床のデザインによってオフィスの印象はもちろん、働きやすさも変わってきます。従業員が快適に過ごせるオフィス空間は、コミュニケーションの活性化や生産性の向上といった、さまざまな効果が期待できるでしょう。
本記事では、オフィスの床材の種類や性能、カラーの選び方を解説します。床のデザインを考えるときのポイントもまとめているので、ぜひ参考にしてください。
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目次
オフィスデザインの基本①床材の種類
オフィスで用いられる代表的な床材は、「タイルカーペット」「フロアタイル」「フローリング」の3種類です。まずは、それぞれの特徴やメリット・デメリット、向いているシーンを見ていきましょう。
1. タイルカーペット
40〜50cmの正方形にカットされたカーペットをタイルのように敷き詰めていくことができる床材で、デザインやカラーのバリエーションが豊富。タイルを自由な発想で組み合わせることで、オリジナリティ溢れるオフィス空間に仕上がります。
汚れが付着した場合も、部分的に取り外しての掃除や交換が可能です。遮音性に優れているので、人通りの多い場所への設置にも向いています。
また、配線を収納するためにオフィスを二重床にする場合にも、タイルカーペットが便利です。タイルカーペットは取り外しが簡単にできるので、配線にアクセスしやすく、ケーブルの変更・増設の手間が大幅に削減できます。
2. フロアタイル
木目や大理石などの柄がプリントされた塩化ビニールの床材で、「塩ビタイル」と呼ばれることもあります。防汚性の高い塩化ビニールのフロアタイルは、汚れやすい場所や摩擦が気になる場所への設置もおすすめです。
「雨の日は湿気が溜まりやすい」「台車で重いものを運ぶことが多い」といったケースでも使いやすく、お手入れも簡単にできます。デザインの幅も広いので、エントランスや応接室など、高級感を演出したいときにも活躍する床材です。
3. フローリング
木材を加工した合板などをベースとしており、「乱張り」「りゃんこ張り」「斜め張り」などのバリエーションがあります。一般住宅で採用されることの多い床材ですが、近年はオフィスでの人気も高まっています。
天然の木材を使用した「無垢フローリング」は、グリーンを取り入れたオフィスとの相性も抜群で、自然な質感や美しさが際立ちます。無垢フローリングは、調湿作用もあるので、快適なオフィス空間を維持したいときにもおすすめです。
天然素材ならではの風合いの変化を楽しむこともできますが、表面のキズや黒ずみが気になることがあるかもしれません。価格も高いため、広い面積に導入するのではなく、アクセントとして一部に採用するのがおすすめです。
オフィスデザインの基本②オフィスの床材の性能
床材は性能にこだわることも大切です。どれだけおしゃれなデザインを採用しても、従業員や来訪者の使い勝手が悪ければ、快適なオフィスとはいえません。ここでは、床材を選ぶときに意識したい「耐久性」「機能性」について解説します。
1. 耐久性
耐久性は、大きく次の5つの要素から比較できます。
- 耐摩擦性
耐摩擦性の高い床材としては、タイルカーペットが挙げられます。柔らかいカーペット素材は、物を落としたり、人が転倒したりするリスクがある場所にも向いています。ただし、カーペットの毛足が長すぎると、キャスターでの移動が困難になるケースもあるため注意が必要です。
- 耐水・耐薬品性
雨や雪などで濡れやすいエントランスや、トイレなどの水回りは耐水・耐薬品性の高い床材がおすすめです。水に強い素材であることはもちろん、掃除用洗剤や漂白剤を使っても影響の少ないものを選びましょう。塩化ビニールのフロアタイルは、耐水・耐薬品性に優れた床材で、お手入れも簡単です。
- 耐変退色性
床材は、水分や化学物質の付着で色が変わったりする可能性があります。頻繁な掃除が必要な場所は、変色・退色しづらい素材が向いています。「汚れが付着したらすぐに拭き取る」など、少し工夫するだけでキレイな状態を保ちやすくなります。
- 耐光性
床材は、直射日光の影響で色が褪せてしまうケースがあります。日が当たりやすい場所では、ブラインドやカーテンで直射日光を遮りましょう。人工大理石などの石材は、日が当たりやすい場所でも変色しづらく、耐光性の強い素材として人気です。
- 耐熱性
喫煙室をはじめ、火を使用する場所の床材は、火災に結びつかない素材を採用する必要があります。タバコの焦げ跡が気になる場合は耐シガレット性のフロアタイルを選ぶなど、具体的なシーンを想定しながら床材を決めていきましょう。
