテーションがおすすめです。ピアノやエレキギター、ドラムなど音が大きい楽器の場合、防音パーテーションを設置することで、他の部屋や近隣住宅への音漏れを防止できます。
ただ、楽器の音が吸収されすぎると、外で演奏した時と違う音に聞こえるなど演奏に違和感が生じる可能性があります。気持ちよく演奏するためにも、吸音性が極端に高いものよりも、吸音性と音漏れのバランスを考えて防音パーテーションを選ぶことが大切です。
吸音パーテーション以外の騒音対策

吸音パーテーションが設置できない場所や、対策として不十分なケースには他の騒音対策も考慮する必要があります。ここでは、吸音パーテーション以外の騒音対策方法を紹介します。
1 ドアや壁の隙間を埋める
ドアや壁に隙間があると、音漏れが起きやすいため注意が必要です。密閉された空間であっても、ドアや壁に細い隙間があると、メガホンのように集中的に音が放出されてしまいます。
ドア下や壁と天井との隙間を、遮音材や防音テープを使って埋めておきましょう。吸音パーテションを置く場合にも、隙間ができていないかチェックしておくと安心です。
2 防音マット・カーペットを敷く
防音マットや防音カーペットを敷くことで、下のフロアへ響く音を緩和できます。オフィスの床に敷けば、人が歩く音や荷物を運搬する物音などを軽減でき、業務に集中できる環境づくりが可能です。賃貸物件の場合は、床の傷や汚れの予防としても役立ちます。
ただし、部屋の音漏れや外部からの音の侵入に対しては効果は薄いため、吸音パーテーションなどと組み合わせることでより高い効果が見込めるでしょう。
3 防音パネルを設置する
防音パネルは、簡単に設置できる騒音対策アイテムです。多くの防音パネルは、マグネットやシール、マジックテープなどで壁やプレートに取り付けられます。特別な工事不要なため、取り外ししやすく柔軟に扱えます。
音が響きやすい会議室などで、空間内の反響を減衰し、防音効果が得られます。効果的な枚数や設置位置を確認した上で使用することが大切です。商品によっては、設置用に鉄板プレートなどが必要な場合があるので、取り付け方に注意しましょう。
4 サウンドマスキングを導入する
サウンドマスキングとは、日常の生活音やヒーリング音楽などをバックグラウンドで流すことで、室内の音声を上書きする方法です。雨音やエアコン音など、騒音と同程度の周波数を持つ背景音があることで、雑音が紛れ、結果として騒音が感じにくくなります。
物音がほとんどない静かな空間では、ごく小さな雑音や遠くの人の話し声が急に耳につく場合があります。サウンドマスキングを活用すれば、気にならないレベルの音で、聞こえたくない音の影響を軽減させることが可能です。
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オフィスの騒音対策は、快適な労働環境を維持するために重要です。業務効率や従業員のモチベーションの低下を防ぐためにも、各部屋に応じた吸音パーテーションの導入が役立ちます。吸音パーテーションは特別な工事やコスト不要で設置でき、防音対策の中でも即効性が高い点が魅力です。空間や条件によっては、吸音パーテーション以外の騒音対策も追加することで、作業に最適な環境が実現します。
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