アクリルパーテーションの効果は? 導入する際の選び方も解説

新型コロナウイルスが5類感染症に位置づけられ、マスク着用の頻度が低下しています。経団連の「事業者に関する取り組み」でも業種別ガイドラインは撤廃され、自主的な対策が求められるようになりました(参照:日本経済団体連合会)。ただし、感染リスクはゼロではないため、対策を続けたい現場も存在するでしょう。この記事では、感染対策として注目されているアクリルパーティションの効果と導入時のポイントを解説します。

アクリルパーテーションの効果

アクリルパーテーションの高さと飛沫防止効果

理化学研究所が行ったシミュレーションでは、18人の小規模オフィス(269平米)で、4人が対面に座る場合の感染リスクを調査しました。その結果、床から1.2mのパーテーションでは効果が限定的であり、1.4mと1.6mの高さではほぼ同程度に有効な効果が得られることがわかりました。

オフィス内にはマスクをしていない人も多いことから、顔より高い位置までカバーできる1.4mをパーテーションの高さの目安として選ぶことをおすすめします。

オフィスや店舗でアクリルパーテーションを導入すべきか?

オフィスや店舗の感染対策として、接触や近距離での対話が頻繁に行われる場合にはアクリルパーテーションの設置は有効です。ただし、導入時にはコストや現場のニーズ、周囲の景観などを考慮して検討する必要があります。

アクリルパーテーションの特徴

パーテーションには、アクリル以外にもPET(プラスチック)製や段ボール製など種類があります。これらと比較した場合の、アクリル製の特徴を紹介します。

1 汚れを拭き取りやすい

アクリルパーテーションの特徴の1つが、掃除が簡単なことです。水ぶきが可能なため、デスクや窓などと一緒に拭き掃除ができます。

手垢などが付着し汚れがひどい場合も、中性洗剤を使用できるため、専用の洗剤などは必要ありません。毎日清潔に保つために、手軽に手入れができるのは嬉しいポイントです。

2 重さがあり安定感がある

PET(プラスチック)製のものなどと比べ、アクリルパーテーションにはある程度の重量があり、設置時に安定感があります。

製品にもよりますが、アクリルパーテーションの重量は、45cm四方・厚さ5mmの製品で、おおむね1.4kgです。スタンド付きのパーテーションであれば、デスクの上に置くだけで設置が完了します。重すぎず、ある程度の安定性を確保できるほどよい重さです。

3 透明・半透明なので圧迫感を感じにくい

アクリルボードは、透明性が高い素材です。光を取り入れ、視界を遮らないため、圧迫感を感じにくい特徴があります。

オフィスでデスクの仕切りに利用しても、解放的な空間を維持し、コミュニケーションも阻害しにくいといえます。飲食店の場合でも、パーテーションによって仕切られるストレスを軽減できるでしょう。

4 種類が豊富で使用シーン・場所に合う製品を選べる

アクリルパーテーションは、サイズ・透明度・設置方法・形状のバリエーションが豊富です。土台が木製でデザイン性を高めたものや、設置した場所の広さや形状に合わせて連結できるものまで、さまざまあります。設置場所や用途に応じて、自社に適した製品を見つけることができます。設置も簡易的なケースがほとんどです。

アクリルパーテーションの使用がおすすめの場所

アクリルパーテーションは、幅広いシーンで活用できます。マスク無しでの会話が想定される、以下の場所には特におすすめです。

・オフィスのラウンジや共有スペース
テーブルの間の仕切りとして。(ランチやコーヒーブレイク時)

・飲食店
テーブル席やお座敷など対面席の仕切りとして。カウンター席の仕切りにも。

・老人ホーム
共用スペースのテーブルに。

・スポーツクラブ
ランニングマシンやエアロバイクの仕切りに。

アクリルパーテーションの選び方

アクリルパーテーションを選ぶには「設置方法」「形状」「高さ」など、いくつか基準があります。それぞれどのような場合に適しているのか、詳しくみてみましょう。

設置方法を選ぶ

パーテーションは、設置方法ごとにタイプが分かれており、それぞれ適した利用シーンが異なります。

自立式アクリルボードにスタンドが付いて自立するタイプ。固定しないため簡単に撤去でき、掃除もしやすい。
貼り付け式テーブルなどに両面テープで固定して立てるタイプ。自立式より安定感があるがテープの跡が付くことも。
クランプ式金具でデスクやテーブルを掴んで固定するタイプ。落下の心配はほぼないが、端にしか金具を固定できない。

形状(タイプ)を選ぶ

アクリルパーテーションは、仕切れる面の数に応じて、いくつかの形状に分類できます。設置予定の場所や、仕切りたい方面に応じて適したものを選んでください。

1面タイプアクリルボード1枚で仕切るタイプ。
2面タイプ(L字型)前面と左右どちらか側面を仕切れるタイプ。
3面タイプ(コの字型)前面と左右の側面を仕切れるタイプ。
十字型向かい合った4人をそれぞれのスペースに仕切れるタイプ。

高さを選ぶ

アクリルボードの高さは製品やメーカーによって異なりますが、多くは36cm・45cm・60cm・昇降式に分類されます。

飛沫防止を目的とする場合、デスクの高さとあわせて1.4mに近い高さになる60cm以上を目安に選ぶとよいでしょう。

5 その他の特徴を選ぶ

アクリルパーテーションには、設置場所に応じてさまざまな加工を施したものもあります。

・手元で書類などの受け渡しができる窓付き
・移動しやすいキャスター付き
・安定性を強化したフレーム付き
・会話のしやすさを重視した声通し穴付き
・細菌の増殖を抑制する抗菌加工タイプ
・輸送に便利な組み立て式

使用シーンを整理し、プラスの加工がついたパーテーションが必要なのかを検討してみてください。

アクリルパーテーションを使用するときの注意点

最後は、アクリルパーテーションの導入後、使用・管理の際に注意したいポイントを紹介します。便利なアクリルパーテーションですが、適切に使用しないと期待した効果が得られないこともあります。

清掃の方法

アクリルパーテーションに付着した飛沫が乾燥すると、細菌やウイルスが風に乗って空気中に放出されてしまうことも。なるべくこまめに清掃し、清潔な状態を保つよう心がける必要があります。

清掃は、多くのパーテーションメーカーが推奨する、中性洗剤を使用する方法がおすすめです。バケツなどの容器を使って中性洗剤をお湯で薄め、雑巾でパーテーションの表面を拭きましょう。

使用する場所にもよりますが、引火や割れ・白化の可能性があるため、アルコールの使用は避けたほうが無難です。

高温のものを近づけない

アクリルパーテーションは、火や熱に弱いという特徴があります。熱によってアクリルボードが反ってしまう場合や、熱に触れた部分が溶けることがあります。

そのため、冬場のヒーターの近くでの使用や、火を使う現場での使用には向きません。飲食店やオフィスに設置する場合、タバコの熱にも注意が必要です。

自社に合う種類・素材のパーテーションを選ぶことが重要!

パーテーション選びで大切なのは、設置場所や使用シーンに応じ、自社に合ったタイプのパーテーションを選ぶこと。また、飛沫防止を目的に選ぶなら、しっかり効果を発揮する高さのものを選ぶことが重要です。
製品のバリエーションが多く選ぶのが難しい場合は、ぜひオフィス構築のプロ、ソーシャルインテリアにご相談ください。

ソーシャルインテリアでは、パーテーションの選定はもちろん、お客様それぞれに適したオフィスづくり・お店作りをトータルサポートしています。お困りのことがございましたら、まずは以下のお見積りフォームよりお問い合わせください。