レイアウトがしやすく、オフィスデザインの変更にも適しているタイルカーペット。床の保護や防音対策にも役立つため、リノベーション時に導入を検討する企業もあるでしょう。
しかし、家庭用タイルカーペットとは異なり、オフィスの特徴や使用場所に合わせた機能性を考慮しなければいけません。
本記事では、オフィス用と家庭用のタイルカーペットの違いをまとめました。オフィス用タイルカーペットの主な種類や導入時のポイントもお伝えします。
目次
オフィスでタイルカーペットを使用するメリット
オフィスにタイルカーペットが選ばれるのは、おしゃれ感が演出できるという理由だけではありません。他のフローリング素材にはない、以下3つのメリットがあります。
- 取り外し・交換がしやすい
- 種類が豊富で自社らしさを出せる
- 色やデザインでエリアを区切れる
それぞれのメリットを具体的に解説しましょう。
1.取り外し・交換がしやすい
大人数が出入りするオフィスは床が汚れやすく、こまめに掃除をしなければいけません。一部分だけを取り外せるタイルカーペットなら、掃除はもちろん交換もしやすいため長く清潔に使用できます。
さらに、レイアウトに合わせて配線を追加したり、乱雑なケーブルを床下に隠せたりとAOフロアの配線変更も容易です。
2.種類が豊富で自社らしさを出せる
オフィスのタイルカーペットは、素材・カラー・柄が種類豊富で自社らしさを演出できます。単色で統一する他、市松貼りで遊び心を加えるなど多彩にデザインできるため、オフィスのコンセプトや企業カラーに合わせたコーディネートが叶います。
その他、耐久性が高いナイロンや色褪せしにくい原着パイルなど機能面も多種多様です。
3.色やデザインでエリアを区切れる
多彩な演出ができるオフィスのタイルカーペットは、エリアを区切る際にも有用です。
近年ではオフィス内でのコミュニケーションが重視され、ワークスペースや休憩エリアを分けないオープンなレイアウトが主流になりつつあります。タイルカーペットを導入すれば、仕切りを設けずに空間に応じたデザインが可能です。
オフィス用タイルカーペットと家庭用タイルカーペットの違い
オフィス用タイルカーペットを選ぶ際に、家庭用タイルカーペットを選ぶ感覚でいると、のちに不便が生じる恐れがあります。とくに機能性は家庭用タイルカーペットと大きく異なるため注意が必要です。
1.オフィス用タイルカーペットの特徴
オフィス用タイルカーペットは、デザイン性と優れた機能面が特徴です。
家庭用とは異なり土足を想定しているため、一般的にはナイロンやポリプロピレンなど、防汚性・耐久性・耐摩耗性が高い素材が使用されています。裏面はPVC(ポリ塩化ビニル)が多く、専用ボンドで施工するため簡単にはがれる心配はありません。
一般的なサイズは50cm角ですが長方形や六角形などもあります。簡単にエリアを区分できるようカラーも豊富に用意されています。
2.家庭用タイルカーペットの特徴
家庭用タイルカーペットは肌触りの良さが特徴です。素足で使用することを想定しているため、柔らかさや快適性に優れたカットパイルが多く用いられます。
裏面はフェルト素材が主流で、吸着加工によって置くだけで固定できるものが一般的。洗濯機で丸洗いできる製品もありケアにも手間がかかりません。
オフィス用タイルカーペットと比べて耐久性・防汚性は高くないものの、サイズや形状が豊富で間取りに合わせて取り入れられます。
タイルカーペットのパイルの種類
タイルカーペットのパイルは、以下の3種類に分けられます。
パイルの種類 | 特徴 |
ループパイル | タオルの毛のようにループ状をしているパイル弾力性と耐久性があり、へたりにくい人の出入りが多い場所におすすめ |
カットパイル | ループをカットして毛先をそろえたパイル柔らかな肌触りと防音性に優れている歩行量が少ない部屋におすすめ |
カット&ループパイル | ループパイルとカットパイルを混合したパイル柔らかさと弾力性がある繊細な柄や風合いが特徴 |
オフィス用タイルカーペットの主な種類
オフィス用タイルカーペットは大きく分けて以下の5種類があります。
- ポリプロピレン製タイルカーペット
- ナイロン製タイルカーペット
- ポリエステル製タイルカーペット
- のり付きタイルカーペット
- パターン柄タイルカーペット
それぞれ設置方法・機能性・メリットが異なるため、オフィス環境や従業員のニーズに応じた選択が重要です。各特徴について詳しく解説しましょう。
1.ポリプロピレン製タイルカーペット