2. 機能性
機能性は、大きく次の5つの要素から比較できます。
- 安全性
床材を清潔な状態に保つことも安全性の確保につながります。「水回りには滑りにくい素材を採用する」「飲食を伴うスペースには雑菌の発生を抑制できる床材を選ぶ」など、用途に合わせて最適なアイテムを検討しましょう。
- 歩行感・キャスター走行性
歩きやすさやオフィス家具の動かしやすさも重要なポイントです。クッション性が高い素材は、歩行時の負担軽減には向いていますが、キャスター移動では不便に感じることがあるかもしれません。
- 遮音性
静かなオフィス環境を構築したければ、遮音性にもこだわることも大切です。応接室に面した廊下やコールセンターなどは、音を遮る床材が採用されやすい傾向です。タイルカーペットでは、毛足の長いタイプを選ぶことで、遮音性が向上します。
- 断熱性
断熱性とは、外気の暑さ・寒さを室内に入れないように遮断する性能を示すものです。環境意識の高まりとともに注目されている機能で、床材にも採用する企業が増えています。
- 防汚性・メンテナンス性
土足で使用することの多い床材は、どうしても汚れが付着しやすくなります。メンテナンス性を高めるためには、汚れを防ぐ機能がついた床材を選ぶと便利です。防汚性・メンテナンス性の高い床材としては、塩化ビニールのフロアタイルが挙げられます。
オフィスデザインの基本③オフィスの床の色
床の色は、働く人の心理に大きな影響を与えます。色彩による印象の違いは、次のとおりです。
系統 | 色 | 特徴 |
暖色 | 赤・黄色・オレンジなど | ・活力を与える色味・会議室などに取り入れることで、活発な議論やアイデアの創出が期待される |
寒色 | 青・緑・紫など | ・気持ちが落ち着く色味・執務スペースに取り入れることで、作業に集中しやすいオフィス空間を構築可能 |
アースカラー | ベージュ・ブラウン・グレーなど | ・リラックス効果のある色味観葉植物と合わせて、リフレッシュルームなどに取り入れるのがおすすめ |
床の色を決めるときは、壁やオフィス家具とのバランスを考えることで、一体感のある空間に仕上がります。
オフィスの床のデザインを考えるときの4つのポイント
オフィスの床のデザインを考えるときのポイントを4つ紹介します。これらのポイントを意識することで、企業のブランディングにつながるオフィス空間がデザインできます。
1. コンセプトカラーを取り入れる
エントランスや応接室など、外部の人の目に触れやすい場所は、コンセプトカラーを取り入れるのがおすすめです。なかでも、コーポレートカラーを使用すれば、企業ブランディングにもつながります。ロゴや看板と統一すると一体感が出るでしょう。ただし、ビビットな色味を全面に取り入れてしまうと圧迫感が出てしまうケースがあるため、アクセントとして部分的に採用するなど、工夫してみましょう。
2. 床材を変えてオン・オフを切り替えられるようにする
オフィスの在り方が変化しているなかで、リラックススペースや休憩スペースのニーズが高まっています。限られたスペースを有効活用するためには、床材を変えて空間をゾーニングする方法がおすすめです。壁や仕切りを設けなくても、床材のデザインやカラーを変えるだけで、「仕事をするオンのスペース」「休憩するオフのスペース」が区切れます。
3. 来訪者に発見ある体験をもたらす仕掛けを施す
オーダーメイドの床材なら、オリジナルな空間をデザインすることも可能です。たとえば、床材のデザインで目的地までの道順を示したり、会社ロゴなどのグラフィックを床で表現したりといった仕掛けも施せます。来訪者の印象に残るような体験型のデザインは、企業の価値向上にもつながります。
4. 配線が多い場合はOAフロアの採用がおすすめ
OAフロアとは、配線をすっきりと収納するために二重構造にした床のことです。本来の床とパネルの間の空洞部分に配線を収納することで、ケーブルに足やモノが引っかかるリスクを軽減し、オフィスの安全性を高めることができます。配線が多いオフィスや、頻繁にレイアウトを変更する組織では、OAフロアの採用がおすすめです。
オフィスの床を張り替えるなら「ソーシャルインテリア」にご相談ください
床材にこだわることで、オフィス空間の印象は変わります。床材の種類によって、使い心地も異なるため、それぞれの場所に適したアイテムを選ぶことが大切です。
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