ポリプロピレン製のタイルカーペットは、オフィス用のタイルカーペットとしてナイロン製と並ぶメジャーな素材です。
ナイロン製よりも耐久性に欠けるものの、水や油に強く防汚性に優れています。軽量に加え導入コストが比較的安価なため、レイアウト変更や交換がしやすい点が魅力です。歩行量の少ないオフィスに向いています。
2.ナイロン製タイルカーペット
ナイロン製タイルカーペットは、耐久性・摩耗性・防汚性に優れています。大規模オフィスや来客の多いオフィスにおすすめです。オフィス内では、とくに歩行量の多い執務スペースやエントランスに採用しやすい素材といえるでしょう。
ポリプロピレン製より導入コストはかかるものの、へたりにくいため長期的なコスト削減に役立ちます。
3.ポリエステル製タイルカーペット
ポリエステル製タイルカーペットは、肌触りの良さが大きな魅力です。そのため、靴を脱いで寛げる休憩スペースや床に着座して作業できるワークスペースなど、リラックス感を演出したいエリアに適しています。
また、色褪せが目立ちにくく長期間美しい見栄えをキープできるため、応接間などの来客スペースにも採用しやすいでしょう。
4.のり付きタイルカーペット
のり付きタイルカーペットとは、カーペットの裏面にのりが付いているタイプのタイルカーペット。専用接着剤を準備する手間や施工費用がかかりません。
また、手軽に再設置や取り外しができるため、オフィスのレイアウト変更が容易に行えます。ただし、利用頻度が高い場所ではズレる恐れがあるため、人通りの少ないエリアに設置しましょう。
5.パターン柄タイルカーペット
パターン柄タイルカーペットとは、1つのタイルに細かな柄が施されたタイルカーペットです。多彩な柄を組み合わせることでオリジナリティ溢れる空間を演出できる他、スタイリッシュでモダンな印象を与えられます。
スタンダードなストライプ柄や花柄など、パターンは多種多様。また、同じ柄でも縦目と横目を交互に並べた市松貼りなども楽しめます。
タイルカーペット導入時のポイント
タイルカーペットは他のフローリング素材と比較して、施工の手間がかからず気軽に導入しやすいといえます。しかし、設置には押さえるべき3つのポイントがあります。
- 施工は業者に依頼することでスピーディでキレイに仕上がる
- 湿度が高い・汚れやすいオフィスには向かない
- 剥がした跡が残る可能性がある
失敗を防ぐために把握しておきましょう。
1.施工は業者に依頼することでスピーディでキレイに仕上がる
タイルカーペットは専門知識がない人でも貼ることができますが、よりスピーディかつキレイに仕上げるには業者へ依頼しましょう。
角や柱のある部分はサイズ調整でカットが必要となり、オフィス全体に敷くには多くの人手と時間を見積もらなければいけません。施工前は床の掃除も必要です。
さらに、接着に失敗するとずれやゆがみが生じて見栄えが悪くなります。ちょっとしたズレが、最終的には大きなズレになることも珍しくありません。パイルの流れに沿った正確な施工は素人では難しいため業者へ依頼するのが確実です。
2.湿度が高い・汚れやすいオフィスには向かない
タイルカーペットを導入する際は、オフィス環境を考慮することも重要です。湿度が高い場所や汚れやすいエリアにはタイルカーペットはあまり向きません。熱がこもりやすく湿気の多い場所は、ダニやハウスダストの発生を助長してしまいます。
他にも、食事をするエリアではパイルの間に食べかすが入りやすくなり、においやダニの繁殖など衛生面のリスクが高まる恐れがあるでしょう。頻繁に洗うことで摩耗が早まることも考えられます。
3.剥がした跡が残る可能性がある
タイルカーペットを設置すると、原状回復時に修復費用がかかる可能性があることをあらかじめ考慮しておきましょう。
タイルカーペットを剥がした際に粘着が取れず形跡が残ってしまうほか、強引にはがすと床を傷つける恐れがあります。その場合、原状回復時に修復費用を支払わなければなりません。
導入時は接着剤やタイルカーペットの剥がしやすさも踏まえて、商品や施工方法を選びましょう。なお、業者に依頼すればトラブルなく現状回復できます。
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一口にタイルカーペットといっても、オフィス用と家庭用では機能性や特徴が異なります。歩行量が多く土足を想定しているオフィス用タイルカーペットは、デザイン性や機能面、さらには原状回復も見越して選ぶことが重要です。
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